IVVY 新メンバー加入後初のシングル
「BLUE DAISY」で果たした“進化”
とは?

TOSHIKIの卒業により、2022年からMASAKI、TAICHI、KEYの新メンバー3人が加わり、7人体制となったIVVYが、新体制第一弾シングル「BLUE DAISY」を6月29日にリリース。

キーワードは“進化”だった。
楽曲のコンセプトや歌詞、振り付けなど、メンバー主導で制作した今作。フレッシュな新メンバー3人の初々しい自己紹介を含め、新曲で彼らがどうIVVYの“進化”を表現していったのか。そのストーリーを交えながら7人に話を訊いた。
――まずはリーダーのHIROTOさん、新メンバーのオーディションを行なったなか、なぜこの3人が選ばれたのかというところから教えていただけますか。
HIROTO:オーディションのときから特にインパクトがあった3人で、実力以上に目には見えない気持ちの部分や、放っているオーラをすごく感じて。それがIVVYと合うなと直感で思ったし、他のメンバーも同じことを思ってたんですよ。そこが一番大きかったかな。人生かけて、一緒にこれから歩んでいくというところで、ピンときたのがこの3人でしたね。
――5人から7人にグループの編成を変えた理由は?
HIROTO:たまたまいい人が3人いたからです。
――分かりました。では早速ですが新メンバーの方々、自己紹介をお願いします。
MASAKI:メインボーカルとして入らせていただきましたMASAKIです。広島出身です。元々TOSHIKI君がメインボーカルでいたところに入るということで、プレッシャーは感じてます。
HIROTO:でも彼は、最初から歌がヤバかった。審査員の僕らが引いちゃったぐらい。
YU-TA:すごく上手いんです。
HIROTO
――では、次の方。
TAICHI:TAICHIと申します。元々はボーカルをやっていたのですが、以前からラップにも興味があって。HIROTO君やYU-TA君に「声いいからやってみなよ」といわれて、IVVYで初めてボーカルとラップ、両方を担当することになりました。東京出身です。日本と韓国のハーフなので韓国語もできます。
KENTO.i:TAICHIは韓国語ペラペラですから。IVVYはグローバルになりますよ。
HIROTO:実際に韓国でもグループの一員として活動して、歌番組にも出てたので、プロとして即戦力となるマルチプレーヤーです。新メンバーは以上となります!
KEY:いやいや。ちょっと待って。
HIROTO:ここ、いじりどころですよ(笑)。
KEY:最年少のKEYと申します。大阪出身です。
――KEY……SHINeeのKEYさん?
KEY:違います(笑)。16歳の時、L.A.にダンス留学をして、これまでいろんなアーティストのバックダンサーとしてツアーを回ったりしてました。
――あれ、TAIYUさんの担当だったダンスと最年少を。
TAIYU:とられちゃったんですよ。だから僕はいま、IVVYのなかで迷子中です(笑)。
――すいません。KEYさん続きをどうぞ。
KEY:えー、あとは……。
KENTO.i:ラップ担当です。
YU-TA
――フォローありがとうございます(微笑)。どうですか、7人になって変わりました?
TAIYU:変わりましたよ~。最年少もいじられキャラも、前までは僕だったじゃないですか。いまはこっち(KEY)にいっちゃったんで。
KEY:そんなことないです。
TAIYU:でも、7人になって雰囲気がにぎやかになりましたね。
HIROTO:にぎやかさは増したよね。新メンバーが元々いた僕らに対して“先輩”みたいな感じになっちゃうのかなと思いきや、全然そういうのはなくて。フラットなんですよ。メンバー同士。
TAICHI:僕はTAIYUと同い年なのもあって、すごい居心地はいいし、楽ですよ。
TAIYU:僕はいままで年上のメンバーしかいなかったから、同い年のメンバーがいるのが嬉しいし。新メンバーも悩んでることとか、僕には話しやすいと思うので。それを、元からいるメンバーに僕が伝えたり。7人になっても、コミュニケーションはとりやすい環境になってると思います。
KENTO.i:俺からしたらパートとしてラッパーが1人増えたというのが大きくて。いままでと全然違うんですよ。ボーカルチームも同じだと思うんですけど、いままで自分はラッパー1人だったけど、いまは同じ意識で一緒にかませる人がいるというのはデカくて。ラップの掛け合いもできるし、自分がラップしてないときでもラップが聞こえてくるのが嬉しい。
TAIYU:ラップチームのパパ的な感じ?
一同:(笑)。
KENTO.i:そう! だからパパとしても(笑)、カッコよくかまさなきゃなという新たな責任感が生まれてきました。
YU-TA:ボーカルチームに関していうと、MASAKIにはMASAKIの魅力があって。
――TOSHIKIさんとは声色も声質も違って。
YU-TA:まったく違うんですよ。なので、新たなIVVYの色、雰囲気が歌で出せるようになりましたし。他の新メンバーも含め、ちゃんと任せられる3人が入ってきてくれたからこそ、IVVYでより自分のパートに専念できるようになって、グループでの立ち位置、ポジションも確立された気がします。
KENTO.i
――ダンスパフォーマンスの部分に関してはどうですか?
TAIYU:新メンバー3人のダンススキルは何も問題はなくて。例えば、これまで僕とKENTO.iさん2人で踊ってたパートにKEYが加わって、そこがさらにパワーアップしたり。5人ではできなかったけど、7人いるからこそできるフォーメーションとか複雑な組み合わせの振り付けとか。ダンスパフォーマンスの幅がめちゃくちゃ広がって、見せ方のレパートリーは圧倒的に増えました。あと、ステージ映えという部分も変わりましたね。すごい迫力ですし、7人いると厚みが出ます。
――過去曲は7人編成用に歌やラップ、振り付けを変えてやっているんですか?
HIROTO:そうです。いままで歌だったパートを、新しくラップにしたり。結構アレンジを加えているので“新しくなった”という印象を受ける曲もあると思いますよ。
――逆に、新体制になって難しかったところは何かありました?
HIROTO:新しいグループを作る訳ではなく、あくまでもIVVYというグループを“進化”させたものを作る。そこが難しかったです。IVVYが持ってるグループ全体の雰囲気や、メンバー個々の雰囲気、曲の雰囲気と、お客さんが好きなIVVY全部を存続させた状態で、さらに進化したものを受け入れて頂くかというところはすごい試練でした。だから、既存曲一つとっても、アレンジし過ぎたらダメで。そこでトラックから全部作り変えちゃったら、いままでIVVYを好きだったファンの気持ちを裏切ることになるかもしれない。でも、新体制ならではの進化も見せないといけないので。そこは難しかったですね。
TAIYU
――では、その進化したIVVYで制作した「BLUE DAISY」について、ここからは質問していきたいと思います。私はてっきり昨年末、7人で初披露した「Swallowtail」がくるものだと思っていたんですが、違いましたね。
HIROTO:普通に考えればそうですよね。お客さんもそう思ってたと思います。それを、いい意味でひっくり返したかった。あのお披露目から数ヵ月経って、あの曲をやったからこそ、もっとこの新生IVVYでできること、その可能性が見つけられたので。そこを見せないと勿体無いよねと思って。
――それで出てきたのが「BLUE DAISY」。
HIROTO:そうです。さっき話したように、いままでのIVVYを考えた上で、それを進化させた結果がこの曲です。
――だからこういうIVVYお得意のミディアムテンポの爽やかな曲調で、イントロのフェイクにもIVVYお得意のファルセットを織り込んで、7人になって変わったけど変わらないよ、進化しただけだよというのを伝えるにはこのような楽曲が必要だったと。
HIROTO:まさに、そういうことです。
――過去曲ではTOSHIKIさんが担当していたイントロのフェイク。風を呼び込むようなファルセットのフェイクはYU-TAさんですよね。
YU-TA:そうです。
HIROTO:安心しますよね、あれで。
――ええ。で、曲が始まったら歌、ラップも新メンバーから始まる。あれは驚きましたね。
HIROTO:でもそこは意図してじゃなくて、雰囲気で決めたらそうなった感じ。
MASAKI
――歌い出しはMASAKIさん?
MASAKI:僕です。歌詞の内容を見ても、“これはYU-TA君が歌ったほうがいいよ”とか、ここは歌い分けで一番悩んだところなんですよ。
HIROTO:迷ったよね。だけど、進化したIVVYを出すにはYU-TA始まりではなく、MASAKIで始まるところが新しいよねって。
YU-TA:でも、めっちゃ悩んだよね。
HIROTO:安定をとるのか、新しい雰囲気を初っ端から出すのか。いままでのIVVYだったらそこはチャレンジするなと思って。
――さらにMASAKIさんの次も。
TAICHI:僕が歌ってます。綺麗なメロディーなので、綺麗に歌おうということを意識しました。ラップをやるとき、僕はめちゃくちゃ声をつぶしてやるんですけど、この曲に関してはメロディーを活かすため。MASAKI君とかも綺麗な声で歌っているので、それを邪魔しない声で歌いましたね。
TAICHI
――新メンバーがダブルで続くからこそ、イントロのYU-TAさんの声が超大事なバランサーとなって。
YU-TA:聴き馴染みのある声から新メンバーにバトンタッチしていくところは、ストーリー性があっていいですよね。
TAIYU:TAICHIの後にYU-TA君と僕が交互に歌って。
HIROTO :サビ前はしっかり僕が締めてます。
――そうして2番のAメロのラップは。
KENTO.i:KEYから始まって、次が俺です。KEYとはまったく声質が違うから分かりやすい。
――さらに後半、もう1度2人のラップパートが出てくるのも進化したIVVYならでは。
KENTO.i:いままでだと曲中に1回ラップしたら終わりだったじゃないですか? 7人になったことでラッパーが増えたから、そこのバランスも考えて。7人って俺らも未知な世界だったから、めっちゃ7人グループの曲を聴いたんですよ。それで、今回はHIROTOと話して前半と後半にラップを散りばめました。そこはめっちゃ変わりましたよね。
KEY
――KEYさん、実際にこの曲でラップをやってみてどうでしたか?
KEY:曲のなかでも感情をそのまま伝える歌詞だなと思ったので、KENTO.i君とはまた違うラップができたなと思います。
HIROTO
――そもそも新曲を「BLUE DAISY」にした決め手は何だったんですか?
HIROTO:この曲は、まずメンバーで曲名から考えたんですよ。“どういうシングルにしようか?”っていうところから。
――え、作り方も進化してるじゃないですか。
HIROTO:そうなんですよ。今回は新生IVVY一発目のリリース作品。意味のあるものにしよう、絶対みんなで納得いくものを作ろう、というところから始まり、まずコンセプトを決めたんです。このシングルで何を伝えたいのか、というところから考えて。IVVYは植物、シングルも植物、花にしようと。花一覧を見て調べていたら、ブルーデージーというのが響きがよくて。意味を調べたら“幸福”“幸運”“協力”とあったから、まさにこれだ、と。じゃあ衣装は花の色に合わせて青にして、曲も幸せを運んでくるような曲調にして、みんなで協力してここからいこうって考えたら全部がつながるなというところから、この曲の元ができたんです。IVVYは、いままでは曲があって、その曲に合わせてああしよう、こうしようだったから。今回のように、タイトルからコセンプトから曲調、歌詞に込めるメッセージ性まで全部、ゼロからメンバーで決めてやったのは。
KENTO.i:初だった。
――それをメンバーで決めた後に、曲や歌詞を作家さんに発注していったんですか?
HIROTO:はい。
YU-TA
――では振り付けに関してなのですが。これ、踊るんですか?
TAIYU:踊るんですけど、7人で表現するところがめちゃくちゃ多い。ダンスというよりも“作品”になってます。
――もしかして花びらになるとか?
TAIYU:そうです!
HIROTO:大正解(笑)。
TAIYU:途中でKENTO.iさんが《Beautiful Flower》というパートでは、KENTO.iさんが真ん中にいて、全員がいろんなところから咲いていって、次にYU-TA君が歌い始めるとか。だから、これは見てるとダンスというよりも作品なんです。
HIROTO:踊るというよりも演技してる感じ。
――“協力”がアクトにも表れてる訳ですね。
TAIYU:はい。振付についても、ギリギリまでメンバーと話して。自分のなかで“この振付師さんだったらこういう表現ができそう”と思えるいう方に初めて今回、振り付けをお願いして。その方と、ここはこういうコンセプトでこういうイメージがあるからこんな見せ方をしたい、というのを、いままでのなかで一番細かく打ち合わせをしました。
KENTO.i
――それを全部TAIYUさんが?
TAIYU:はい。
――おぉー(全員拍手)。
YU-TA:いい存在ですよ。TAIYUは。
――迷子とか言っておきながら、重要な任務を担当しているじゃないですか。
TAIYU:実はあったんです(笑顔)。
HIROTO:ちょっとポジションが裏方寄りにはなってきましたけどね(笑)。
YU-TA:でも大事! 他のメンバーはこんなことできないんですから。
TAIYU:それでできた振り付け、7人の新体制、この楽曲、3つの要素が全部いい感じでハマって、めちゃくちゃ刺さるものになりました。
TAIYU
――みんなでできるポイントダンスはあるのでしょうか?
TAIYU:あります。サビの後半で《OH-OH-OH-OH》というところで、全員で腕を広げて手で花を咲かせる振り付けがあるんですけど。ライブではそこをファンの方がやってくれて、BLUE DAISYの花が広がっていく感じになってます。
――今回、MVも新しい監督さんと組んでやられたんですよね?
YU-TA:そうんですよ。このMVを見れば、TAIYUが“これは作品”と言っていた意味が分かると思います。すごく綺麗です。新しい監督さんは曲の世界観、ストーリーをすごく汲み取ってくださってて。そこが映像から伝わってくるものになってます。
――C/Wの「Let it go」はカッコいいIVVY全開のアッパーのダンスチューンでした。ボーカル、ラップがどんどん入れ替わっていく感じがスリリングでヤバかったです。
HIROTO:振り付けもヤバいんですよ。初めて韓国の方に振り付けをしてもらったんですけど、めっちゃカッコいい。曲のなかでメンバーがいなくなったりしますから。
YU-TA:サイドにはけて。
KENTO.i:韓国特有の振り付けだよね。
HIROTO:ステージ上で1人だけになるパートがあるんですけど。誰だと思いますか?
MASAKI
――《しかめっ面》のMASAKIさん?
全員:そこ?(爆笑)
HIROTO:TAIYUです。
――めっちゃおいしいポジションですよね。
YU-TA:だから、全然迷子じゃないんです。
TAIYU:でもこの振り付けは本当に新しい感じなので、僕らもやってみないと分からないです。
HIROTO:この曲に関しては、新体制の進化、そこにさらに“チャレンジ”が加わってますから。曲もそうだし、パートがどんどん変わるのもそうだし、ダンスもそうだし。もっと新しい何かが見つかるんじゃないかなってところのチャレンジ曲でもあります。
TAICHI
KENTO.i:チャレンジという意味では、今回初めてラップを自分が作ってないんですよ。
――えっ! そうなんですか?
KENTO.i:今回はめまぐるしくパートが変わっていくところをスムーズに聴かせるためにも、あえてShogoさんに作ってもらって。いつも自分で書いたラップしかしてないから、レコーディングは変な感じでした(笑)。
HIROTO:相当録り直してたもんね?
KENTO.i:俺とTAICHIで。
HIROTO:TAICHIは「BLUE DAISY」ではボーカルですけど、この曲はラップで出てきます。
TAICHI:「BLUE DAISY」と違って、こっちのラップでは男らしさを出した感じにしてます。
KENTO.i:声は俺と同じぐらい低いんですけど。
――しゃがれてる声質がTAICHIさん?
KENTO.i:そうそうそう。
KEY
――KEYさんはどうでしたか?
KEY:デモを聴いたときから“マジかっこいい”って思ったので、「BLUE DAISY」とは変えて、強気なパフォーマンスをしようと思いました。ダンスはホンマにカッコいいんで楽しみでしかないです。
――MASAKIさんは歌ってみてどうでした?
MASAKI:この曲はラッパーの勢い、スピード感に耳がいきがちなんですが、ラップチームからボーカルチームへ切り替わったときの歌感。そこは意識的に出していきました。
――こちらはライブで盛り上がりそうですね。
HIROTO:チャレンジの曲なので、どうなるんでしょうね。いままでみたいに、みんなで一緒になって楽しく盛り上がる感じの曲でもないし。沸いてもらいたいですね、フロアには。

取材・文=東條祥恵 撮影=横井明彦

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着