我儘ラキア、日本一攻めてるアイドル
が叩きつけた挑戦状 マイファスをゲ
ストに迎えた対バンツアーFINALに見
た成長の証

我儘ラキア『WAGAMAMARAKIA “W” TOUR 2022』FINAL

2022.05.29(sun) チームスマイル・豊洲PIT
5月29日(日)東京、チームスマイル・豊洲PITにて、4月より全国5都市を回った我儘ラキアの対バンツアー「WAGAMAMARAKIA “W” TOUR 2022」のツアーファイナルが開催された。仙台にCVLTE、愛知にNOISEMAKER、大阪にa crowd of rebellion、福岡にROTTENGRAFFTYと豪華対バンを招き、各地で熱戦を繰り広げたこのツアー。ファイナルとなる東京の対バンはMY FIRST STORY!どんな展開になるのか予想のつかない異種格闘技戦の開幕に開演前のフロアは、ラキアのライブを初めて観るであろうマイファスのファンを含めた、オーディエンスの期待と熱気で満ち溢れる。
MY FIRST STORY
照明が落ちてSEが鳴り、先攻でステージに登場したのはMY FIRST STORY。Kid'z(Dr)、Nob(Ba)、Teru(Gu)が定位置につき、Kid'sのドラムを合図に3人が爆音を鳴らすと、観客の拍手に迎えられてHiro(Vo)が登場。「豊洲PIT始めようか!」と告げ、荒ぶるイントロから1曲目「MONSTER」で激しくも軽快にライブが始まると、痛快なビートとラウドなサウンドにヒートアップしたオーディエンスのジャンプで、会場がゆっさゆっさと揺れる。間髪入れず始まった「FAKE」では、重厚な演奏に会場中がヘドバンやクラップを合わせ、ライブ序盤から観客の心をガッチリ掴んだ彼ら。短い挨拶を挟んで始まった「Missing You」ではHiroが切なく美しい歌声を聴かせると、高まる感情を歌とサウンドで丁寧に力強く表現。「好きに自由に踊っちゃってよ!」とダイナミックでグルーヴィーな演奏、圧倒的歌唱力で聴かせた「ACCIDENT」に会場中が身体を揺らし、手拍子を合わせるのを見てハッとさせられた。ヤバイ、今日も本気のマイファスだ!!
Hiro
Teru
ヘヴィなサウンドと繊細な歌声で魅せた「PARADOX」、切なく美しい歌声とメロディに会場中が引き込まれた「I'm a mess」と続き、「あとちょっとだけ付き合ってもらえませんか? 頭のネジ、外してもらえませんか? 一緒に踊ろうぜ!」と披露した「モノクロエフェクター」の歌と演奏で強烈な熱量を放つと、フロアは再びヒートアップ。叩きつけるビートにギターイントロが滑り込み、重厚なベースサウンドに伸びやかなハイトーンボイスが響いた「REVIVER」でフロアが最高潮の盛り上がりを見せる中、とどめを刺すように叩きつけたラストは「不可逆リプレイス」。渾身の歌と演奏にマイファスのファンもラキアのファンも関係ナシに会場がひとつになって湧き上がる中、「俺たちのことを初めて知った人もたくさんいると思うし、ラキアを見に来た人もたくさんいると思う。でもそんなアドバンテージぶっ壊せるって信じてるから、このツアーファイナルに出させてもらいました」と曲中に話し始めたHiro。
Kid'z
Nob
「今日はどう考えたって俺らが挑戦者。アイドルだからとか、バンドだからとか、そんなことは一切考えてません。せっかくだったら、同じ音楽で同じ気持ちでこのステージに立たせてもらいました。それがロックバンドだと思っています。今日はお付き合いいただいて、本当にありがとうございます!」
MY FIRST STORY
ステージに懸ける真摯な想いを語ったHiroに、大きな拍手を送るオーディエンス。えたい自分たちの夢に近づくため、ラキアが憧れの先輩ロックバンドたちの胸を借りて、さらなる成長を遂げるべく挑んだこのツアーだったはずだが。逆にラキアに敬意を評し、アイドルだからと色眼鏡で見ることもなく、“挑戦者”の気持ちでこの日のステージに挑んだマイファス。手加減ナシの本気で挑んだこの日のライブからは、ラキアへのリスペクトを感じると共に、自分たちの音楽をどんな人にも届けてやるという気合いや気概もしっかり感じ、彼らの男気とカッコ良さはマイファスを初めて見る人にもしっかり届いたはず。
我儘ラキア
マイファスの熱気と余韻が会場に残る中、後攻で登場したのは我儘ラキア。SEが鳴り、バンドが定位置に付くと、4人がゆっくりステージに登場。「我儘ラキア、始めます。MY FIRST STORYさん、最高のバトンパスをどうもありがとうございます!」と星熊南巫がマイファスへの感謝を告げると、そのまま美声を響かせて「reflection」でライブが始まる。ラウドなバンドサウンドに乗せた、堂々とした星熊のボーカルとMIRIの切れ味鋭いラップ、川﨑怜奈のキュートなムーブに海羽凜の妖艶さ。そして息の合った4人のダンスと、マイファスのバトンを受けて、1曲目から全力のステージを見せた彼女ら。それぞれの個性爆発、ラキアの魅力全開のパフォーマンスに、ラキアを初めて見たであろうマイファスのファンからも大きな拍手が起きる。マイファスNobのプロデュース曲「FUTURES」、さらにメンバー作詞作曲の「Why?」と続き、序盤から気合い十分、攻めのステージで会場を沸かした4人。礼儀を持って遠慮はせず、このステージに本気で挑んでくれたマイファスへの敬意と、「絶対負けない」という遠慮のない気迫に満ちたステージは、普段のワンマンやイベントと比べても、放つ気迫やオーラが全然違う!

我儘ラキア

MCでは、「自分たちは色んな人たちに、アイドルでもない、バンドでもないと言われ続けてきたけど、好きなことをやりたくて。もしかしたら何にもなれないかも知れないけど、自分たちを信じて、いつか憧れのあの人たちとライブが出来るかも知れないという夢を抱きながら、ここまでやってきました」と、このツアーに懸けた想いと、挑戦状を受けてくれたマイファスへの感謝を告げた星熊。「日本一攻めてるアイドル、我儘ラキアです!」と力強く宣言して、披露した曲は「GIRLS」。ダンサーも加わり、歌とダンスで賑やかで華やかなステージを魅せられるのは、ロックバンドにはない彼女らの強み。パワフルな星熊のリードにダンスが華を添えた「New World」、スケール感のある楽曲世界を星熊の歌唱力と全身を使ったダンスで表現した「Ambivalent」と続いて観客を魅了すると、ダンサーがステージを降りて、ステージ上は再び4人に。「Reboot with...「」」で強烈な熱量を放ち、フロアに拳が上がると、その様子を見て星熊が笑顔を見せる。「みんな、こっから盛り上がっていけますか? 一緒に踊ろうぜ!」と川﨑が煽り、「Leaving」が始まる。初見であろう人も懸命に手振りを真似て、明るく楽しい雰囲気が会場を包む。
星熊南巫
川﨑怜奈
続くMCでは、6月にNew EP『ONYX』がリリースされ、リリースツアーを開催することを発表。「今日でWツアーは最後。自分たちの遥か先輩のバンドさんとやるのは初めてでした。でもすっごく嬉しかったのが、どのバンドも全力で来てくれたこと。本当に心から嬉しかったです。色んな人にもらったパワーを引き連れて、リリースツアーも成功させたいと思います!」と対バンツアーの感想とリリースツアーへの意気込みを語った星熊は、「自分たちは叶えたい夢があって、まだまだ夢の途中にいます。無理な壁を越えていこうと思ってるけど、いつか色んな夢を実現して。みんなにもっと勇気を与える人になれると自分では思ってます」と熱い想いを語り、「こんな時期でもひとつになれることを証明して下さい」とスマホのライトが会場中を美しく照らす中、気持ちたっぷりに「One」を熱唱。このツアーを通じて先輩バンドやオーディエンスからたくさんの力をもらって改めて思った、みんなにもっと勇気を与えられる人になりたいという気持ち。4人がマイクを繋ぎ、歌に乗せた熱い想いはしっかり胸に響いたし、この曲を通して会場中の気持ちが重なり合ってる感覚はすごく温かく力強かった。
我儘ラキア
ライブ終盤。「「あの人の人生いいな」とか、「自分とは違うから」とか。そんな言い訳、これからはさせないような曲をみなさんにぶつけていきます。この世に生まれた、一人ひとりが人生の主人公だということ。泥臭くてもいい、どんな生き方でもいい、好きなように生きて、みなさんの人生を全うして下さい。決して、イヤなヤツに負けないと誓ってくれますか?」と曲に込めたメッセージを伝え、星熊が拳を振り下ろして始まったのは、新曲「GR4VITY G4ME」。こみ上げる想いを歌声に乗せた星熊の鮮烈なサビが、聴く者の胸を突き刺すこの曲。川﨑のポジティブなラップや、MIRIの攻撃的なラップ、海羽の心癒す歌声とそれぞれの個性が際立ち、音源とも異なる表現でオーディエンスの心に強く訴えかける歌とパフォーマンスは明らかにツアーを経て、たくましさを増したラキアの最新型。
MIRI
海羽凜
この日の最大の魅せ場と言える新曲披露から、「There is surely tomorrow」、「Melody」とライブ定番曲をたたみ掛けるように披露して、オーディエンスを大いに沸かせたラキア。「この一曲に我儘ラキアの誇りと色んな気持ちをぶつけて帰ります、お願いします!」と始まったラストナンバーは、マイファスNobのプロデュース曲であり、いまやラキアの代表曲とも言える「SURVIVE」。いまの自分たちに足りない部分も自覚して、無謀と分かりながら先輩ロックバンドに挑戦状を叩きつけ、各地でライブの猛者たちと激戦を繰り返し、ついに迎えたツアーファイナル。ツアーに懸けた全ての想いを込めた、まさに全身全霊の「SURVIVE」は最高に熱く力強くエモーショナルで、このツアーのエンディングを飾るに相応しい、素晴らしいパフォーマンスだった。

我儘ラキア / MY FIRST STORY

ツアー前のインタビューで、「対バンのお願いに行ったバンドに「どうしてアイドルなのに、バンドと対バンするの?」と聞かれ、答えることが出来なかった」と話していた星熊だったが。マイファスへの愛と敬意と感謝の気持ちを持って、死ぬ気でぶつかっていったこの日のライブを見て、「そんなライブが出来る相手と対バンしたかった」というのが、答えだったんだろうと思った。6月にはNew EP「ONYX」をリリースして、7月からは新たなツアーが始まる我儘ラキア。自身の成長に加え、先輩バンドたちからも多大な刺激や影響を受けたであろうこのツアーを経て、ラキアはどんな進化変化を遂げたのか? 早く次のツアーが見たい。

取材・文=フジジュン 撮影=TAKAHIRO TAKINAMI
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