+α/あるふぁきゅん。

+α/あるふぁきゅん。

【+α/あるふぁきゅん。
インタビュー】
最後には必ず
“やっぱり生きていたい”
というマインドで歌っていた

苦しんだ先で何かを学んで
成長すると思う

+α/あるふぁきゅん。さんからご覧になって、巷では承認欲求も独りよがりな自己肯定感に窮している人たちが多いように思われますか?

承認欲求も独りよがりな自己肯定感って強ければ強いほど、いい方向に転がることももちろんあると思うんですけど、私は人よりも黒い部分が目についちゃうんで、それに傷ついている人がたくさんいると思いますね。それがなければ、これまで以上にパートナーを愛せるかもしれないし(笑)、友達のことをものすごく大事にできるかもしれないのにって。良くも転がるし悪くも転がる感情だと思うんですけど、苦しんでいる人は多いとは思います。苦しんだ先で何かを学んで成長すると思うんですけど。

本作は歌詞だけでなく、音楽作品としてしっかりとしているところも見逃してはいけないところだと思います。フィーチャリングが2曲あります。「口癖(feat. Gero)」と「恍惚に病む。(feat. たかやん)」。先ほど申し上げたように“隣人を愛せよ”は本作の重要なテーマのひとつですから、こうして実際に客演するのは重要ですよね。

「恍惚に病む。」はたかやんさんの言葉もあって、私だけの言葉じゃないんですよね。フィーチャリングであってコラボ。“嘘”がテーマだから、また別のベクトルから嘘について曲の中で一緒におしゃべりしてもらえたので、聴き手の幅もそれだけ広がりますよね。

歌詞もおふたりで作られていますが、ひとりでは作れなかったであろう内容になっているのも大きいんでしょうね。

そうです。私とたかやんさんとはお互いに共感することが多かったんです。“あっ、それな!”みたいな(笑)、“うわっ、気づかなかった! これでまた人間レベルがひとつ上がったぞ”みたいな(笑)、作っていく中でそういうことがあったんで。本当にいい曲ですし、私たちの人間レベルも上がったし、曲が出来上がったあとで私は思いましたね。“コラボで良かった”って。

あと、いろんなボカロPの楽曲をチョイスしたこともあってか、サウンド的には実にバラエティーに富んでいて、そこにもアルバムとしての面白さがありますよね。

はい。アルバムを全曲聴いて“これはウィットに富んでるな”とも思うので(笑)、聴いている人も楽しいと思います。

「恍惚に病む。」は歌詞だけで見ると暗めなイメージもありますけど、アップテンポでラテン調な部分があったり、サウンドの密集感もあって、独特の高揚感がありますしね。

こんな歌詞なのに爽快感がありますよね(笑)。

かと思えば、「Dokie Doggy Night」のような楽し気な感じというか、大道芸的なタイプがその次の曲で。

可愛いですよね(笑)。でも、決して合ってないわけじゃないという。

はい。そして、「共鳴ダリア」はスムースジャズが小室サウンドと合体したような感じと言いますか。

ちょっと懐かしい感じがしますよね。おじ様おば様世代には聴きやすい感じになっていると思います(笑)。

そんなふうにいろんなタイプの楽曲があって聴き飽きないと思います。

聴いてもらえれば、誰でも一曲くらい好きな曲が見つかるんじゃないですかね。

歌詞が描くテーマも大事ですが、音楽として楽しく聴けるところは十二分にあると思いますね。あと、初回限定盤付属CDに収録された「敗北の少年」「共鳴ダリア」「ガレナ」それぞれの“One-shot recording ver.”も注目で。こういうものを世に出すところにも、シンガーとしての新たなスタンスを感じたところではありますし。

さっきの“レコーディングでは職人になる”の話なんですけど、コンセプトを決めた陶器、その同じシリーズの別のカラーを出すみたいな感覚ですね(笑)。

こちらはサウンドではなく、ほぼ歌で勝負…しかも一発勝負ですね。

そうです! ちなみにピアノはディレクターさんが弾いています(笑)。

でも、その手作り感の良さも絶対にあるでしょうね。

あります! 最初に出来上がった音を聴いた時、テンション上がりましたもん。

別に宣伝文句を言うわけではないですけど、このアルバムを聴くなら初回限定盤がいいですよね。

聴いてほしいです! この3曲はすごく面白いと思うので。

オリジナル音源とはがらりと雰囲気が違いますし、それぞれ“こういう表現があるのか!?”と思わせるものですしね。

心の乗り方も全然違いましたしね。一発録りだから普通に息ができなくてしんどいんですよ。身体がしんどくて、ゼエゼエしてくることで、本当に感情的になっちゃうみたいな(笑)。

脳内で何かが出ましたかね。

出ましたね。しんどすぎて、死の間際に遺言みたいな(笑)…そこまで言っちゃったらあれですけど、そういったものが出てきましたね。

いろんな意味でドキュメンタリーチックな作品に仕上がってるんですね。

あははは。

取材:帆苅智之

アルバム『#わたし以外、全員、幸せそうに見える。』2022年6月22日発売 Victor Records
    • 【初回限定盤】 (2CD)
    • VIZL-2067
    • ¥4,950(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • VICL-65705
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『+α/あるふぁきゅん。 ONE-MAN LIVE -#みんな、ほんとに、しあわせ?-』
9/03(土) 東京・池袋harevutai
<1部> 15:00開場/15:30開演 
<2部> 18:30開場/19:00開演

+α/あるふぁきゅん。 プロフィール

アルファキュン:女声から男児声まで何十種類もの歌声で、激しいロックからソウルフルなナンバーまで、規格外の歌唱力で歌い上げる超実力派女性歌い手。動画共有サイトに投稿された関連動画総再生数は1億5,000万回以上、Twitter のフォロワーは33万人を超える(2022年6月現在)など若者を中心に大きな注目を集めている。2013年6月にアップした「紅蓮の弓矢」(進撃の巨人主題歌)のカヴァー動画が、ニコニコ動画ランキングで総合チャート1位を獲得、再生回数100万回を突破し(現在400万回)、歌い手デビューからわずか1週間で一躍大ブレイクを果たす。また、ニコニコ超会議・超パーティー、EXIT TUNES ACADEMYなどの大型イベントや海外のイベントにも複数年、多数出演を重ねる。+α/あるふぁきゅん。 オフィシャルHP

「恍惚に病む。(feat. たかやん) 」MV

『# わたし以外、全員、
幸せそうに見える。』
【全曲視聴トレーラー】

OKMusic編集部

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