OLDCODEX Painter YORKE.
『WHY I PAINT
~なぜボクがえをかくのか~』
- 第105回 -
真夜中のレコーディングスタジオで
僕がアコースティックギターで弾き語って
そこに居た年の離れた男たちが聞いてた。
その夜はコラムで連載をしないか?
という話を持ちかけてきた男と
当時の僕のマネージャーの男と
3人で酒を飲み、そのまま真夜中のスタジオに行った。
いわゆるレギュラーワーク、毎月何かをやるという課題が
ずっと苦手だった僕は出来ないことを言い訳にしない為に
その話を全力で受けようと思った。
話を持ちかけた男は僕に、
「君のもっと深い部分を投影して欲しい」
そんなことを言って酒を飲んでいた。
この何年、毎月そのことに向き合って
時にはただの独り言のように
音楽に乗せて言葉を繋げてきた。
自分が思ったよりもたくさんの反応をもらって
このコラムが誰かの日常にすっと入り込んで
寄り添ったり、背中を押したり
全く理解されてなかったり、
読んでくれた人から送られてくるメッセージは
僕が持つ”なぜ?”に繋がっていく感覚だった。
何冊かのBOOKにもしてもらって、とても素敵な経験も
一緒にもらった。
WHY I PAINT,
このテーマはこれからも
僕が生きている限り考え続けるだろう。
終わるタイミングで、
ARTとMUSICを融合するような企画展に
誘ってもらった。
どんな絵を描こうか。
このタイミングで何を描きたいのか。
しばらくぼんやりしていたんだけど、
渋谷の街を見下ろすギャラリーで物語が生まれた。
夜の残骸を置いて新しい朝が来た。
悠然と現れたカラスが
長い1日に終わりを告げる。
捕まえてみろよ、出来るもんなら!
賑わい始めた夜の入り口で
路地裏からひっそり現れた野良猫が
ネオンの中で踊り出す。
この身のこなしで今夜も街は私のもの。
準備OK?
ゴールに着いてすぐに始まっちゃうこの感じ、
やっぱり僕はアーティストそのものなのかもしれないね。
是非、また歩き出した一人のPainterの世界を
君も共有してくれないかな。
長年、このコラムを楽しみに待っていてくれた君の中に
YORKE.はすっかり安心する居場所を作ってしまったね。
これから新たな旅に出ようと思うよ。寂しいけど。
それでまた、旅の途中で見えたものをどこかで
ほらっ!って置いていくから。
絵を描いて歌を歌って
旅をするYORKE.やHALにまたどこかで会えたら
捕まえてみてよ!出来るもんなら。
今日は新たな旅立ちに描いた
2枚のPaintingの全貌を初披露しておくよ。
失ったものを取り戻す以上に
もっと大きなものを届けられるようにする。
君には感謝してもしきれない。やー。
泣かないで。
長年、本当にありがとうございました。
YORKE.
May, 2022
『e to oto to…2022 -ART×MUSIC-』
「アートの視座にたち音楽を見つめ直し、音楽の視座にたちアートを聞いてみる」
営業時間 : 2022年5月23日(月)~6月19日(日)
入場 : 無料
会場 : +ART GALLERY
住所 : 渋谷スクランブルスクエア ショップ&レストラン 14F
150-0002 東京都渋谷区渋谷2-24-12
YORKE.作品は1st Week (5月23日~5月29日)に展示&販売。