5月4日@昭和女子大学人見記念講堂 photo by 鈴木健太(KENTA Inc)

5月4日@昭和女子大学人見記念講堂 photo by  鈴木健太(KENTA Inc)

上坂すみれ、
ツアー最終公演は
唯一無二の多幸感あふれる空間に

5月4日(水・祝)ゴールデンウィーク後半、晴天に恵まれるなか、声優・アーティストの上坂すみれのツアーファイナルである『SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説』東京公演が、東京・昭和女子大学人見記念講堂で開催された。

単独ライブとしては昨年10月30日(土)、31日(日)に開催された『上坂すみれのPROPAGANDA CITY 2021』以来、約半年ぶり。ツアーとしては2019年の『上坂すみれのノーフューチャーダイアリー2019』以来、約3年ぶりの開催となる。初日の千葉公演を皮切りに、愛知、大阪と回った本ツアーも、本日の東京公演がファイナルということで、会場にはたくさんの同志(上坂すみれファンの総称)が全国から集結した。

会場が暗くなり、ステージに明かりが灯ると、城壁と、城門のようなセットがお目見え。作り込まれた世界観に否が応でも期待が高まる。オープニングは上坂すみれのライブではお馴染みの『予感』。生バンドの迫力ある演奏が始まると共に、真っ赤なレーザーライトが会場を照らす。センターに敷かれたレッドカーペットに登場したのが本日の主役・上坂すみれ。コウモリの羽根モチーフの飾りを頭とウエストにつけた、小悪魔のようなオフショルダーのブルーの衣装で登場し「よく来たな、私が上坂すみれだよ。私を倒せるもんなら倒してみろー!」と発すると同時にデビュー曲『七つの海よりキミの海』へ。1曲目から会場を煽ると、同志たちも、赤いペンライトや、ツアーグッズであり上坂すみれの愛飲するウォッカをモチーフにしたペンライトを振り上げる。そのままステージ後方にシンボルマークが描かれた旗がゆっくり降りてくると、旗の前で『我旗の元へと集いたまえ』を熱唱。今回のツアーは「原点回帰」がテーマ。アーティスト・上坂すみれを象徴するような、ドラマチックで荘厳で、どこかクラシカル。そんなナンバーがその後も続く。

初期の楽曲で、ライブではお馴染みの『げんし、女子は、たいようだった。』ではそれまでのクールな表情も一変。ニコニコしながら、客席に向かって手を振ったりと、上坂の楽しそうな様子が客席からも見て取れるため、一気にハッピーなムードに。

最初のMCでは「久しぶりに満杯のお客さんを見られてうれしい!」と話すと、そのまま『EASY LOVE』へ。サビの「Easy love(easy love) Easy love(night date)」の掛け合いも、声ではなく、ペンライトで応えるなど、このご時世に合わせた新しいライブの楽しみ方がすっかり浸透しているように見受けられた。

続く『閻魔大王に訊いてごらん』や『パララックス・ビュー』のゴシックなロックナンバーでは、体を折り曲げるようにしながら、激しいシャウトを繰り出す一面もあり、アーティストとしての多彩な姿も表現。

最初の衣装チェンジでは、まるでプリンセンスのような真っ白な衣装にティアラをかぶって登場。ジャンプするたびにスカートやリボン、髪の毛がふわふわと舞い、可憐なムードを盛り上げる。とびきりキュートに『ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡』や、『恋する図形(cubic futurismo) 』を魅せた後のMCでは、所属レコード会社であるキングレコードの先輩であり、声優としても上坂が尊敬する水樹奈々がゲスト出演した幕間映像の話題へ。「水樹奈々さんは本当に優しいので、4公演分、違うシチュエーションで幕間映像に出演してくださいました」と製作時のエピソードを明かし、感謝の気持ちを伝えた。

『ドロップス』『ノーフューチャーバカンス』と、落ち着いた楽曲が続き、まったりムードになったところで、再び衣装チェンジ。今までの雰囲気と一変した元気なポニーテールに、赤と黒のジオメトリックなチェック基調としたミニドレスに着替えたところで、前山田健一が作詞・作曲を手掛けたことでも話題になった最新シングル『生活こんきゅーダメディネロ』へ。転調や裏声、早口など、難易度の高い楽曲であるが、難なくクリア。上坂のアーティストとしてのポテンシャルの高さが垣間見える。

前回のライブからお目見えした『夜勤の戦士のテーマ』での振り付けコーナーでは、すでに振り付けを会得している同志も多く、楽曲披露前に行った事前練習でもバッチリと息のあった様子を見せ、上坂を驚かせていた。本編最後は、『革命的ブロードウェイ主義者同盟』を壇上で拡声器を持ち、勇ましく披露。スクリーンにツアーのエンドロールが流れると、客席からは自然発生的にアンコールを求める拍手が。

ツアーTシャツをアレンジしたアンコール衣装に身を包んだ上坂が再びステージに登場すると、今回のツアーコンセプトにもなったという『真・革命伝説』(1stアルバム『革命的ブロードウェイ主義者同盟』に収録)を、リリース以来、9年ぶりに披露。

また、上坂がねこ娘役で出演する2022年7月29日(金)~8月15日(月) 東京・明治座で行われる舞台「ゲゲゲの鬼太郎」の告知と、今年の秋に発売予定の5thアルバムのお知らせ、さらには本日の公演のディレイ配信を行うことを発表された。

アンコールのMCでは、同志への感謝の気持ちを「ありがとう」と素直に伝えると、思わず感極まったのか、上坂の瞳から一筋の涙があふれる瞬間も見られた。

『ネオ東京唱歌』では上坂と会場全員が旗を振りながら一体となり、ラストナンバーである『ウエサカダイナミック』で、ツアーを締めくくった。最後は客席をバックに記念撮影をし、終始ハッピーな雰囲気のまま公演は終了。今回のツアーを通してシンガーとしての魅力と、誰にも負けないトーク力、天井知らずの成長を見せ、同志と作り上げた多幸感あふれる空間は唯一無二のもの。上坂すみれはこのツアーで、新たな伝説を作ったのだった。

photo by 鈴木健太(KENTA Inc)

【セットリスト】
予感
七つの海よりキミの海
我旗の元へと集いたまえ
げんし、女子は、たいようだった。
EASY LOVE
閻魔大王に訊いてごらん
パララックス・ビュー
ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡
眠れない魔物
恋する図形(cubic futurismo)
ドロップス
ノーフューチャーバカンス
哀愁Fakeハネムーン
生活こんきゅーダメディネロ
ものどもの宴
夜勤の戦士のテーマ
踊れ!きゅーきょく哲学
夢みるメイドガール(BAND inst)
革命的ブロードウェイ主義者同盟
<ENCORE>
真・革命伝説
ネオ東京唱歌
ウエサカダイナミック
5月4日@昭和女子大学人見記念講堂 photo by  鈴木健太(KENTA Inc)
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OKMusic編集部

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