兒玉遥

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【兒玉遥インタビュー】舞台『フラガ
ール』出演「久しぶりの振り入れにH
KT48の頃を思い出しました(笑)」

HKT48の元メンバーで女優の兒玉遥さんが、5月14日開幕の舞台『フラガール-dance for smile-』に出演する。2006年、蒼井優さんらが出演し大ヒットした映画『フラガール』。今回舞台化再演として上演される。本作で、舞台オリジナルキャラクターを演じる兒玉さんに、舞台への意気込み、そして最近話題のYouTubeについても聞いた。

--映画が大きな話題となった『フラガール』ですが、この作品にどんな印象を持っていましたか?
「どこまでもピュアでまっすぐに思いが伝わる作品だなと思いました。観終わったあとに感動をもらえる内容だなと」
--今回の舞台では、兒玉さんはオリジナルキャラクターとなる「和美」を演じます。
「舞台オリジナルの登場人物なので、ほかの人物と違い、自分の想像の中でしか役のイメージを膨らませることができないんですけど、今は稽古をしながらそれを模索しているところです。和美はフラガールの中で唯一の既婚者、新婚さんで、一度炭鉱に就職しているのに、やむを得ずフラガールになるという決断をします。最初はフラへの思いがほかのメンバーとはちょっと違います。また一人だけ恋愛要素が絡んでくる役で、そこを大々的にアピールするわけじゃないんですけど、ちょっとしたオトナな女性感というか、ほかの部員との違いを出せたらなと思っています」
--最初は“やむを得ず”から入るんですね。
「本当はずっと(炭鉱の)山にいたいし、一緒に働くと決めたパートナーがいるのに、やっぱり将来に不安を感じてやむを得ずそういう決断をします。昭和40年代の福島県のいわきでは、生まれたときから“将来は炭鉱で働くものだよ”と教えられていたようですが、自分たちが信じてきた伝統がありつつも、世の中の変化にどう対応していくか、そういう時代背景があります」
--フラダンスの経験は?
「全くしたことがなくて……。振り入れとかも始まっているんですけど(取材は4月上旬)、でもダンスに関してはアイドルの経験が活きているなと(笑)」
--アイドルのダンスに比べたら、動きもゆったりだし、すぐに対応きそうなイメージです。
「いや、難しいです! 身体の使い方が全然違うなと思いました」
--おばあちゃんもやったりするくらいだから、比較的簡単なのかなと思いきや……。
「思いきや、腰の動きが難しいんですよ。使ったことがない筋肉を使う感じで、振り付けを覚えるのは早いんですけど、動きは思った以上に難しいですね」
--今回は現役も含めアイドル経験のある共演者が多いですが、やっぱりほかのメンバーも同様に?
「はい。フラが初めての子もいて、必死で振りと動きを覚えていますね」
--アイドルを卒業してからダンスの練習って久しぶり?
「めっちゃ久しぶりでした! 先生に振り入れをしてもらって、できないところを叱られるのが久しぶりすぎて、めっちゃ嬉しかったです(笑)。HKT48の頃を思い出しました」
--そういえば最近HKT48の公演を観に行ったそうで。
「はい。渋谷での公演を観に行きました。同期である一期生は3人だけになってしまって、“え、今これだけ!”と改めてびっくりしました。でも、今も変わらず頑張っている姿を見ると、私も頑張ろうと刺激を受けられて……。いいライブでした」
--自分がセンターだったり関わった曲のパフォーマンスを観た印象は?
「若い子が自分のポジションに入っていたり、5期生も入ってきて、ちびっ子ちゃんたちが歌うことで、また違った曲に見えたり新鮮なイメージになっていいなと思いましたね。“これはこれでありだ!”“これが今のHKTなんだ!”と思いました。新しい子ですごく可愛い子がいて、推しメンできました!」
--それは誰?
「ナイショです(笑)」
--言われた本人は喜ぶと思いますよ。
「あ、でも本人にはLINEしました!」
--さて舞台は今回で3作目、4本目となりますね。一昨年2本目の『改竄・熱海殺人事件』(モンテカルロ・イリュージョン)がちょうどコロナ禍が……、
「始まった時期だったので、(東京公演の)千秋楽が前倒しになりました。そして昨年の再演はコロナですべて中止になり、今回2年越しの舞台となりました」
--作品のタイプは違いますが、舞台を体験して、それを踏まえて今回活かしたいことってありますか?
「舞台って映像とは違って、生でお客さんに観られるから、後ろの端の席にいるお客さんまで伝わらないと意味がないじゃないですか。舞台って映像作品とは違う、独特の発声や表現があり、それが弱いと伝わらない。役の芝居に確実に当てに行かないと、『あれ⁉︎』って空振りしてるなという感じになるので、しっかり役を理解して表現するということを意識して、今稽古をしています」
--前回は舞台でキャリアを積んでいる人が多かったですからね。
「はい。ご一緒させていただいてすごくパワーアップできたという実感がありました。2回目で『熱海殺人事件』に出られたというのは本当にいい経験になりました」
--勉強になる一方、舞台経験豊富な人たちとの並びだったから、声量も含め表現していくことが最初は大変だったかも。今回は同世代、キャリア的にもわりと近い人が多いのかなと。年下のキャストも目立ってきて。
「そうなんですよ! 自分より若い子たちがどんどん増えてきて、2004年生まれとか、『えっ!』てびっくりするような年齢の子たちが。私も気付いたらもう10年目だったんだって(笑)。あっという間でしたね。しみじみ感じます」
--自分がアドバイスしてあげる立場になったのかも。稽古をやってみて手応えはいかがですか?
「場面転換がバッタバタなんですよ。やってるこちらはすごくバタバタしているけど、観ている人は、飽きないし、楽しいだろうなと思います」
--久しぶりの舞台ということで、稽古に入る前に体力づくりをやったり?
「フラガールの衣装は露出があるので、より引き締めなきゃと思い、筋トレ頑張る予定です。ちなみにまだやってません(笑)。稽古と並行してやっていきます」
--自分とは違う昭和40年代に生きる女性を演じますが、気持ち的に共感できる部分もありますか?
「今私たちはやりたいことを自由に選択できて、私も職業を選びましたけど、フラガールの時代は女性が自由に職業を選べる時代ではなかったし、芸ごとを仕事にするというのは見下されるというか、今の時代ならオーディションを受けたいと思ったら『応援するね』という親も多いと思うんですけど、『そんな世界でできるわけないでしょ』とか、劇中のセリフにも出てくるんですけど、『裸踊りをさせられる』『脱がされる』とか危ないイメージを持たれてしまう。周りの人の反対もあるし、その地域で既定路線の職業選択を破るということになり、そういう決断に悩む姿も観ている人にしっかりと伝わるといいなと思います」
--もし自分が当時の女性で、フラガールになることを親から反対されていたら?
「うーん、どうだろ。でも結構安定思考だからな(笑)。反対されるリスクがあるなら、できるだけ波風立たないように過ごしたいと思っちゃいますよね。でも昔の人たちが勇気を振り絞って、女性も強く生きていこうという決断をしたから今の時代があると思うので、今の私だったらできるのかなと思いつつも、役の中ではしっかり強い女性を出していきたいと思います」
--一方で映像のお仕事も順調ですね。今年4本映画が公開されるとか。今年は女優としてステップアップな1年になりそうですね。
「そうしたいですね。『フラガール』を皮切りに」
--よく“AKB48グループ出身の女優で誰が出世頭か”みたいな話も出ますが、そういうことって意識する?
「あまり周りは意識しすぎずマイペースに。めちゃめちゃマイペースにやってますね(笑)。でもHKT48でいうと宮脇咲良ちゃんが同期で、今韓国でも頑張っているので、頑張る土地やジャンルは違いますけど、そういうメンバーを見ていることで刺激を受けますね。あと村重杏奈ちゃんや田島芽瑠ちゃんやみんなも頑張っています」
--最近ではYouTubeも話題になっています。
「自分の好きなことを探り探りで、とりあえずなんでも発信していこうというスタイルで、そして当たったら絞っていこうという形で楽しくやってます。自分で編集してるから本当に大変なんですけど、やりがいはあります」
--お酒好きですよね(笑)。動画の中でよく飲んでいます。
「はい、好きです! 食べることもガチで好きだから、楽しいテンションが顔に出ているのかなと思いますね」
--テレビなどとはまた違う、素で楽しんでいる表情が出ています。
「YouTubeはよりオフ感、オフな私が見れるかなと思います」
--今後やってみたいことは?
「街ブラ系をやってみたい!」
--最近福岡の街ブラをやってましたね。
「そう、これから東京でもやってみたいなと思っていて。いろんなところに行きたい。ロケ系の動画をやってみたいですね」
--さて改めて、最後に舞台『フラガール』の全体の見どころを。
「はい。やっぱりサブタイトルが“dance for smile”ということで、特に見どころは最後のダンスシーン。みんなが笑顔になるようなパフォーマンスを届けるというのが一番の目標です。あとは、一人一人が自分の思いに向かって必死なので、その一生懸命な感じが伝わればいいなと思います」
--登場人物それぞれの生活にドラマがあります。
「どの子も間違っていないし、やっぱりその人が生きてきた中での苦労とか、時代背景の中でぶつかっちゃうということがたくさん出てくるので、どっちの気持ちもわかるみたいなシーンがすごく多いんですけど、やっぱり最終的には“どうにかこの山を救いたい”“この街を救いたい”という思いで、みんな一生懸命フラダンスを届けるから、そのパワーをしっかり伝えていきたいなと思います。あと、和美のキャラクターで私が面白いなと思うのは、炭鉱で夫婦でいるときは、甘えたり可愛らしいところがあるんですけど、フラのチームで女子だけのシーンになると、結構ケンカっ早くて荒々しいんですよ(笑)。二面性があるところがおもしろいと思っていて、ちょっと口が悪いんですけど、旦那さまと一緒のときは甘える……個人的にはそのギャップを際立たせたほうがより面白いなと思うから、そこをうまく表現していきたいなと思います」
--HKT48のときの自分と、フラチームでの和美のポジションを比べると?
「全然違います(笑)。私は自己主張が少なく、控えめだったので。フラガールの中ではみんなをまとめるお姉さん的存在だし、年齢もちょっと上だから“姉御肌”の兒玉遥は今回初出しです(笑)」
兒玉遥(こだま・はるか)
1996年9月19日生まれ、福岡県出身。2011年、HKT48 1期メンバーとしてデビュー。以降センターポジションを務めるなど中心メンバーとして活躍。2019年にグループから卒業し、本格的に女優活動を開始。ヒロインを演じた映画『徒桜』が現在配信公開中。ほか2022年に4本の映画の公開が予定されている。
舞台『フラガール-dance for smile-』は5月14日(土)〜23日(月)、新国立劇場 中劇場で上演。出演:潮紗理菜(日向坂46)、矢島舞美、太田夢莉、兒玉遥/有森成実 ほか
チケットなどの詳細は公式サイトにて
http://www.rup.co.jp/hula-girl_2022.html

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