間もなく開催のIROCKSにて初の試み!
ファンからの質問を直接ぶつけられる
ZOOM型ファンミ「IROCKS MEETING」の
模様を動画公開!

今年もLACCO TOWERが地元・群馬で「I ROCKS 2022」を開催する。2014年の初開催から、気づけば、もう18年目だ。昨年は、新型コロナ感染拡大の影響で延期になってしまった2020年の想いも引き続き、「I ROCKS 20&21」として、音楽シーンではいち早く、コロナ禍における新しいエンターテイメントの在り方を模索しながらの開催だったことが記憶に新しい。そんな彼らがコロナ禍で開催する二度目のI ROCKSで意識したのは、自分たちの目の届く範囲のものを作る、ことだったという。
以下のインタビューでは、4月15日、16日、17日に開催される「I ROCKS 2022」に先駆けて、SPICEとIROCKSが合同で作り上げたお客さん参加型の生配信番組「IROCKS MEETING」から、公開インタビューの模様をお届けする。18年間積み上げてきたものをベースに、いまの時代だからこその新しい試みにもトライする「I ROCKS 2022」について、メンバー全員に訊いた。
IROCKS MEETING本編のダイジェスト動画はこちらから

以下本編中のインタビュー全文を合わせてご覧ください
――去年の「I ROCK 20&21」は、まだコロナ禍のライブの在り方も手探りななか、メンバー自身も何が正解なのかがわからないまま、当日を迎えていましたよね。
松川ケイスケ(Vo):やるかやらないか、みたいなことをすごくメンバーと話して開催を決めたんですけど、本当にできるかどうかは当日までわからなかったんですよね。で、1日目をやってみて、次の日もできるかな?とか。本当にそれぐらいのレベルだったんですよ。僕らみたいにバンドが主体でやってるフェスって、判断すべきことも全部我々がしなきゃいけないんです。去年は2週間にわけて5日間やったんですけど、前半週やって、そこで得たもので後半週をやって。そこで得たものが今年につながっているんだと思います。
――他のメンバーはどうですか? 去年の振り返りとしては。
細川大介(Gt):僕は物事って縛りがあることで新しいものが生まれると思ってて。あのときって、やっぱりまだ……もちろんいまもできないことがたくさんあるけど、いまよりももっと、ちょっと人と会うのでも絶対にダメみたいなのがあったじゃないですか。
松川:そうやったねぇ。
細川:それでもフェスをやるってなったときに、みんなですごく考えたんです。それって去年じゃなきゃ生まれなかったと思うし、それがあったから、今年はさらにパワーアップしたものを作ろうってなれたので。悪いことだけではなかったんじゃないかなと思いますね。
真一ジェット(Key):暗闇だったじゃないですか。当時は。やらない理由のほうが多かったなかで、やれることを積み重ねていって、そのときに光が見えたんですよね。その光をずっと追い求めて開催したのが去年で。その去年から見えてる光をずっと辿っていったら、今年の2022年につながってるのかなと思いますね。
重田雅俊(Dr):コロナになって、ずっと音を合わせられなかったときがあったんですよ。1年ぐらいかな。ライブをやろうって決めても、最初は配信だけ、とか。
松川:円になってやってたりしたもんね。
重田:そういう時期でもやれることをやっていこうと思ってたから、歩みだけは止めなかった。いま振り返ると、そういう日々だったと思うんです。
――歩みを止めたくないから、I ROCKも開催することを選んだわけですしね。
重田:そう。そうやってどんどん進化して、これからも、もっといいI ROCKっていうフェスになっていくんだと思いますよね。
――啓示さんはバンドのメンバーでもあり、社長でもあるわけだから、いちばんプレッシャーを感じる立場だったと思いますが。
塩﨑啓示(Ba):結果的に「20&21」に辿り着きましたけど、2020の開催を発表して、チケットも発売してから3回日程を変えてますからね。スタッフも、出演者も、その3回とも全部リスケしてくれたんですよ。「それだったら、どうにかするよ」って言ってくれた。そういった経緯も自分らのパワーになったんです。それには純粋に感謝してます。
細川:僕らが悩んでるときに、みんなが「いや、お前ら絶対にやったほうがいいよ。俺ら、応援するから」って言ってくれたことが、僕らの背中をすごく押してくれましたね。
――いまだったら、「やってよかった」と迷わずに言えますか?
松川:そうですね、もちろん。
――そんな「20&21」を経験したうえで開催される「I ROCK 2022」になります。今年は「今の時代にあった音楽フェス」というテーマを掲げていますね。
松川:そうですね。今年の3日間をどういうふうに使うことが、いまの僕らにとって自信をもってこうだよって答えられるものになるだろう?って何回も話したんです。そのなかで「今の時代にあった音楽フェス」っていうのと、大きかったのは、去年やったからこその今年にすることだったんですね。それで、自分たちが目の届く範囲というか、何て言うのかな……自分たちの手から勝手に出ていかないかたちでいられる限界のところを目指したかった。だからこそ初日はワンマンだし、2日目もワンマンを軸にしてるし、3日目のアーティストも普段から比べると少ないんですよ。
塩﨑:最初はそれぞれに意見が微妙に違ったんですよ。でも、みんな一緒だったのが、去年やってよかった、大成功、じゃあ、通常通りに戻りますっていう考えはなかったんです。もっとバンドをいっぱい呼んで、もっとステージを増やして、どんどん大きくしていこうっていうふうには思ってない。どっちかって言うと、ちゃんとやりたいって言うのかな。I ROCKSをちゃんと成功させるっていうところ。そこだけは一緒だったんですよね。
――今年の3日間の新しい取り組みとしては、2日目の「JAM」が目玉になりますね。LACCO TOWERのワンマンのステージにI ROCKSにゆかりに深いゲストを呼び込んでいく。ゲストのバックバンドがLACCO TOWERになる、という言い方もできると思いますけど。
重田:これはケイスケが言い出したんですよ。
松川:はい、言い出しっぺは僕です(笑)。
重田:ふつうに「それいいじゃん!」って思っちゃったんだけど、最初は本当にかたちになるのか?っていうのはありましたよね。
――すでにゲストアーティストはもちろん、どんな曲をセッションするのかも発表されていますね。これって、ネタバレじゃないですか。
松川:ネタバレですね(笑)。
――どうして当日を迎える前にやる楽曲を発表しようと思ったんですか?
松川:単純にそのほうが楽しみかなと思って(笑)。
細川:同じ曲でも、LACCO TOWERがバックをやるだけで全然違う曲になっちゃうんですよ。だから発表したってマイナスにはならない。逆に、この曲をLACCO TOWERがどういうふうに演奏するんだろう?ってことを……。
松川:事前に聴いてくれたりもするしね。
細川:そう、その曲をたくさん聴いて、イメージしてもらえたら、もっと楽しめるんじゃないかなっていうので、先に発表しちゃおうっていう話ですね。
松川:単純に「自分らが行くとしたら」っていう話をよくしたんですよ。自分らが行くんやったら、こっちのほうがおもしろいよねとか。
――なるほど。選曲はどんなふうに決めたんですか? ゲストの何を演奏するのか、ラッコのどの曲を歌ってもらうのか?っていうのがあったと思いますけど。
細川:これは僕が決めました。相手方の曲は向こうの人に選んでもらってるんですけど。僕らの曲は、たとえば、ircleだったら、ircleと一緒にツアーをまわってたときにやってた曲をやりたいっていうところがあって。当時のセットリストを見返して、この曲があのとき、僕らのメイン曲だったからやるべきだよね、とか。
――「杏子」ですね。
塩﨑:俺らが「杏子」を出したとき、ircleが「バタフライ」を出して、一緒にツアーをまわったっていうのをよく覚えてるんですよ。すごく濃いツアーだったので。だからここは言わずもがな、お互いこれだろって。話が早かったんです。
細川:あと、柴田(隆浩)くん(忘れらんねえよ)だったら、やっぱり柴田くんの曲って、いろんな人の応援歌になってるので。それだったら、僕らの応援歌である「雨後晴」がいちばん柴田くんに合うんじゃないか、とか。そういうのを細かく僕のなかで考えて、みんなにこれでいきたいんだけどって伝えてっていう感じですね。
――I ROCKSの常連ラックライフのPONくんとの「名前を呼ぶよ」なんかも楽しみです。
松川:「名前を呼ぶよ」は、ちょうど2年前のI ROCKSが開催できなかったときに、僕と真ちゃんが「おうちI ROCKS」でカバーしたので。ようやくバンドでできるっていう感じだよね。
真一:本当に楽しみ。
塩﨑:名曲ですしね。あと、「JAM」の日に一緒に演奏する曲は、もともと鍵盤が入ってない曲も多いのでね。そこですよね、真一さん?
真一:うん。ircleも、ラックライフも、僕はサポートで鍵盤をやらせてもらってて。それこそBRADIOの(真行寺)貴秋とも、ふたりで弾き語りをやったことがあるし。これまで「ひとりJAM」をやってきたんです。だから、バンドでもジャムれるのが楽しみです。
――BRADIOのファンキーなパーティチューンとか、中田裕二さんのグルーヴィーな楽曲とか、普段のLACCO TOWERにはない要素も多そうですけど。
松川:全然ないことをやってますね。
細川:このあいだ、メンバーだけで中田くんの曲を1回合わせてみたんですけど、1回目はね、もう聴けたもんじゃなかった。
一同:だははははは!
松川:おい、これ大丈夫か?って。
重田:最初は探り探りで、「間違ってるよ」って誰も言わないんですよ。
松川:3回ぐらいで、ようやく言うっていうね。
――なんだかLACCO TOWERっぽいですね(笑)。
細川:これから練習が大事ですね。
――2日目はいままでのI ROCKSが培ってきたものが凝縮されるような日になるんじゃないかなと思っています。
塩﨑:うん、そうそう。
松川:あと、2日目は現場だけで見られる配信番組も用意してるんですよ。夕方からはいまお話したような、僕らのステージを見ていただければと思うんですけど。会場にはキッチンカーもいっぱいきてますので、思い思いに遊んでほしいです。
――そして、3日前は「FIRE」と題して、いつもどおりの対バン形式のフェスになります。まずこれ、タイトルがいいなと。
松川:今回、1日目は青春の「YOUTH」で、2日目が「JAM」で、3日目が「FIRE」なんですけど。「FIRE」っていうのは、英語のスラングで「最高」とか、「超かっこいい」っていう意味があるんです。そういう日にしようっていうことですね。
――I ROCKSと言えば、地元の若手バンドをずっとフックアップしてきましたけど、かつて新人枠で出ていたKAKASHIとかIvy to Fraudulent Gameが、2日目のTHE BACK HORN、G-Freak Factoryと並んでいるも感慨深いものがあります。
塩﨑:KAKASHIもアイビーも皆勤賞なんですよね。本当に2014年から出演してもらってますし。もう群馬を代表するバンドじゃないですか。アイビーはアイビーで、どんどん新しい楽曲を発信しまくってるし、KAKASHIも地元でイベントをやってるし。お互いに群馬を背負って発信してるところは似てるのかな。野心が近いというか。
――群馬の若手バンドって、どこかLACCO TOWERのDNAを受け継いでるようなところがあるなあって思いますよ。
松川:いやいやいや、おこがましい(笑)。
――人間臭いというか。
塩﨑:土地柄かな? 群馬ってそういうやつが多いですね。
松川:あ、でも土地柄はあるよね。ここ(松川と細川)は群馬じゃないんですけど。(塩崎、重田、真一には)やっぱりあるよね、群馬っぽい感じっていうのが。
細川:負けん気が強いっていうかね。群馬魂みたいなのは感じます。たぶん3人は気づいてないと思うけど。それはKAKASHIからも、アイビーからも感じる。本人たちも群馬のバンドなんだっていう意識はあるんじゃないかなと思いますね。LACCO TOWERがその歳のときよりもそういうのが強いかもしれない。
重田:あとは単純にみんなかっこいいですよ。
真一:うん、そうだね。
重田:昔……同世代だったら、たぶんバチバチになってたと思う。
――いまはどんな目線で見てるんですか?
細川:後輩っていう立場から、もはやライバル関係になってるんじゃないかなと思いますよ。
松川:もう同じ土俵なのでね。
――で、順番が前後しちゃいましたけど、1日目の「YOUTH」は、年明け1月から開催してきた「青春旅行」ツアーの裏ファイナル的なものになると。
松川:裏ファイナル的なツアーファイナルです。最初に発表したときは、3月27日のO-Crestはファイナルとは言ってなかったので。全部のファイナルということで。
――今回のツアーはかなりいい手応えを感じながらまわったと聞いています。
細川:いやほんと。今回のツアーはいろいろな発見があったんですよね。よくメンバー同士でもそういう話が出ますもん。今回のツアーいいよねって。
――その「いい」の意味はどういうところですか?
松川:それこそ言葉で「青春」なんて言うことってないじゃないですか。特に大人になってからは、なかなかね。それをもうこの何ヵ月間かで、生まれていちばん言ってると思うんです。我々も今年で20年選手なので、この言葉を言うたびにぐっとくるところがあるんですよ。昔やったライブハウスに立ったときに、「あ、啓示、こういうところが変わったな」とか、「まーちゃんも後ろにおるな」とかっていうのを思い出しながら歌ってた。当時、大介はおらんかったし、真ちゃんもサポートありがとうなって思いながら。
真一:(ボソッと)メンバーな? メンバーだからな?
松川:(笑)。今回はそういう気持ちが強いんじゃないかなと思いますね、全員。
――青春時代を振り返るようなところがあったんですね。
真一:とにかくライブが楽しいですよ、めちゃくちゃ。今回のツアーは。
――その感覚を保ったままの裏ファイナルになると。
松川:そうですね。ずっとライブハウスでやらせていただいた良さもありつつ、今度はホールで最新曲を表現できるので。それはそれですごく楽しみです。
――わかりました。では最後の質問です。ここ数年のI ROCKSは、LACCO TOWERをはじめ、出演アーティストとかお客さんが「ただいま」を合言葉として言い合える空間になっていますよね。あの関係性は最初から目指していたものだったんですか?
松川:いや、全然。いちばんはじめはこけら落としでback numberとやらせれもらって、そのときは本当に、とにかく群馬でフェスをやるっていう目的だけだったんですよ。それが叶って……僕が1個覚えてるのが、スタッフが物販を締めるときですよね。演者も引いて、お客さんも散り散りに帰るぐらいのときに、「いってらっしゃい」って言いながら、物販を締めてたときがあって。たぶんそれぐらいから、みんなが帰ってきたときに「ただいま」「おかえり」を言うようになって、フェスに意味がつきはじめたような気がします。
塩﨑:たぶん覚えてないですけど、自然と松川も言ってたんですよ。
松川:俺が言ってたっけ?
細川:うん。その話が共有されたんですよ。スタッフさんがこういうふうに声をかけてくれてたって。そんな素敵なことはない。僕らがこういうふうに言ってくれってお願いしたわけじゃないのに自発的にやってくれてたから。それがみんなの心のなかにあって、だんだんテーマにしていきたいっていうふうになっていったんです。
――いまは社会の情勢も価値観も大きく揺らいでいる時代だからこそ、LACCO TOWERであったり、I ROCKSが変わらずに、「ただいま」と「おかえり」を言い合える場所であり続けることって、とても大切なことなんじゃないかなと思います。
松川:そう言ってもらえるとうれしいですね。今年もそうありたいと思ってます。
今週末に迫ったIROCKS!
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