TK from 凛として時雨 稲葉浩志(B
’z)とのコラボ作も披露、ワンマン
ライブ『feedback from』の公式レポ
ート到着

TK from 凛として時雨が、ワンマンライブ『feedback from』を4月5日にTOKYO DOME CITY HALLで開催した。本記事では同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

4月5日、TK from 凛として時雨がワンマンライブ『feedback from』をTOKYO DOME CITY HALLで開催した。昨年ソロデビュー10周年を記念したベストアルバム『egomaniac feedback』をリリースした以降も、TVアニメ『東京喰種』のテーマ曲として海外人気も高い「unravel」のSpotifyでの再生回数が2億回を突破し、さらに3月にはB’ zの稲葉浩志をゲストボーカルに迎えたシングル『As long as I love / Scratch(with 稲葉浩志)』を発表と、話題に事欠かない中で行われたこの日のライブは一連のタームを締め括るものであり、「Scratch」の歌詞のように、観るものに深い傷跡を残すようなライブとなった。
開演時刻を過ぎるとSEが流れ出し、天井から吊るされた大小の短冊形の紗幕に映像が投影され、サポートメンバーの吉田一郎不可触世界(ベース)、須原杏(ヴァイオリン、シンセサイザー)、和久井沙良(ピアノ)、BOBO(ドラム)とともにTKがステージに姿を現すと、一曲目に披露されたのはいきなりの「As long as I love」。歌とギターのユニゾンによるイントロから始まり、同期で流される稲葉の歌声と生のTKの歌声がヘヴィなバンド演奏のなかで折り重なっていく様は実にスリリングだ。先日TVの音楽番組でB’ zの「BAD COMMUNICATION」をカバーし、そのハイトーンボイスとテクニカルなギタープレイで「一人B’ z」と話題を呼んだが、そのスキルはあらためて驚異的である。
TK from 凛として時雨『feedback from』
ライブ用にリアレンジされ、しっとりした歌とヴァイオリンで始まる序盤が印象的な「will-ill」、アコースティックギターに持ち替えての「flower」は紗幕が下がったまま、映像演出とともに楽曲を魅せていったが、「flower」の間奏でエレキギターに持ち替えたところで紗幕が上がり、メンバーの姿がはっきり現れると、ここから「Abnormal trick」、「Crazy Tampern」といったBPMの速い曲を連発。こういった曲ではTKの演奏はもちろん、吉田とBOBOの手数多いアグレッシブなプレイも非常に際立つ。もう一度紗幕を下げて演奏された「phase to phrase」は、ギターとピアノが幾何学的なループフレーズで掛け合い、スピーディーに切り替わる映像も加わって、トランシーな高揚感が感じられた。
TK from 凛として時雨『feedback from』
音数を絞ったリズムのアレンジが異彩を放つ「Addictive Dancer」、リリックをフィーチャーした映像が用いられた「Showcase Reflection」、さらにはネットシーン発のシンガー・りぶに楽曲提供した「unforever」のセルフカバーというレアな演奏が続くと、ピアノとヴァイオリンによるクラシカルなイントロが特別なムードを醸し出す「鶴の仕返し」へ。ジワジワと曲が盛り上がり、後半でのTKの絶唱は何とも心に刺さるものがある。そして、ライブ後半では疾走感のある4つ打ちの「Fantastic Magic」、プログレッシブな大曲「film A moment」といったライブでの定番曲を続け、クライマックスを作り出していく。
TK from 凛として時雨『feedback from』
TK from 凛として時雨『feedback from』
「最後にもう一曲」と言って、本編ラストに披露されたのは「tokio」。ギターを置き、椅子に腰を掛けて、美しいアンビエンスとピアノとともに、振り絞るように歌うTKの姿に目と耳と心を奪われる。ベストアルバムではmilet阿部芙蓉美UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介、そして、最新シングルでは稲葉浩志と、これまで数多くのボーカリストとコラボレーションを行い、そこで得た強烈なフィードバックがこの曲でのTKの歌には反映されているかのよう。<変わり果てた時代だなんて 変われもしない僕には まだ言えもしないな>という、今の時代に響く歌詞も含めて、深い感動を呼ぶ名演だった。
TK from 凛として時雨『feedback from』
アンコールでは「自分が作った罠に陥りながら、自分と戦っているところをみなさんに観ていただいている次第ですが、こうやって自分の中に堕ちていく人もいるんだなと思いながら、みなさんも明日から頑張ってください」と、「Scratch」の歌詞を用いながらTKらしい言い回しでメッセージを伝え、稲葉と最初に作った一曲である「Scratch」を披露。壮大なスケールのバラードに大きな拍手が贈られると、ここから「unravel」を畳み掛け、やはりこの曲はサポートメンバーも含めてスイッチが入るのか、全員が体を揺らしながら楽曲のグルーヴを作り上げていく。最後はアッパーな「P.S. RED I」で締め括り、アウトロでTKが投げ捨てたギターのフィードバックノイズが鳴り響く中、濃厚な一夜が幕を閉じた。

文=金子厚武 撮影=岡田貴之

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