FOMARE×Makiが語り合う、出会いとそ
れぞれの印象、そして『若者のすべて
#3』出演の意気込み

コンサートをはじめ、多くのイベントを手掛けるサンライズプロモーション東京とフジテレビの音楽番組『Love music』のタッグによるライブイベントシリーズ『若者のすべて#03 -YOUNG, ALIVE, IN LOVE MUSIC-』が4月30日、日比谷野外大音楽堂で開催される。3回目の開催となる今回出演するのは、Atomic Skipper、KALMAHakubiFOMARE、Maki、リュックと添い寝ごはん(五十音順)という主にライブハウスを活動の拠点としている計6組だ。

コロナ禍がなければ、今頃、数々のフェスティバルの大舞台に立っているに違いないバンドを野音の開放的なステージに立たせたいという思いから、出演バンドを選んでいったところ、その6組が顔を揃えたそうだが、今回の対談はその6組の中から、群馬県高崎市出身のFOMAREと、愛知県名古屋市出身のMakiという、ベース&ボーカルのスリーピースバンド2組の顔合わせが実現。ともに叙情的な楽曲と熱いライブパフォーマンスを武器とし、甘い歌声という魅力を持つFOMAREと、言葉の力でも観客を扇動するMakiに、両者の出会い、お互いの印象、そして『若者のすべて#3』に出演する意気込みなどを話してもらった。

――FOMAREとMakiは、面識はあるんでしょうか?
アマダシンスケ(FOMARE/Vo,Ba):あります。全然あります。
――出会いはいつ頃だったんですか?
アマダ:この間、思い出したんだけど、16年ぐらいに俺ら、club zion(名古屋にあるライブハウス)でやってるよね?
山本響(Maki/Ba, Vo):zionでしたっけ? DAYTRIPじゃなかったですか?
アマダ:そうだそうだ!
山本:めっちゃ前ですね。
アマダ:MakiもFOMAREも、まだデモしか出してなかった頃に一緒にやったんですよ。俺らのツアーにMakiが、地元枠って言うんですかね、とにかく出てくれたんだよね。
山本:そうでしたね。ブッキングで。
アマダ:当時、まだデモしか出してなかった俺らが全国を回って、揉まれまくるっていうツアーで名古屋に行った時のことです。それが初めてのMakiとの対バンだったと思います。
――それ以前からお互いの存在のことは知っていたんですか?
アマダ:知っていたような気はするけど……。
山本:僕らは認識してましたね。
――その時のお互いのライブの印象って記憶にありますか?
アマダ:同じベース&ボーカルのスリーピースのバンドがいるんだって思いました。
――その後も対バンはしているんですか?
アマダ:そうですね。俺らのツアーに出てもらったこともあります。ただ、最近、対バンできてないよね?
山本:全然できてないですね。それこそコロナ禍の前じゃないですか? 最後に対バンしたの。確か名古屋のAPOLLO BASEでしたよね。FOMAREのツアーで。
アマダ:俺らの1stミニアルバム『If I Stay』(17年12月)のツアーファイナルで、Makiと神はサイコロを振らないとスリーマンでやったね。
カマタリョウガ(FOMARE/Gt,Cho):懐かしいな、それ。

■それぞれの第一印象と、その後の変化とは?
――その後、お互いの存在をちゃんと認識してからの第一印象と言うと?
山本:最初は無口なイメージでした。
カマタ:確かに。最初、アマダがめちゃめちゃトガッていて、俺が他のバンドと喋ってると、どっかに行っちゃうっていう。そういうタイプのデモバンドだったので。
アマダ:そうだったね(苦笑)。
カマタ:だから、同世代のバンドからは無口と思われてたかもしれない。ただ、Makiのことは数少ない同世代のバンドだと思ってたから、自然とツアーに誘うっていう流れはありましたね。
――その後、対バンを重ねる中で仲良くなっていったと思うんですけど、お互いの印象って変わりましたか?
カマタ:めちゃめちゃライブをやるなっていう印象はあります。ほんと、ずっとライブやっているじゃないですか。ライブはしばらく観られてないからちょっとわからないですけど、曲のクオリティはめっちゃ上がってきましたよね。だから、『若者のすべて』でライブを観られるのがほんと楽しみで。
――逆に、FOMAREに対する印象は、Makiの3人はどう変わりました?
山本:シンプルに喋りやすくなりました(笑)。
アマダ:えぇ!? そんなに喋りづらかったのかな。
山本:最初めっちゃ怖かった。
アマダ:マジか(苦笑)。
佳大(Maki/Gt,Cho):アマダ君とカマタ君は同じ年なんですよ。同い年って周りに、そんなにいなかったから無条件で好きになっちゃったところはありましたけど、最初はどう話しかけていいかわからなかった。でも、それから会うたび、自然と気持ちがほどけていって、今では普通に話せるようになりました。
山本:今では気さくに話しかけてくれる先輩です(笑)。
アマダ:そうだ。町田君(まっち:Maki/Dr,Cho)には恩があると言うか、俺たちが名古屋でマン喫に泊まるって言ったら、連れて行ってくれたよね。
山本:そうなの?
まっち:酔っ払ってたのか、憶えてないです(笑)。
アマダ:たぶんRAD Hallでやった時だと思うんですけど。
――まっちさんはFOMAREに対して、どんな印象を持っていますか?
まっち:僕がMakiに入って、1回目か2回目ぐらいのライブで対バンしてるんですよ。だから、FOMAREと対バンすると、最初期のことを思い出すと言うか、初心に返ると言うか。背筋がちょっとぴっと伸びる感じがありますね。
――今では、顔を合わせれば普通に話すようになったそうですが、どんな話題で盛り上がるんですか?
山本:まだ絶頂の盛り上がりを体験してないんですよ。
カマタ:ほんとにそれはある。やっぱりね、まだちょっと距離がある。東北3か所一緒に回る?(笑)
山本:それができたらうれしいです。
カマタ:それぐらいやりたい。と言うか、Makiとはそれぐらいやらなきゃダメな気がする。
――お互いのどんなところがかっこいいと思いますか?
アマダ:この間、Makiが高崎に来たときに観に行ったんですよ。気になるから観に行こうと思って、GUNMA SUNBURSTに。響、トガッてるなって思ったよ。
山本:そうですか?
アマダ:うん、思った思った。トガッてるって言うか、攻めの姿勢全開なところがいいなと思った。お客さんに対して、演者が受け身になる瞬間ってあるじゃないですか。それがない。ずっと放ち続けているんですよ。小さいライブハウスだから、よけいにそれを感じました。
山本:ありがとうございます。
オグラユウタ(FOMARE/Dr, Cho):その時、僕も観に行っていて、初めてMakiの3人に挨拶させてもらったんですけど、ライブを観て、MCがすごくおもしろいと思いました。MCでもお客さんをばんばん沸かせるってすごい。その時、対バンしようねって話をしたので、今回、一緒にできてマジ嬉しいです。
――逆にMakiの3人は、FOMAREのどんなところがかっこいいと思いますか?
山本:同世代のスリーピースのベース/ボーカルのロックバンドで言ったら、一番完成度が高い。スリーピースって3人の個性がガツンと出てないと成り立たないと思ってるんですけど、それが一番出せている感じはします。
――お互いの曲については?
アマダ:《どうかまた》って歌う「平凡の愛し方」が印象的だなっていう(笑)。
カマタ:あれは俺への問いかけだと思ってるから(笑)。でも、あれは初期の曲じゃん。さっきも言ったけど、俺、最近の曲めちゃくちゃクオリティ高いと思ってるよ。
山本:ありがとうございます。
カマタ:Makiの3人が白い服を着てるMVあるよね。
山本:「虎」ですね。
カマタ:それだ。あの曲のコーラスワーク、マジでいいって思ったよ。
山本:俺は「HOME」っていう曲がめっちゃ好きです。あれを聴くと、昔のことを思い出すんですよね。あと、高崎に住んでたわけじゃないから、その風景が全部わかるわけじゃないけど、「夕暮れ」を聴くと、僕、鹿児島出身なので、鹿児島の街並みをスキップしている感じになるんですよ。
アマダ:そうなんだ、鹿児島出身だったんだね。
佳大:僕も「夕暮れ」が好きです。あの曲を聴くと、出会った時のことを思い出します。
まっち:FOMAREはきれいな、いい曲を書きますよね。
■『若者のすべて#3』の楽しみと共演バンドへの思いとは?
――ところで、『若者のすべて#3』に出演が決まったとき、どんなふうに思いましたか?
アマダ:Makiも含め、このメンツでライブができるっていうのがうれしかったです。それこそMakiも久々に一緒にできるし、お互い仲良かったけど、対バンしたことがなかったKALMAもいるし。
山本:『若者のすべて』っていうイベントタイトルがめっちゃいいと思いました。日比谷野音っていうライブハウスとはまた違う開放的な場所で大きな音を出せるのもうれしいです。
――そこで共演するAtomic Skipper、KALMA、Hakubi、リュックと添い寝ごはんについても、どんな印象を持っているか聞かせてください。まずリュックと添い寝ごはん。
アマダ:面識はないんですけど、リュックと添い寝ごはんの曲はノリやすいという印象があります。サブスクで何曲か聴いたんですけど、どんなライブをするのか気になりますね。
山本:僕は面識がない上に曲もまだ聴いたことがないんですけど、当日、ライブを観て、どんな感想を持つのか楽しみです。
――KALMAはいかがですか?
アマダ:曲がすごい好きなんですよ。あと、(畑山)悠月君(Vo, Gt)の人懐こいキャラが堪らないと思います。
山本:僕らもKALMAとは面識があって、僕らのツアーに出てもらったこともあります。(KALMAの地元)北海道に行った時に一緒に飯を食いにも行きました。KALMAは悠月がめっちゃ伸びやかに歌うところがいいですね。
――Atomic Skipperは?
アマダ:面識はないんですけど、青春全開のライブをするって噂を聞きました。きっとライブが強いんだろうな。どんなライブをするのか気になりますね。
山本:僕らはAtomic Skipperと対バンしたことがあります。歌詞、演奏の熱量ともに自分らがかっこいいと思ってることをちゃんと自信を持ってやっているところがいいですね。KALMAもAtomic Skipperも年下なんですけど、対バンすると、ケツに蹴りを入れられたような気持ちになります。
――追加発表されたHakubiは?
アマダ:面識と言えるほど面識はないんですけど。
カマタ:何度か顔を合わせたことはあるんですよ。それこそ僕らがお世話になっている京都のライブハウスの方がマネージメントをされているってこともあって、気にはなっているんですけど、がっつり対バンってなくて。ほんと初期に1回だけやったことがあるくらいなんです。たぶん、その頃の印象とは絶対違っていると思うんですよ。この間、ラジオを聴いてたら、たまたまHakubiが出ていて、喋りも上手でいいなって思いました。どんなふうになっているか楽しみです。
山本:僕らはけっこう対バンしたことがあります。メンバー全員、僕と同い年なので、一緒にパチンコを打ちに行ったりもするんですよ(笑)。
カマタ:仲良いな(笑)。
山本:シリアスな雰囲気を持っているバンドって今、そんなに多くないと思うんですけど、そういう意味では唯一無二のバンドなのかなって思います。
――今回の全6組は、今現在のライブハウスシーンの最前線を盛り上げているバンドという印象があります。4月30日は、どんなライブになりそうだという予感がありますか?
山本:蓋を開けてみないとわからないですよね。僕が知っているバンドに限って言えば、ライブが強いバンドばかりで、しかも開放的な会場なので、のびのびと楽しめるイベントになるんじゃないかな。
カマタ:そんなこと言って、Maki、バチバチにやってくるんじゃない? よっしゃ来いって感じで来るでしょ。絶対(笑)。
山本:それをここで言われたら、当日、やりづらいですよ(笑)。
――もちろん、FOMARE、Makiともに他のバンドには負けないという気持ちはあると思うし、なんだったら、他のバンドのファンを奪ってやろうという意気込みもあるんじゃないですか?
山本:負けたくないという気持ちはありますけど、ファンを奪ってやろうとまでは思わないですよ(笑)。僕らとしては、いつもどおりにしっかりやるだけです。
――どんな1日になったら成功だと思いますか?
山本:自分らが演奏して、楽しいと思えたらっていうのがまずあって。プラス、他のバンドのライブを観て、かっこいい、いい曲だ、楽しい、と思えたら誇りに思える1日になると思います。自分らのブッキングだったら、自分らの好きな音楽をやっている人達を呼べますけど、初めての出会いって、ほんとにどんな感じなるかわからないので。当たり前のことですけど、その2つですね。
カマタ:お客さんの層が楽しみですね。FOMAREのライブを観たことがない人もいっぱい来ると思うので、そういう人達に刺さって、楽しんでもらえたら一番かな。
――それは他のバンドのファンを奪ってやろうということとは違うんですか?(笑)
カマタ:言っていることはそうかもしれないけど、言い方ですよね(笑)。

■FOMAREとMakiは“若者”の自覚はあるのか?
――ところで、みなさん、自分は若者だという自覚はありますよね?
カマタ:もちろん、ありますよ(笑)。
山本:答えるの早かったですね(笑)。
カマタ:たぶん、6組の中でFOMAREが最年長ですけど、一番若いと思います。
――逆に、若いと思いながら、昔に比べて、年をとったと感じるのは、どんな時ですか?
オグラ:僕、27歳なんですけど、サウナだとすぐキマッっちゃいますね(笑)。あと、目の下のたるみとかクマとか気になり始めましたね。
――じゃあ、ケアしていかないと。
まっち:僕も体がボロボロです。
――それはライブのやりすぎで?
まっち:それもあるし、移動の運転もあるし。腰がヤバいです。
――まっちさんも今からしっかりケアしていかないと。
まっち:がんばります。
佳大:僕はお酒が残るようになりました。
カマタ:わかるよ。
佳大:わかる? 残るよねー。コロナ禍で飲む機会が減ったからっていうのもあると思うんですけど。
山本:僕はそうだな……何でも“良いなぁ”って思うようになっちゃいました。前は桜の花が咲いても何とも思わなかったのに、最近“風情があるなぁ”って思うようになったのは、ちょっと年をとったのかな。
アマダ:俺はあんまりないです。強いて言うなら、酒の飲み方に昔ほど勢いがなくなったことぐらいですね。
カマタ:僕はほんとに体も軽ければ、酒を飲む量も年々増えてるんですけど。ただ、地元の友達が結婚しだしました。
全員:爆笑
カマタ:女友達に大きなおなかを見せられるとびっくりします。人体の神秘、ヤバいって。
アアダ:そっち?
カマタ:バンドをやっているせいか、若いんだと思います。周りが大人になるスピードを比べても。今回、FOMAREが最年長だと思うんですけど、誰よりもバカで、若い自信があります。
――4月30日はそんな姿を、ぜひ見せてください。最後に、今後の予定を教えてください。
アマダ:4月10日に渋谷のO系列のライブハウスで、FOMARE主催の『SLAM CIRCUIT 2022』というサーキットイベントをやります。2年前からやろうとしていたイベントで、初年度にオファーしたバンドを軸に呼びました。コロナ禍の前にやっていた47都道府県ツアーを含め、俺らが積極的にライブをやりまくっていた時期に出会ったバンドばかりです。あと、ちょっと先なんですけど、10月22日に群馬でフェスをやります。それと、一番重要なことを言うの忘れてました。新曲「かぼちゃ列車」の配信が3月20日に始まりました。ぜひ聴いてください。
――Makiは?
山本:直近だと、僕らの企画で東名阪で『三色』っていうライブをやります。メンツは4月9日の大阪がSPARK!!SOUND!!SHOW!!climbgrow。4月24日の東京がオレンジスパイニクラブTETORA。5月3日の名古屋がWOMCADOLE、Some Lifeです。3か所ともメンツはごちゃまぜな感じになってます。最近、自分ら主催のフェスをやりたいと思っていて、それを見据えて、垣根をなくしていかないとって考えながら、音楽は楽しんだ者勝ちという気持ちを持っている人達とやりたいと思ってたら、このメンツになりました。楽しみにしていてください。
取材・文=山口智男

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