ジェニーハイ、全国ツアーファイナル
・Zepp Haneda公演の公式レポート到
着 映画『ハケンアニメ!』主題歌を
初パフォーマンス

ジェニーハイが全国ツアー『ジェニーちゃん誕生』のファイナル・東京公演を3月21日にZepp Hanedaで開催した。本記事では同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

3月21日、ジェニーハイが全国ツアー『ジェニーちゃん誕生』のファイナルとなる東京公演をZepp Hanedaで開催した。メンバーそれぞれが多方面で活躍し、スケジュールの調整が難しいジェニーハイ。過去に東名阪ツアーを行ったことはあったものの、5都市を回る「全国ツアー」は今回が初めてということもあって、非常に貴重なステージとなった。
今回のツアーではオープニングゲストとして各地でお笑い芸人を迎えていたが、この日のゲストはニューヨーク。場内を大きな笑いに包みこんだ。ライブはお馴染みの自己紹介ソング「ジェニーハイのテーマ」からスタート。川谷絵音、新垣隆、くっきー!、中嶋イッキュウ、小籔千豊の順番でラップをしながらステージに登場し、ドロップの部分で一緒にステップを踏むと、フロアのあちこちではカラフルなペンライトが振られている。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
新垣が「ハネダ~!」と叫んで「ジェニーハイのテーマ」を終えると、メンバーがそれぞれのパートの位置について、「ダイエッター典子」、「卓球モンキー」とアップテンポのナンバーを演奏。川谷がギターをかき鳴らし、くっきー!がポーズを決めながらベースを弾き、小籔がパワフルにビートを叩く様はロックバンドそのものだ。かと思えば、「卓球モンキー」の間奏では新垣のピアノに乗せてイッキュウがバンド内の小ネタを話したりと、この硬軟自在ぶりがやはりジェニーハイらしい。
4つ打ちのダンサブルな「ルービックラブ」に続いて、イッキュウもアコギを持って歌った「夏嵐」や、その次の「強がりと弱虫」は、J-POPバンドとしてのジェニーハイの大衆性を強く感じさせる。「強がりと弱虫」の間奏ではくっきー!、新垣、小籔、川谷の順番でソロを回して、各々のプレイヤーとしての力量と個性を見せたのも印象的だった。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
ここでニューヨークが再登場し、他の会場はお笑い好きの川谷の希望でゲストが選ばれていたが、今回はイッキュウたっての希望でニューヨークが呼ばれたことを明かし、イッキュウは「大好きです」と笑顔を見せる。さらに、お題を3つ募っての即興曲作りでは、嶋佐が「車」、屋敷が「ラーメン」、新垣が「サンフランシスコ」をお題として挙げると、川谷のアルペジオから始まる演奏にイッキュウとくっきー!が即興で歌詞を乗せ、この日限りのオリジナルソングに大きな拍手が贈られた。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演

ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演

「コクーンさん」からスタートした中盤戦では、まずイッキュウがステージを大きく使って、コミカルな自己肯定ソングの「グータラ節」をオーディエンスに語りかけるように届けていく。小籔が細かなハイハットワークを聴かせる「BABY LADY」や、音数を絞った「プリマドンナ」といった曲の演奏からは、バンドとしての表現力の向上が確かに感じられた。
「不便な可愛げ」は、サポートを務めるDADARAYのえつこがイッキュウとともにボーカルを担当。indigo la Endゲスの極み乙女。のライブでもコーラスを務め、主に中・低音域を担当するえつこだけに、原曲のアイナ・ジ・エンドの声質とも相性が良く、代打であることを感じさせない仕上がりは流石。一方、「華奢なリップ」ではゲストボーカルとしてちゃんみなが登場。背中のざっくり空いた衣装を着こなし、曲の途中でくっきー!に寄りかかったり、イッキュウに寄り添ったりしながらのパフォーマンスは貫録たっぷりで、最後のラップパートも含め、存在感を存分に発揮した。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
ちゃんみながステージから去ると、小籔は「3泊くらいした親戚が帰った後くらい静か」と話し、イッキュウが「楽しかったなあって余韻がすご過ぎて、次に進めない状態です」と続く。また、ツアーを振り返って川谷は「このメンバーで5か所も回るって、ホントに奇跡みたいなことなので、大事に大事に回ってきたつもりだけど、でもすごく早かった」と、ツアーが終わりを迎えることの充実感と一抹の寂しさを語った。
「ランデブーに逃避行」からスタートした後半戦は、「シャミナミ」、「片目で異常に恋してる」と人気の曲を連発。ジェニーハイにはバンド演奏の曲と打ち込みのラップ曲と、大きく分けて2パターンの楽曲が存在するわけだが、この日は一曲目の「ジェニーハイのテーマ」以降、本編はひたすらバンド演奏が続く。最後の「シャンディー」に至るまで、やはりツアーの経験がバンドの一体感を大きく引き上げたことが伝わってきた。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演
アンコールでは「ジェニーハイラプソディー」でラップをしながら振り付けを踊ると、フロアは一気に大盛り上がり。最後にイッキュウが「ラプソディーって何なん?」というお決まりの台詞を「ジェニー…」と言ってしまうまさかの間違いもありつつ、「愛しのジェニー」ではメンバーもペンライトを持って踊り、「背筋ピン」のコミカルな動きに笑いが起こる。
ここで5月20日に全国公開される吉岡里帆主演の映画『ハケンアニメ!』の主題歌として書き下ろされた新曲「エクレール」を初披露。演奏前にメンバーが「マジで難しい」と口々に話したように、遊び心のあるアレンジも特徴ながら、これまでの曲以上にポップに開かれたメロディーが耳に残り、サビではミラーボールがキラキラと回って、印象的なシーンを作り上げた。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演

ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演

最後にファーストミニアルバム『ジェニーハイ』のラストナンバー「東京は雨」でライブを終えると、メンバー一人ひとりが感謝を伝え、川谷は「僕ら的にはこれまでで最大の本数を周らせていただいて、もうこれ以上はないだろうなと思ったりもするんですけど、今後10年~15年ジェニーハイが続いて、またこんなツアーができたらいいなと思います」と話す。そして、最後は小籔が流暢に「普通の生活が当たり前じゃないということを考えさせられるこの2~3年、こうして当たり前にライブができる喜びをかみしめております。みなさんがこれから平穏無事に、ニコニコと過ごされることを心から祈っております」と伝え、温かな空気の中でツアーファイナルが締め括られた。
ジェニーハイ『ジェニーちゃん誕生』ファイナル・Zepp Haneda公演

文=金子厚武 撮影=鳥居洋介

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