ジミー・ロジャースなくして
アメリカのポピュラー音楽は
ここまで育たなかったと、
聴けば聴くほど確信!
黒人音楽をバックグラウンドにした
米国初のシンガーソングライター
現在でもカントリーからフォーク、ロックまで、多くのアーティストにカバーされている「Waiting For a Train」、マリア・マルダーが70年代にリバイバルヒットさせた「Any Old Time」、ウディ・ガスリーやボブ・ディラン、ブルーグラスのアーティストにも頻繁にカバーされている「Mule Skinner Blues」、サッチモことルイ・アームストロングと共演した初期ジャズの香りただよう「Standing On The Corner:Blue Yodel No.9」、エミルー・ハリスがカバーした哀愁のメロディーが美しい「Miss the Mississippi and You」など。今ならアメリカンルーツと言われたりするポピュラー音楽の骨になるような音楽、現代でも十分に通用するような音楽が、彼の手によってこの時代にすでに作られていたというその引き出しの多さ、多様な音楽をミックスさせるセンスには感心するばかり。本当に、彼なくしてハンク・ウィリアムスもエルヴィスも、ディランもスプリングスティーンも、ベックも登場しなかったのではないかと、思えてくるのです。
※そのボブ・ディランは1997年に自身が起こしたレーベルEgyptian Recordsから、『The Songs Of Jimmie Rodgers A Tribute』というアルバムをリリースしています。ディラン本人のほか、ジョン・メレンキャンプ、ヴァン・モリソン、アリソン・クラウス、アーロン・ネヴィル、ウィリー・ネルソン、ジェリー・ガルシア、アイリス・ディメント、他からなる、実にロジャース愛あふれるコンピレーションです。