アイランド所属の
異色の面子が顔を揃え、
ケヴィン・エアーズの
絶頂期をとらえたライヴ。
『June 1, 1974 〜
ケヴィン・エアーズ
&ジョン・ケイル、イーノ、ニコ』

ニコ(Nico)

ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコで知られるニコ(本名はクリスタ・ペーフゲン)。ドイツ出身の元女優。フェリーニの『甘い生活』に端役で出ている。その後、アメリカに渡り、アンディ・ウォーホルに見初められ、彼の実験映画に出演するのが縁で、あのヴェルベット・アンダーグラウンドのデビュー作にゲスト参加する。というわけで、彼女の収録曲は「The End」である。同年にニコ自身、代表作となる『The End…』(‘74)を発表しているのだが、もう少し、コンサート、そのライヴ盤であれば何か別の曲でも良かったのではないかと思うのだが、どうにもならなかったのだろうか。この絶望的な暗さ。初めて本作でニコを聴いた人が果たして彼女の他のアルバムを聴いてみようという気になるだろうか。その点、彼女の代表作ということになれば、ソロデビュー作で、もう少しシンガー然としたアルバム『チェルシーガール』(‘67)をいつか紹介したいと思う。ニコは1988年に49歳の若さで亡くなっている。

ジョン・ケイル(John Cale)

元ヴェルベット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルもまた、その年、『Fear 〜恐れ』(‘74)というアルバムを出している。もしかすると、出演者の中でイーノと並んで高い音楽的な才能の持ち主かもしれない。2022年現在も現役のアーティストであり、ディスコグラフィーにも相当な数のアルバムが並んでいる。とはいえ、未だに一般的な知られるような成功と評価には縁がなく“アンダーグラウンド”なまま。だからなおのこと、彼などはせめてもう1曲ぐらい収録してほしかったと思う。アルバムの中ではオリジナルのエルヴィス・プレスリーのものを大幅に逸脱したアレンジで「Heartbreak Hotel」を歌っている。

OKMusic編集部

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