【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#228
演歌歌手・北島三郎

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

僕は、「生きていこう」「生きなきゃ」
って思うより、「生かされてるんだから
」というふうにとりたいですよね

より

約60年、演歌歌手として駆け続けてきた北島三郎の壮大なキャリアに、NHKの小田切千アナウンサーが迫る名インタビュー。師匠の作曲家・船村徹からの教えや、音楽の生み方についてなども明かされた貴重な内容である。今回の名言は、小田切が北島に、“歌手としての生き方”を尋ねたことから導き出された、北島の死生観。「せっかく生かされるんだから、何かお役に立てることをしなければ。というと、歌しかないわけですよね」と続ける北島。「この道に生かされているぶんだけ、その道で全うしていくのが自分にはいい」「歌っていくのが俺の使命」と語り、デビューから60年を迎え、「感謝の舞台を…北海道から九州までやりたいです」と意気込む。日本の演歌を背負った大スターの、覚悟に満ちた生き様を知ることができるインタビューである。
北島三郎(きたじまさぶろう)
1936年10月4日生まれ、北海道上磯郡知内町出身。演歌歌手、作詞家、作曲家、俳優。18歳で単身上京し、東京声専音楽学校に入学。鉄工所の行員や流しの仕事で生計を立てる。1960年、作曲家の船村徹と出会い、船村門下となる。1961年、ギター漫才コンビ・ゲルピンちん太ぽん太のぽん太としてステージに立つ。1962年、村田英雄の「王将」のヒット記念パーティーが歌手としての初舞台となる。同年6月5日、「ブンガチャ節」でデビュー。しかし、発売から一週間で発禁となったことにより急遽、同年8月20日に発売した「なみだ船」が大ヒットとなる。1963年、「NHK紅白歌合戦」に初出場し、同年発売された「ギター仁義」を歌唱。1965年、「兄弟仁義」、「帰ろかな」、「函館の女」を発表し連続ヒット。演歌歌手としての人気を確立。1966年、映画『兄弟仁義』に俳優として出演。以後、映画俳優としても活躍する。1972年、北島音楽事務所を設立。1978年、「与作」を発売。1980年頃から、原譲二という変名で作詞家、作曲家、演出家としても活動を始める。1984年には原譲二の作曲で「まつり」(作詞/なかにし礼)を発表。2006年、「あの日時代」がオリコンの演歌・歌謡チャートにて、最高位1位を記録し、同チャート1位の史上最高齢記録を更新。2010年、『北島三郎 特別公演』の名古屋・御園座公演千秋楽にて「座長公演4000回」の大記録を樹立。同年、シングル『夫婦一生』が日本レコード協会のゴールドディスク認定を受ける、日本のゴールドディスクの史上最年長記録を更新。2011年、『第32回松尾芸能賞』において大賞を受賞。2013年の「NHK紅白歌合戦」において史上初の50回出場を達成。史上最多となる13回目のトリで「まつり」を披露した。それを最後に紅白から勇退を宣言。2014年、日本橋・明治座『北島三郎最終公演』で、通算公演回数4500回を達成(明治座において歌手による座長公演としては国内最多)。2016年、旭日小綬章を受賞。2019年8月28日、「前に・・・」をリリース。2019年11月に自宅で転倒し骨折などの重症で活動を休止していたが、2021年6月25日に大阪・新歌舞伎座で開幕した「北島三郎ファミリーコンサート2021」で生ステージに復帰した。いまもなお、精力的に活動を続けている。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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