田村 心、小林亮太、北村 諒ら出演の
「ヒロステ」が開幕! ヒーロー殺し
ステインが「本物の英雄」を問う超重
要ストーリー

「僕のヒーローアカデミア」 The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー) PLUS ULTRA ver.が2021年12月3日(金)に開幕した。

2020年3月に上演した前公演(舞台「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー))は感染症流行による自粛要請から6公演という少ない上演となった。今回は新たなキャストを迎え、さらにパワーアップした公演になるという。マスコミや関係者が招かれたゲネプロ公演では、ずっと溜め込んできた熱を一気に解放したかのような、非常に熱いエネルギーを感じた公演であった。
本来のヒーローとはどうあるべきか
ストーリー前半はヒーロー殺しステインを中心とした、作中でも重要となるストーリー。ステインが問うのは「本物のヒーローか」ということ。正しき社会のためにと己の信念のもとにヒーローや犯罪者に手をかけていくステイン。出久・轟・飯田はついにステインを倒すも、彼の思想は敵<ヴィラン>連合にも大きな影響を与え……。
ステインを演じるのは川隅美慎。他を圧倒する高い身体能力と、ボタンを掛け違えてしまっただけの真っ直ぐな信念の強さを思わせるような声音はまさにステインそのものだ。
後半は教師VS生徒の期末試験! 2人一組を指示され、出久と爆豪とのコンビはオールマイトと対戦することに。成長を続ける出久への敵対心をより高めた爆豪とはなかなか嚙み合わず、本物のヒーローであるオールマイトには到底かなわない。「デクの力を借りるくらいなら負ける方がマシだ」そう言い放つ爆豪に出久は……。
2つの物語がスピーディーに展開される。そして「ヒロアカ」特有の多様な“個性”の表現は、道具を使うものから照明、映像を使うものまで多彩な見せ方がとても面白い。気が付くとそこに“個性”が発動していて、キャストが本当に“個性”を持っている世界を見ているかのようだ。
息つく間もない本編の間にある、幕間の面白パートも見どころ。プレゼント・マイクらが全力で笑わせてくる。
原作の魅力を凝縮させつつも、歌とダンスで、その景色や場面、心情を表現している。芝居と歌唱の切れ目の摩擦が限りなく少なく、歌唱が場面を盛り上げるためのサウンドのようにも聞こえてくるから不思議だ。
また、ヒロステは登場キャラクターが非常に多く、アンサンブルを含めると30名を超す役者が舞台に上がる。声を張り上げ、動きを大きく見せるために全身を使い、キャラクターを全身全霊で表現している。照明に照らされたその姿がイラストを見ているときのシルエットのようで、さらに作品への没入感を高めてくれる。
生徒たちの一体感、楽しそうな学園生活、教師陣の圧倒的に高い壁、強い思想を抱く敵<ヴィラン>の存在、スピーディーで白熱する味方とのアクション、ギリギリの命のやり取りをする敵とのバトル、変化していく心情とキャラクターごとの成長、歌とダンス、盛り上がりとサービスシーン……たくさんの登場人物がいて、見どころというと書ききれないくらいにある。しかし観終わった後はまさしく少年漫画を読んだ後のような、スカッとする心地よい爽快感があった。さらに本編終了後には、ファンには嬉しいサービスナンバーが2曲も!
新しく敵<ヴィラン>連合に加わった荼毘(大隅勇太)、トガヒミコ(伊波杏樹)、トゥワイス(川﨑優作)の戦いも含めて、今後の展開にも大きな期待を寄せたい。
演出:元吉庸泰 コメント
今度こそ、たくさんの人に観て貰いたい、その一心での稽古の日々でした。それはまさにヒロステカンパニーの覚悟。
厳しくも、豊かな創造力にあふれた時間でした。更に良いものを、更に向こうへ、と澄んだ光を放ちながらカンパニー
は美しく表現を重ねて来ました。正にワン・フォー・オール。新しい仲間たちの力も、今までの仲間たちの力も全部乗
せて、遥かにパワーアップした“本物のヒーロー”たちが劇場に舞い降りる次第です。“PLUS ULTRA ver.”に相応
しいボリュームと熱量にて、ヒロステが! 来た! どうぞよろしくお願いします!
緑谷出久 役:田村 心 コメント
いよいよ公演初日を迎えます。前回の公演中止から1年8カ月……色んなことがありました。そんな日々で自分自
身「ヒロアカ」という作品や、「ヒロステ」の「ヒーローは必ず来る」「全て乗り越えろ」そんなキャッチコピーに励まされ、勇気をもらう1年8カ月でした。そして何より「ヒロステ」を楽しみに待ってくれているお客さんがいるという事も僕たちにとっての大きな希望でした。そんな皆さんに今度は僕らが希望をお返しします。この1年8カ月を全て力に変えて本番を駆け抜けます! 楽しんでください!!
爆豪勝己 役:小林亮太 コメント
大切な作品、大切なカンパニーと共に、今日の初日を迎えられた事、本当に嬉しく思います。
止まってしまったあの日から、先の見えない日々でした。それでも「ヒロアカ」が自分を突き動かしてくれたし、前を向かせてくれた。今度は僕らが届ける番です。
「ヒロステ」を観たことがある方も、初めての方も、楽しんでいただける作品になっていると思います。劇場ならではの仕掛けもあります。配信もあります。"ヒーローが来た" そう一人でも多くの方に感じてもらえるように。長く続いたこの戦い、勝ちにいきます。
オールマイト(マッスルフォーム)役:岩永洋昭 コメント
コロナ禍の影響をこれでもかとモロに受けた今作。
ついに……、否、やっと……、正直な所、様々な気持ちが入り混じっております。
しかし、僕らはヒーロー! どんな困難な壁も、苦しみも、悲しみも、全て乗り越えて行く!!
スタッフ、キャスト一同、命をかけて創り上げたモノを、皆さまの元へと届けられる幸せを噛み締めながら、PLUS ULTRAの精神で参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

取材・文・写真=松本裕美

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