パンダドラゴン、“デート”をテーマ
に様々な演出で魅せた初のホールワン
マンをレポート

パンダドラゴン ホールワンマンライブ サン&ムーン「サン」

2021.10.21 大田区民ホール・アプリコ大ホール
大好きな人に笑顔になってもらうために、あれこれ計画を立てて、準備をして。
6人組アイドルグループ・パンダドラゴンが、10月21日に開催した初のホールワンマンライブ『パンダドラゴン ホールワンマンライブ サン&ムーン「サン」』。数日前にツイッターのオフィシャルアカウントに投稿された動画『パンダドラゴン ホールワンマンライブ「サン」Episode.0 〜どうかこの思い叶いますように〜』で示されていたように、この日のテーマは“デート”だ。歌も、ダンスも、衣装も、セットリストも、演出も、すべては大好きな人=ファンのために。こんなに完璧なデートってある!? “待ち合わせ場所”の大田区民ホール・アプリコ大ホールには、多幸感が満ちていた。
パンダドラゴン
まず目を引いたのは、ライブタイトルの“サン”に相応しく、大きな太陽と向日葵の花をモチーフにした、ホールならではの豪華なステージセットだ。暗転後、「Sun&Moon Theme」で新たな胎動を感じさせると、“デート”に誘うメンバーのモーニングコールが響き、なぎ、ようた&ぱっち、あづ&なるき、たいがと、順繰りスポットライトを浴びていく。そんなスペシャルな幕開けから、1曲目は「制服と向日葵」だ。王子様!な白系のジャケットをまとい、ステージ上段と下段、それをつなぐ階段も使って恋する気持ちを爆発させる6人の姿に、ドキドキが止まらない。そして、声は出せなくても客席でペンライトを振るオーディエンスと、配信視聴するたくさんの人たち。メンバーとファンの気持ちはしっかり通じ合っている。
パンダドラゴン
パンダドラゴン
「今日は僕たちととびっきり甘いデートをしようね」
「会いたかったよ!」
「大好き!」
よりいっそう高まる言葉に続いたのは、「ダイスキ☆シンドローム」。フロアに向かって手を振ったり、メンバー同士ですれ違いざまにハイタッチをしたり、弾けるようにジャンプしたり。横向きになったときにはパンツのサイドに編み込まれたリボンがきれいにそろって見えて、<僕と付き合ってください>という直球告白も心を射貫く。
挨拶&どうしても仲の良さがにじみ出てしまう和やかトークを経て、「ハニーピエロ」へ。いよいよデートだ!というウキウキ感が、歌にもダンスにもあふれている。
パンダドラゴン

パンダドラゴン

流暢なラップが冴え渡る自己紹介曲「パンドラの箱」では、私服&私物が賑やかに彩る衣装ラックを自分たちで忙しく移動させながら、デートになにを着ていこうかといろいろな服や帽子を手に取りながら、華麗にパフォーマンス。間奏でいったんはけたかと思うと、「いざ決戦の場所へ!」という声とともに、それぞれにセレクトしたデートコーデで再登場した6人。なんて心躍るショーなのだろうか。
パンダドラゴン
パンダドラゴン
最強のデートコーデに加え、オシャレなカフェを思わせるテーブル&チェア、手に持つ一輪の赤いバラで、念願叶ったデートタイムを鮮やかに表現したのは、「Ring!Ding!Dong!」。ハンガーラック然り、小道具を取り入れたパフォーマンスは初めてとのことだが、まるでミュージカルのような楽しさ。どうしたって、<あんなことも こんなことも 妄想して 大胆に夢見ちゃう>ではないか。のちのMCでは、練習時の微笑ましい裏話も明かした6人、彼らの挑戦心と本番までにばっちり仕上げてくる心意気に、感動すら憶えてしまう。
パンダドラゴン
一途な想いを重ねた歌声をていねいにつないだ「ただ君が好き」の最後、なるきが指をパチンとしてメンバーがはけると……ステージ後方には星空を思わせるライトが瞬き、ステージセットの太陽は月へ。なるきの魔法でオトナプリンスなダークカラーのジャケット姿(白系のジャケットとリバーシブル仕様になっていたのだとか)で現れた6人が歌うのは、スパニッシュな「恋してBAILA!」だ。歌声も表情も仕草も、艶っぽいことといったら! かわいいもかっこいいも自在なのがパンダドラゴンだ。
パンダドラゴン
軽やかなステップでエスコートしてくれた「Sweet starlight」でデートを終え、素敵な1日を過ごせたなと余韻に浸っていたら……「昨日のデートの続きだね。さあ、一緒に」と、「サファリズム DE ね〜しょん!!」で動物園デートへ連れ出してくれた6人。イントロのアフリカンリズムに合わせたひとりひとりの見せ場、全員そろってのダイナミックなダンス、歌詞に合わせて解き放つ遊び心が、大きなステージによく映える。
ロックな高揚感もよく似合って、なるき&なぎのエアギターもきまった「エビバデDASH!!」。あづ&なるき&たいが、ようた&ぱっち&なぎと二手に分かれたりもした、ジャジーな「ON THE HAPPY ROAD」。見どころがありすぎて目が2つじゃ足りない!と思わされた「VIVA!チャイナ」。アイリッシュテイストも見事にものにしながら、ようた、あづ、たいががラップでスパイスを効かせる「NEO TRAVELER」。「サファリズム DE ね〜しょん!!」から5曲、この日のために用意された曲と曲のつなぎを活かして、ノンストップ&全力でたたみかけた6人には驚かされた。
パンダドラゴン
ファンへの愛をあらためて誓い、全員でタイトルコールをして「明日ハ晴レ」へ。笑顔を交わしたり、ハイタッチしたり、向き合ってジャンプしたり、みんなで肩を組んだり。個々の輝きもグループとしての一体感も備えた彼らなら、<何度でも 沈まない 太陽描ける>はずだ。
「トップランナー」で、ステージに戻ってきた6人。コロナ禍の苦しみを経て、たくさんのペンライトの輝きを再びその目で見た喜び。初めてホールに立てた感動。支えてくれるスタッフや、応援してくれるファンへの感謝。チケット完売できなかった悔しさをバネに、いつか満席にするぞという決意。それぞれの言葉から伝わってきた想いは、すべて彼らの糧となる。
パンダドラゴン
パンダドラゴン
ラストナンバーは、「桜ambitious」。涙をこらえながら挨拶をしたなるきの手を握ったり、頭をポンポンしたり、みんなで笑顔を交わしたり。パンダドラゴンらしい“青春感”は、太陽のように眩しかった。
ちなみに、パンダドラゴンの先輩グループである*ChocoLate Bomb!!による翌日の“ムーン”公演とあわせて、“サン&ムーン”は完成。お互いに刺激し合って、高め合える関係でもあるのだろう。
パンダドラゴン
2022年1月からは、パンダドラゴンにとって初のZeppツアー、全国5都市をまわる『パンダドラゴン Zeppツアー2022「Hop Step Zeeeeeepp!!」』がスタート。リーダーのようたが約束してくれたように、歌もダンスもアイドル力もますます磨かれた彼らにきっと出会うことになるぞという期待感を抱いている。

文=杉江優花

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