Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
ライヴハウスから
離れてしまった人を
もう一回集めるために

映像は無料で公開して、
ライヴに興味を持ってほしい

千々和
小嶋さんはこの数カ月間でThe;Cutleryの活動を近くで見てきてどう思いますか?
小嶋
すごく努力していると思います。イベント開催はお金がかかることだし、そんなに儲かっているわけではないと思うので、その中でもどんどんやり進めようという想いに共感しています。僕も映画を作ったりしますが、基本的には自腹で制作するので、費用を回収できないからこそ、チャレンジする気持ちはよく分かるんです。それを継続的にやっていく意気込みをすごく感じるから一緒にやっているんですよ。
岩田
福島さんを中心にみんなで協力しながら開催することで、配信チケットも安くできるんでしょうね。個人的に2,000円でも高いかどうかの判断基準になってしまう気がするので。
福島
本当は無料でやりたいんですけどね。だから、いずれ編集した映像をYouTubeで無料公開したいとは思っています。だって、ELLEGARDENが無料でやっているんだから(笑)。
千々和
10月に行なっていた第二弾公演のMCで、福島さんが“映画館がライバル”とおっしゃっていたのが印象的でした。今までライヴに行っていた人たちが他の娯楽に流れるのは寂しくも自然な現象なので。
福島
コロナ禍に入ってからNetflixやAmazon Prime Videoに加入する人が急激に増えたじゃないですか。1,000円以内で見放題だから僕も使っているし、そもそもYouTubeは基本的に無料だし。映像って今の若い子たちからしたら無料が当たり前で、ライヴを観るのにお金を払うという感覚があまりないんじゃないかと思っているんです。僕がバンドを始めた頃には“このバンドはこのライヴハウス出身だよ”って話をよく聞いたんですけど、今はYouTubeやSNSで話題になって有名になったアーティストが多い。それを考えると、映像制作にお金はかけても、それに対して対価を求めるのは違うんじゃないかなと。MVも何十万円もかけて制作するのに無料で出すし。だから、“なんでライヴの配信はお金を取るの?”って思っちゃうんです。できればこだわって作った映像こそ無料で公開して、それを観てライヴに興味を持って会場に来てほしいんですよ。コロナ禍でライヴハウスから離れてしまった人をもう一回集めるためには、無料配信も含めて、そういうところで努力ができたらいいのかなと考えています。
千々和
福島さんはここまで4カ月主催バンドとして開催してきて、自主企画だからこそのプレッシャーもあったのでは?
福島
コロナに感染したらイベント自体が飛んでしまうし、開催当日を迎えても油断ができないので、感染対策は日ごろから一番神経を使っています。今はメンバー全員のワクチン接種も終わりましたけど、こういう機会じゃないと普段は共演できないようなバンドにも出演してもらっているので、キャンセル料よりもこの場がなくなることのほうが気がかりでした。このイベントを経て、僕らの活動自体にも注目を持ってもらえるように頑張っているところなので。
石田
今までできなかったバンドとの対バンが実現できたということも刺激になりますよね。
福島
そうですね。空想委員会さんやaquarifaさんは10年前にお客さんとしてライヴを観に行っていたバンドなので。10年かかってしまいましたけど、嬉しさもあり変な気持ちになっています。
千々和
最後の第四弾公演は12月16日に、今度は下北沢シャングリラで開催されますね。
小嶋
現状はまだ決まりきっていないので何とも言えないですが、箱が変わるので撮り方も変わりますし、新代田FEVERで観てくれていた方にとっても新鮮な配信ライヴになると思います。The;Cutleryの演奏もクオリティーが上がっていますし、楽しみですね。
福島
僕たちはいつも楽しくやっているので、観に来てくれる方には“頑張って聴いてください”といつも言うんですけど(笑)、変わらずに頑張って聴いてもらえると嬉しいです。これまでと違った演出もできるはずなので、ぜひ観てほしいです。

『The;Cutlery 連続企画 最終弾
「生きづらい;あなたへ」』

12/16(木) 東京・下北沢シャングリラ
出演:The;Cutlery、MOSHIMO 他
★The;Cutlery 連続企画 第参弾『生きづらい;あなたへ』のアーカイブ配信チケットは11/22(月)20:50まで販売中!
※チケット購入者は11/22(月)23:59までアーカイヴでご覧いただけます。
11/19(金)@新代田FEVER
出演:The;Cutlery、雨のマンデーズ、空想委員会
配信チケット:¥1,000

OKMusic編集部

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