L→R KOHTA(Ba)、ギル(Gu)、キリト(Vo)、Karyu(Gu)、TAKEO(Dr)

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【Angelo インタビュー】
最後のアルバムを
最高のものにしようという
意識で向き合った

ひとつの終わりは
新しい始まりでもある

『CIRCLE』に向けて曲を作っていく中で、キーになった曲はありましたか?

「SIGHT」です。この曲は先行でMVを出したりしていますけど、メンバーの中で早い段階にAngeloを止めると明確に思っていたのは僕で、その感覚で最初に作ったのが「SIGHT」だった。だから、この曲には自分のいろんな想いが詰まっていて、そこが『CIRCLE』の起点になったことは間違いないです。

「SIGHT」は希望を感じさせる雰囲気でいながら切なさもある楽曲で、先ほど話されたさまざまな感情がない交ぜになっている状態を見事に表現されています。

このアルバムで終わりになるという強い覚悟を持って曲作りに入って、この曲を聴いた人がどんなことを感じるか、アルバムを出して、そのあとに最後のライヴをするという節目に至るまで、どんなストーリーにするかといった、いろんなことを考えたんです。そうなった時に、後ろ向きで、聴いた人が悲しくなってしまうような曲にすると、Angeloのラストスパートがそういうものなってしまう。そうじゃなくて、いろんな感情があるにせよ、やっぱりポジティブな輝きというか、次に進んでいける力をこちら側からできるだけ出していきたいと思ったんです。Angeloとしては一度終わりになるけれども、別に死ぬわけじゃないし、応援してくれている人たちにとっても世界が終わるわけじゃないから。“生と死”で言えば、“死”というのは新しい“生”につながるという考えで、ひとつの終わりは新しい始まりでもあるということを表現したかったんです。むしろ、そこを強調したかった。“終わり=始まり”であると。そういう信念のもとに「SIGHT」はかたちにしました。

『CIRCLE』では“破壊と創造”や“永遠”“ループ”といったことが全体を通して語られていますが、「SIGHT」ができた時点で、そういう作品にしようということも決められたのでしょうか?

そうです。昨年の8月にLINE CUBE SHIBUYAでやったライヴで、活動休止を発表したんです。その時、お客さんは青天の霹靂みたいになったし、僕自身もそれをMCで言う寸前まですごくドキドキしたんです。ネット中継もあって、これからすごいことを発表しないといけないという気持ちになって。「SIGHT」にはその時の気持ちがすごく反映されています。悲しいことを言わないといけないけど、あまり悲しいと思ってほしくないし、だけど嘘っぱちのポジティブさを押しつけるのも嫌だし…と。だから、相手の気持ちにも寄り添いながら、“悲しいだけじゃないんだよ”ということを伝えたかった。時間が経って振り返った際に、“あの時は悲しかったけど、あれで良かったんだよね”と思えるような未来を作らないといけない使命感もあったし。それが「SIGHT」に反映されたことを感じて、それを『CIRCLE』というアルバムで覆うことをテーマにしようと決めたんです。

「SIGHT」という曲が最初にできたのは、本当に大きかったと言えますね。「SIGHT」の歌詞は《風に舞い散りゆく花びら また一つ新しい誓いを刻む》や《螺旋の果てへ》といった文学的な表現が使われていることも注目です。

本当に自分の素直な心情を書いたら、こういう歌詞になりました。自分はそういうふうに生きてきたというのもあると思うんですよ。生きていると悲しい出来事は必ずあるし、悲しいことを乗り越える時は、きっと次にいいことがあると信じて気持ちを切り替えてきた。《風に舞い散りゆく花びら》というのはひとつの終わりを示しているけど、それを見ながら《新しい誓いを刻む》というのは先を見据えているんですよね。これからの自分の生き方に対して強い意志を持とうと。つまり、ものごとが崩れていくさまと、その後に起きる出来事に想いを馳せるということが同時進行している。当時の僕は、まさにそういう状態だったんです。

上目線や説教くさい言い方ではなくて、柔らかくリスナーの背中を押すメッセージになっているのがすごくいいと思います。『CIRCLE』には「SIGHT」の他にも注目すべき曲が並んでいて、例えば「VOICE」。まずはブレークビートに通じる疾走感を生ドラムで演奏していて“おっ!”と思いました。

リズムに関しては僕が打ち込みでデモを作って、それをTAKEOが生で叩くという…ほんとそれだけです。だから、すごいのは僕じゃなくてTAKEOですね。

もちろんそうですが、「VOICE」の疾走感は今の時代ならではのもので、それを活かすキリトさんもさすがです。力強さと洗練感を併せ持った世界観やサビで転調するアレンジも絶妙ですし。

転調に関しては、昔から僕の中にセオリーはなくて…自然体で曲を作ると結果的に変なところで転調していたりすることが多いんです(笑)。「VOICE」もそうで、転調しようと思ったわけではなくて、気がついたら転調していました。僕の場合はセオリーとか技術的なことは意識せずに、感情がそこに向かうから結果的に転調していたとか、そこに合うリズムを乗せるためには転調したほうが映えるから転調するというようなことが多いんです。そのほうが僕にとっては自然だし、聴いている人もハッとするものになるような気がしますね。

OKMusic編集部

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