The;Cutlery 連続企画『生きづらい;あなたへ』

The;Cutlery 連続企画『生きづらい;あなたへ』

The;Cutleryの連続企画に
MOSHIMOが出演!
aquarifa、そこに鳴る出演の
第二弾公演のレポートが到着

2021年4月に1stアルバム『water;echo』をリリースしたThe;Cutlery(読み:ザ・カトラリー)が、同作とバンドの名前を広めるべく、連続自主企画『生きづらい;あなたへ』を開催している。

本企画はAliA、Marmalade butcherを招いて9月に行なわれた第一弾を皮切りに、12月まで全4公演予定を予定。11月19日(金)に新代田FEVERで行なわれる第三弾公演には、雨のマンデーズ、空想委員会が出演予定だ。有観客ライブに加えて生配信も行なっており、複数台のカメラで撮影された躍動感のある映像が、チケット代1,000円で楽しむことができる。

そんな『生きづらい;あなたへ』のファイナルとなる12月16日(木)下北沢シャングリラ公演にMOSHIMOの出演が決定! 今後も追加のアナウンスがあるようなので、引き続きThe;Cutleryのオフィシャルサイト・SNSをチェックしよう。

また、第三弾の開催を前にして、そこに鳴る、aquarifaが出演した10月21日(木)新代田FEVER公演のレポートが到着。活動休止をしていたaquarifaは、The;Cutleryからのラブコールを受けて約1年9カ月ぶりにステージに立ち、特別感あふれる一夜となった。

連続企画『生きづらい;あなたへ』
第二弾ライブレポート

トップバッターを務めたのは、鈴木重厚(Gu&Vo)と藤原美咲(Ba&Vo)から成る2ピースロックバンドのそこに鳴る。イギリス、ヨーロッパでリリースをするなど国内外でも話題となり、サーキットイベント等でもそのテクニカルな演奏で一目置かれる存在だ。開演のブザーが鳴り、古びた映写機が回転する音に場内からは自然と拍手が沸いた。幻想的な空間にギターのアルペジオが優しく響いたかと思えば、ギターのリフから王道なロックサウンドのイントロが軽快な「brilliant city」でライブの封を切る。ライブハウスでの前評判に違わない自由に横断したグルーヴを産み出すベース、ギターのサウンドが洗礼されており、一体感のあるヘヴィな音に圧倒された。7週連続CDリリース企画のラストとして9月15日にリリースされた「brilliant city」から「fake fake fate」「sayonara blue」といった新旧織り交ぜたセットリストで葛藤を音へと昇華させていく。鈴木と藤原のファルセットのハーモニーに対比するような、音圧のある演奏も心地良い。勢いが増すステージからはバンドのモードの良さがうかがえる。12月の恵比寿リキッドルームでのワンマン公演でどんな炸裂のステージを見せてくれるのか、期待に胸が熱くなるステージだった。

続いて登場したのは、約1年9カ月ぶりにステージに立ったaquarifaだ。かつてThe;Cutleryの福島ゆうた (Gu)もライブハウスの客席から観ていたということもあり、本公演への出演も感慨深い時の流れを感じる。紅一点の岩田真知(Vo&Gu)は、現在もCuon (クオン)名義での活動を続けているが、バンドでの久しぶりのライブということで、ファンもこの日を心待ちにしていたことだろう。深い孤独に寄り添う「closet」でステージを泳ぐように支配し、妖艶に歌を響かせる。纏うオーラは、観る者を釘付けにする。“長い、長い暗闇の中で、今日という日を迎えられて感謝します”と、「水平線のむこうがわ」を吐き出すように儚げに歌う。シニカルな楽曲の中にも、声から伝わるエナジーが心に焼き付く。MCでは、 “今日という日を楽しく終わりたい”と笑顔で語り、「崩壊リカバリー」を披露すると、歌詞にあわせてオーディエンスがステージへ手を伸ばした。鋭い言葉選びのセンスに心を揺さぶられるステージ。特別なこの日を、分かち合うようにラスト「regret」まで全力で駆け抜けた。

暑い空気を宿した会場に最後に登場したのは、イベントの主催バンドであるThe;Cutlery。1stアルバムから「epilogue; Miscanthus sinensis」をSEに、一二三ふみを(Vo&Gu)、福島ゆうた(Gu)、中山真之介(Ba)、Pino(Dr)の4人がステージに揃い、「You never know how "STRONG" you are until being strong is the only choice you have」と、初っ端からスリリングなナンバーでオーディエンスを挑発。表情豊かな一二三ふみをの声は続く「melancholy room」でレクイエムのように3拍子のリズムにあわせ、ゆらゆらと歌い、観る者を魅了する。The;Cutleryというバンドは、不思議だ。食卓に並ぶカトラリーセットのように生活に溶け込んでいるようで、続いて披露された「Limit amplifier」を聴くと、どこか狂気のような危うさをも孕む展開を見せ、多面的なバンドとしての伸びしろを感じる。

「目」に続き、前公演に続いて披露された新曲も、わずか1カ月足らずで驚くほどの成長を遂げていた。一点に向かう神経を集中させたステージ。心地良い英詞とリズムが融合し、ライブハウスの隅々まで響き渡るサウンド。シューゲイザーやUKロックといった音楽性をベースに、言葉を心へと刻んでいく。MCではふみをが大阪から来てくれたそこに鳴るへ感謝し、福島は“めちゃくちゃ嬉しかった。何年もバンドをやっていると、自分がやりたかったことが叶うんだな”とaquarifaの出演を喜んだ。

そして、Pinoの力強いドラムアタックがこだまする「Myosotis」では気怠そうな歌にドラマチックなメリハリも取り込まれ、「Snow Bright Syndrome」では冬の凍りつくような空気感を広げる。The;Cutleryは心に残る美しい情景を残し、ラストのアンコールまで応えた。12月まで続くライブごとに新たな顔を見せてくれるのであろう期待と、ライブハウスに残った多幸感に包まれながら、この日のイベントは幕を閉じた。

photo by TAMA(@tm_livephoto)
text by 後藤千尋

The;Cutlery 連続企画
『生きづらい;あなたへ』

■第参弾
11月19日(金) 東京・新代田FEVER
出演:The;Cutlery、雨のマンデーズ、空想委員会

■最終弾
12月16日(木) 東京・下北沢シャングリラ
出演:The;Cutlery、MOSHIMO and more…
The;Cutlery 連続企画『生きづらい;あなたへ』
10月21日@新代田FEVER
10月21日@新代田FEVER
10月21日@新代田FEVER
10月21日@新代田FEVER
10月21日@新代田FEVER
10月21日@新代田FEVER

OKMusic編集部

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