諏訪ななか

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【諏訪ななか インタビュー】
marbleさんの楽曲を歌えるという
とてつもない世界線にきてしまった

諏訪ななかからひと足早いクリスマスプレゼントが届いた。2ndミニアルバム『Winter Cocktail』のタイトルに彼女が込めた意味は“いろいろな冬を混ぜ合わせる”。冬に見つける想いや情景を感じさせる新曲5曲がパッケージされている。自身もファンだという音楽ユニット・marbleからの提供楽曲「記憶ファンタジック」も収録した今作で、すわわ(諏訪ななかの愛称)流の冬を感じてほしい。

この楽曲の難しさを体感するために
ファンのみんなも歌ってみてほしい

アーティストデビューから一年半が経過しましたが、ご自身はアーティスト・諏訪ななかについてどう感じられていますか?

うーん…いわゆる“声優アーティスト”ですかね。最近はアーティスト色の強い方々もいますが、私自身はアーティスト色は強くないんじゃないかなと思っています。

ご自身の楽曲も22曲にまで増えましたが、これまででもっとも納得がいった一曲がどの曲か気になります。

納得がいった一曲…(熟考)。私の中では自分らしいカラーがよく出ている1stミニアルバム『Color me PURPLE』(2020年11月発表)に収録されている「Lilac」ですかね。私の思う“可愛い”をギュッと詰め込んだキラキラとした楽曲なので。

過去のリリース作品は、シングルが一枚に、ミニアルバムとフルアルバムが各一枚ずつとなっています。アルバム主軸で活動されているアーティストはなかなかに珍しいと思います。収録楽曲の数だけ歌唱アプローチにも変化を加えるなど、アルバムならではの制作に対する難しさやプレッシャーもあるのでは?

今はあまりプレッシャーは感じていないです。ただ、デビュー作『So Sweet Dolce』(2020年5月発表)からいきなりフルアルバムだったので、一曲も発表をしないまま楽曲を録り溜めていた時期は “これでいいのかな?”と作品の方向性に確信を持てないこともありました。そういった意味で、今作の制作はそれほど気負わずに向き合えたと思います。

ちょうど話題にあがったところで、今作『Winter Cocktail』について詳しく聞かせてください。

今回は“いろいろな冬を混ぜ合わせる”をテーマに制作を進めました。アーティスト写真にはお酒のカクテルも写っているのですが、タイトルの言葉に選んだ“Cocktail”はあくまでも“混ぜ合わせる”という意味なんです。

このタイトルは諏訪さんが考えられたのでしょうか?

いえ、ディレクターの井上哲也さんですね。私は作品のテーマ決めと選曲を担当しました。“冬”というテーマはリリース日が私の誕生月の11月というところから思いついたんです。選曲は直感的に“いいな”と感じた曲を基準にピックアップしています。

井上さんと言えば、諏訪さんのレーベル公式サイトでライナーノーツを執筆している方ですね。

語彙力が豊富で、白眉なコメントが素敵ですよね。いつも井上さんには私の作品全体を客観視したコメントをいただいています。

ここからは収録楽曲について掘り下げていければと。1曲目「ふれてみたい」は自身の恋心とじっくり向き合うことで、続く「記憶ファンタジック」からのいよいよ好きな人にアプローチを仕掛けていくといった、“気持ちの土台作り”をしている楽曲だと思いました。今作における物語の流れを生む役割を担っている曲のようにも感じたのですが、深読みしすぎでしょうか?

このミニアルバムの中での流れは特に意識しておらず、あくまでも「ふれてみたい」は過去の「溶けるみたい」(2020年5月発表のアルバム『So Sweet Dolce』収録曲)と「揺れていたい」(2020年11月発表のミニアルバム『Color me PURPLE』収録曲)につながる“〇〇たい”シリーズの完結編ですね。サウンドにインパクトがあるので1曲目に選んだのかなと。

となると、これで“〇〇たい”シリーズは幕引きなのですね。

いつまでもあやふやな関係性のままではいられないので(笑)。これまでの2曲を振り返ると感慨深いですよね。

歌詞の中でお気に入りのフレーズはありますか?

2番Aメロの《急かしてしまう理由は寒さのせいじゃないけど/君の右手の温度を知りたくないこともない》ですね。1番Aメロの《苦かったコーヒーとか 待ちわびたメッセージとか》には「溶けるみたい」と「揺れていたい」で歌ってきた言葉も登場していて、これまでのストーリーと地続きなことも感じられるかなって。それと並行して今作の“冬”というテーマもしっかりと拾っているところが本当に巧みなんです。

リード曲の「記憶ファンタジック」はmarbleのプロデュース作で、marbleと言えば諏訪さんの大好きなTVアニメ『ひだまりスケッチ』でも数多くの主題歌を担当しているふたり組音楽ユニットですね。最近では1stシングル「コバルトの鼓動」(2021年4月発売)でもカップリング曲「突風スパークル」を制作していました。

「突風スパークル」は単体で物語が完結していましたが、「記憶ファンタジック」は『Winter Cocktail』におけるテーマにも沿っているし、「突風スパークル」とは違った魅力がありますよね。曲調も大人可愛い雰囲気で、歌詞にあるように街中のイルミネーションなどを見ながら聴いてほしいです。

レコーディング時にはおふたりから“小悪魔なすわわ”になって歌ってほしいと伝えられたそうで。ところで、なぜ意中の相手に対するアプローチの範囲を“記憶”だけに限定しているのでしょう? 私が思うに、直接的なアプローチをあえて試みないところにこの楽曲のポイントがあるのかなと。

この“記憶”は“好きな人の記憶に常に残るような存在でありたい”という意味だと思っています。記憶=思い出ではなく、これからの出来事を現在進行形で“もっと記憶に残していきたい”というメッセージですね。

目から鱗です。そう言えば「突風スパークル」制作時には、ご自身の手元に届いた仮歌が“marbleの新曲みたいだ!”と驚かれたエピソードがあるとか。

そうなんですよ。ほかの楽曲の仮歌とは違ってmarbleさんの仮歌だけは、どうしてもおふたりの新曲のように聴けるくらいに楽曲が完成されているんです。なので、“miccoさんのように歌いたい”という自分の想いに折り合いをつけながらレコーディングに臨みました。

具体的に、その折り合いがつくタイミングは?

いったん作品として仕上がった瞬間ですかね。とはいえ、今もまだ楽曲に対して挑戦する気持ちを持っています。

それこそサビ後半は諏訪さんの歌声のもっとも美味しい部分が出てくるぶん、一気にキーが上がるあたり、ヴォーカルも桁違いの難易度になるのかなと。

めちゃめちゃ難しいんですよね。サビの後半はほとんどブレスなしで歌うので、1番のサビの《そっと触れて解けた》というフレーズは自分の限界と戦いながら歌いきりました。なので、この楽曲の難しさを体感するために、ファンのみんなも歌ってみてほしいな(笑)。
諏訪ななか
ミニアルバム『Winter Cocktail』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
ミニアルバム『Winter Cocktail』【通常盤】(CD+DVD)

OKMusic編集部

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