Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
ライヴバンドが感じた
有観客ライヴの違和感

対バンツアーがやりたい
という想いがあった

千々和
こういった状況がいつまで続くか分からない中、バクシンさんは10月から、オメでたさんは11月からツーマンツアーを開催しますよね。このツアーはいつ頃から計画を進めていたのでしょうか?
豊島
ツアーを組むとなるとかなり前から動くんですね。バクシンは今年の2月にUSEN STUDIO COASTで開催した『久しぶりにウンザウンザを踊る』から有観客ライヴを復活させたんですけど、有観客を復活させることを考えた昨年の11月くらいには、もうこの時期にツアーをやるというのは決めていました。決めた時期は昨年の秋冬くらいだったけど、来年のこの時期は大丈夫だろうと思っていたし、仮にコロナ禍が収束していなかったとしてもガイドラインに従ってやるしかないと思っていましたね。
千々和
準備に関してもコロナ禍前のツアーとは全然違いますよね?
豊島
僕の場合はバンドのマネジメントもやっているので、事務所サイドの仕事になっちゃうんですけどね。
千々和
地域によってガイドラインが全然違うので、その点も含めどのように調整されているのですか?
豊島
ガイドラインや地域の状況は現地の人に訊くしかないですよね(笑)。それを共有させていただいて、気になる部分があれば“これはどういう意味ですか?”“こうしたほうがいいんじゃないですか?”とかの意見交換をある程度やってから決めていく感じです。
千々和
バンドのほうの準備はどんなことを?
豊島
練習するだけですね(笑)。ライヴはずっとやっているからその流れも汲みつつ、この『セカンドe.pとウンザウンザを踊る』は今作『セカンドe.p』のリリースツアーなので新曲も入れて、楽しくツアーを回る…という感じです。
千々和
バンドのモチベーションはいかがですか?
豊島
いろいろとネガティブなことを言いましたけど、バンド内の雰囲気は明るいですね。単純にライヴを楽しもうという感じです。基本的にライヴが好きなバンドなので、ライヴが決まっていると嬉しいんですよ(笑)。
千々和
赤飯さんはツアーの計画に関していかがでしょうか?
赤飯
オメでたはスタッフと話し合って調整していきます。渉さんと同じように一年くらい前から動いてはいて、今年の1月にZeppでワンマンライヴ(『笑うしかできない全席デリケートゾーンライブ』)を開催して、春のツアー(『ワンマンツアー2021 〜今 いくね くるね II TURBO〜』)で有観客ライヴの復活をした時期には、すでに今回の秋ツアー(『真剣2マン遊VIVA!』)をすることは決めていたので、主要都市のライヴハウスを押さえる動きはしていました。状況を見ながら本数を調整したり、各地のガイドラインに沿って調整をしていたので、準備の期間としてはバクシンさんと同じくらいだと思います。先行きが分からない状態で箱を見つけていないとやりたくてもツアーができないので、とにかくやれる準備だけをしておこうと。
千々和
ちなみに2組ともツーマンツアーなのは偶然ですよね?
赤飯
今の状況だとツーマンが限界じゃないですかね。スリーマンになると人数も多くてどうにもならない状況なので。
豊島
ただ、自分的に対バンツアーをやりたかったっていう想いはあるんですよ。
赤飯
そうそう。FABLED NUMBERに誘ってもらって対バンを3月に久しぶりにやったんですよ。その時に“これこれ!”ってメンバー全員がなったんですよね。“対バンって面白いよね”と感じて。やっぱり相手のライヴを観て、くそ~!って悔しがったり、そのままその気持ちをステージに持って行けたりするんで。そんなやりとりが対バンだと裏で起こっているんですよ。あと、ライヴ中にいじり合ったりしてね。その気持ちのやりとりがすごく面白くて。それもあって、“対バンやると気持ちが盛り上がるよね。対バンをやろうぜ!”とメンバー間で春くらいから話が出ていたんですよ。その流れから対バンツアーになりました。
豊島
僕たちも春まではワンマンライヴをやっていたんですけど、やっぱり対バンもやりたいという想いが生まれて。僕たちの場合は池袋LiveGarage ADMで7日間連続ツーマンライヴをやってみたりしました。それも経て“やっぱり対バンっていいな”と改めて感じたんです。だから、秋冬のツアーはツーマンにしようということは最初から決まっていましたね。
千々和
ライヴに対する気持ち的には、前回お話をうかがった時から変化はありましたか?
豊島
僕個人的にはライヴハウスを運営しているので、有観客を再開してガイドラインというのも、最初は“言われているから守らないといけない”という感じでやっていたところがありますが、ここ数カ月はガイドラインを僕たちは守るけど、守らない奴がいても僕たちは分かるしみたいなところもあったんです。でも、最近はいろんなフェスとかバンドとかで、良くも悪くも音楽業界自体がすごく注目されてしまっているんですよね。そこで、ガイドラインを守ることへの責任感を感じるようになりました。今しっかりとやっておかないと未来がなくなってしまうので。ただ、新型コロナウイルスの感染者数がすごく増えてしまうだけで、しっかりと感染対策をしているフェスも世間から叩かれてしまう状況にはすごく違和感があります。そういう面だけピックアップされて、音楽業界だけやり玉になってしまうというのは不条理を常に感じますし、注目されているからこそ背筋を伸ばさなきゃいけないと思ってはいますね。だから、1年半前くらいは自分のバンドをどうするかみたいなことだけを考えていましたが、僕らだけの問題じゃないなというのをここ数カ月で痛感しております。
赤飯
誰かのミスが業界全体に響くということは本当にそうなってきているので、自分たちも業界を支える一端なんだという強い意識を持ってやっていくしかないなという気持ちは、昨年から考えると変わりましたね。
豊島
本当にみんな守っていますから。でも、たまたまほころびがあったところを突かれてしまうみたいな。そういうところは、正直言って酷いと思いますね。
赤飯
全然文化や文脈、毛色の違うものでも“音楽”や“フェス”というジャンルで一緒くたにされて、何もかもを槍玉にあげられてしまうのは本当に歯痒いですね。そうなってしまうともう我々になす術はないので。
豊島
そうだよね。みんなで作っているものが台なしになってしまうし、その一端を自分たちも背負っているという自覚も芽生えました。今は冬の時代というか、いいことはないんですけど、赤飯も言っていたように耐えて生き残るしかないという気持ちが強いですね。
石田
それはやる側のバンドだけじゃなくて、観る側のファンもすごく思っていると思います。自分たちの不注意でコロナに感染してしまったとなったら大事になるわけなので。より一層、注意するようになったというか。
豊島
ライヴに来てくれている方は感染対策をしっかりやってくれていると、僕の印象では思うんですよ。すごく協力してくれているし、そこは本当に感謝です。
千々和
SNSでバズるという文化が出来上がっているので、いい意味でも悪い意味でもインパクトのあるものしか広がらない中、会場がしっかりとルールを守ってやっていることを伝えているファンの方のツイートを結構見ますね。その一方で、対策が取れていないライヴの話、ひと目でえっ!?ってなるようなもののほうが話題になってしまうのは事実で。そのひとつの出来事で、これまでみんなが積み上げてきたものが壊れてしまうのは実感します。
豊島
そうですね。プラスとして、その結果“やっぱり音楽は良くないじゃないか”となって、しっかりと守っている者に対しても攻撃をしてしまうのはどうなんだという気持ちになりますよね。
赤飯
そのとおりですよ!
千々和
そういう状況になっている中で開催されるツアーになりますが、より一層観る側もちゃんとしないといけないと気が引き締まっていると思います。今後の音楽シーンに関して、どうなっていくかという見解はありますか?
豊島
コロナ禍が仮に終わったとしても、こういう雰囲気は完全に消えないのは分かっていて。僕は完全にコロナ禍前のような状態にはならないと思っています。あと、ライヴができないというのもあってバンドは流行っていないのかなと、ここ一年くらい感じていて。音楽として流行っていない。ただ、何おいても流行り廃りがあって、落ちて行ったものはどこかのタイミングでドンッ!と上がるから、そのタイミングで“生の音楽、生演奏、バンドっていいよね”という流れになると思っているんです。それまでバンドが続いているといいんですけどね(笑)。
石田
今のライヴが思うようにできない状況下では新人バンドは大変だと思いますしね。バンドはライヴを観てもらってなんぼだと思うし。だから、今ってなかなか新しいバンドが出てこない。
豊島
本当にそうですよね。
岩田
昨年おふたりに登場していただいたタイミングでは、世間で音楽自体が必要なのか必要じゃないのかというところまで話が膨らんでいたと思うのですが、有観客ライヴが戻ってきたことで、フェスが叩かれた事実はあっても音楽が必要か必要じゃないかという話題はなくなったと感じています。やはり、音楽は必要だし、ライヴの良さも再確認できているからこそ、世間的にも考え方が変わってきていると思いますね。だからこそ、ライヴの魅力も絶対に再度上がってくるので、バンド側にはライヴを続けてほしいと思いました。
千々和
活動が止まっているバンドがすごく多いし、ツアーを組むのが実力的に難しいバンドもいるからこそ、フェスの開催もそうですが、先輩のバンドがこの状況でもツアーをやっているということ自体があるのとないのとでは全然違うと思いますね。だから、音楽活動やツアーに関してはもっと読者の方にも知ってもらえたらと考えています。
石田
ロックバンドはライヴがカッコ良いんだというところをね。
豊島
ぜひともお願いします!
赤飯
この状況に併せて、楽曲の作り方とかも変わってくるかもしれないと思うので、その辺も試行錯誤しながら最適なやり方を見つけていきたいと思いますね。

『バックドロップシンデレラ「セカンドe.p」リリースツアー「セカンドe.pとウンザウンザを踊るツアー」』

10/22(金) 北海道・札幌Sound lab mole
w)アシュラシンドローム
10/23(土) 北海道・札幌Sound lab mole ※SOLD OUT
w)アシュラシンドローム
10/26(火) 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST
w)打首獄門同好会
10/29(金) 福岡・Livehouse CB
w)セックスマシーン!!
10/30(土) 大分・SPOT
w)セックスマシーン!!
11/05(金) 宮城・仙台JUNK BOX ※SOLD OUT
w)八十八ヶ所巡礼
11/06(土) 秋田・Club SWINDLE ※SOLD OUT
w)オメでたい頭でなにより
11/07(日) 岩手・盛岡Change WAVE
w)オメでたい頭でなにより
11/18(木) 兵庫・神戸Music Zoo太陽と虎 ※SOLD OUT
w)Su凸ko D凹koi
11/19(金) 岡山・IMAGE
w)LONGMAN
11/20(土) 山口・周南 RISE
w)Yamakatsu
11/21(日) 広島・CAVE BE
w)SIX LOUNGE
11/22(月) 香川・高松 DIME
w)2011年のバックドロップシンデレラ
11/23(祝火)静岡・UMBER ※SOLD OUT
w)SPARK!!SOUND!!SHOW!!
12/04(土) 新潟・ RIVERST ※SOLD OUT
w)a crowd of rebellion
12/05(日) 石川・金沢VANVAN V4 ※SOLD OUT
w)a crowd of rebellion
12/09(木) 愛知・名古屋ボトムライン
w)the telephones
12/10(金) 大阪・梅田TRAD  ※SOLD OUT
w)the telephones
12/12(日) 神奈川・横浜1000 CLUB ※SOLD OUT
w)ビレッジマンズストア

『オメでたい頭でなにより 全国2マンツアー『真剣2マン遊VIVA!』』

11/03(水) 新潟・studio NEXS
w)RADIO
11/04(木) 宮城・仙台Rensa
w)ビレッジマンズストア
11/12(金) 東京・TSUTAYA O-EAST
w)バックドロップシンデレラ
11/13(土) 東京・TSUTAYA O-EAST
w)忘れらんねえよ
11/22(月) 北海道・札幌ペニーレーン24
w)眉村ちあき
12/01(水) 福岡・BEAT STATION
w)キュウソネコカミ
12/03(金) 大阪・心斎橋BIGCAT
w)打首獄門同好会
12/04(土) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
w) KEYTALK

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