ロックンロールの成立に
大きな影響を与えた
シスター・ロゼッタ・サープの
『ライヴ・イン・1960』
シスター・ロゼッタ・サープのこと
39年に最初のソロレコード「ロック・ミー」をリリースする。このレコードがゴスペル界において初のミリオンセラーヒットとなった。前述の『フロム・スピリチュアル・トゥ・スウィング』に出演したのは38年で、自身のレコードデビュー前に大物たちと共演しているのだから、デビュー前から相当に人気があったと思われる…というか、当時はギターを弾く女性自体が珍しいのに、独創的なギターを弾きながら歌を歌い、曲も書いているのだから相当注目されていたはずである。
そして、サープは40年代に入ると早くもエレキギターを手にして活動するようになる。
ロックシンガー、
ソウルシンガーへの影響
他にもヴォーカリストとして、サープの真似が得意なリトル・リチャードにはデビューのきっかけをお膳立てし、ジェリー・リー・ルイス、アレサ・フランクリン、ティナ・ターナー、ジョニー・キャッシュ、アイザック・ヘイズらにもカリスマ的パフォーマーとして大きな影響を与えている。
ギタリストの面で言えば、チャック・ベリーは「デビューしてからずっとサープの真似をしているだけ」とインタビューで答えているぐらい彼女のギターに影響されているのだ。もうこうなると、ロックンロールはシスター・ロゼッタ・サープが生み出したものと言ってもいいのではないだろうか。