『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)

『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)

M-AGE、復活ライブ
『M-AGE 1991→2021REUNION』の
レポートが到着!

1991年に発売された伝説のコンピレーションアルバム『DANCE 2 NOISE 001』への参加から、翌92年1月21日、1stシングル「WALK ON THE MOON」でメジャーデビュー。クラブサウンドと既存ロックとの融合を試みた革新的なサウンドで、90年代前半のロックシーンに新たな方向性を提示、高感度なリスナーに支持されながらも、94年に惜しまれながら解散したM-AGE

30周年を迎えるアニバーサリーイヤーに、26年の時を経て“リユニオン”を表明。初のアニバーサリー作品『RE:CONSTRUCTION 1991-1994』を2月10日(水)にリリース。27年ぶりの新曲「BIRD CAGE」が収録されたことも大きな話題を呼んでいた。

そのM-AGE復活ライブ『M-AGE 1991→2021REUNION』が、コロナ禍の影響を受け、数度の延期を経て、9月22日(水)東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて、ついに開催された。そのライブレポートをお届けする。

【ライブレポート】

 1994年のM-AGE解散から26年の月日が流れた2020年1月21日に『M-AGE 20210121』とだけ記されたオフィシャルサイトが突如開設された。SNSで様々な憶測が飛び交う中、開設から約半年後、オフィシャルサイトが正式稼働すると共にM-AGEの再結成が発表。その後ビクターからのベストアルバムのリリースと新曲「BIRD CAGE」発表と再結成に向けての布石は打たれたものの、長引くコロナ禍のため再結成ライブは2021年1月21日から5月26日へ、さらに9月22日へと延期を余儀なくされる。半年以上足踏みさせられたファン達やM-AGEのメンバー達の心は決して穏やかではなかっただろう。

 そして遂に本日(9月22日)、「M-AGE 1991→2021 REUNION」を迎えた。舞台は渋谷TSUTAYA O-EAST。偶然にもM-AGE最後のライブとなったステージでの復活だ。コロナ対策でソーシャルディスタンスを確保するためにフロアには座席が並べられてはいるものの、長いことM-AGEの復活を心待ちにしていたファン達の期待でフロアには静かな熱気が満ち溢れていた。やがて客電が落とされ、SEが流れると共にステージのバックにVJの映像が流れだす。27年の時を経て、遂にM-AGEの再結成ライブが始まるのだ。それまで座席に座っていたファン達も一斉に立ち上がる。

 KOICHIROが登場すると一際大きな拍手が上がる。再結成ライブは「真夜中の逃亡者」で幕を開けた。27年ぶりとは思えぬパワフルなメンバー達のパフォーマンスにフロアも一気にボルテージが上がる。コロナ対策で声を出せない中、ファン達の拍手と振り上げる手の多さに長年待ち焦がれたファン達の熱い思いがひしひしと伝わってくる。続いて初期の代表曲「CALL ME」へ。印象的なイントロが流れた瞬間にファン達が即座に反応する。KOICHIROもそれに熱唱で答え、まるでブランクを感じさせない。いや、むしろ表現力は当時よりも増している。そして「SILENT FEARS」を経てMCへ。「やっと復活することができました」というKOICHIROの言葉に、コロナ禍の中でここに至るまでの思いが凝縮されていたように思われた。

 「HEAVEN」、「last temptation」、「ocean rain」、「UNDER THE CUBIC SKY」と演奏が続く中、それぞれの楽曲に合わせた印象的なVJ映像もステージを華やかに盛り上げてゆく。この演出は渋谷TSUTAYA O-EASTで初となるLEDビジョンを使ったものであり、大スクリーンに鮮明に映し出された映像は照明と合わさり、M-AGEの世界観をより視覚的に補完する。ライブ会場へ足を運んだファンだけに留まらず、配信で視聴するファンの方々も存分に楽しめるものとなっただろう。

 MCでメンバー紹介が行われると、事前のMIYO-KENのSNSでの求めに答え、歓声があげられない代わりとしてスマホのボイスレコーダーを使ってファン達が歓声を送る。コロナ禍の中で少しでも声援を送りたいという皆の思いが伝わり胸が熱くなった瞬間だ。そしてこの日初めてお披露目となったメロディーラインが美しい新曲「FAIT ACCOMPLI」。懐かしくも新しい、2021年現在進行形のM-AGEの姿が見られたのではないだろうか。続いて、ビクターから2月に発売されたベストアルバム『RE:CONSTRUCTION 1991-1994』にも収録され、YouTubeでMVも公開され復活を力強くアピールした「BIRD CAGE」へ。皆事前に予習を繰り返していたのであろう、フロアの反応も高い。

 一旦ここでメンバー達はステージをさがり、DJ PEAHのみのプレイによる「STARSHELL」へ。M-AGEが活動していた90年代当時、DJが在籍しているバンドというのはまだ珍しかった。今もなおDJとして活動を続けるDJ PEAHによるDJプレイは渋谷TSUTAYA O-EASTをクラブへと一気に変身させる。続いてメンバー達もステージに戻り、よりアグレッシブで攻撃的なアレンジとなった「NEXSUS 7」、「SOMEDAY VIBES」へ。KOICHIROもキーボードを使い演奏に加わった。文句なくカッコいい。DJ PEAHもステージを走りフロアを盛り上げる。DJ PEAHの居ぬ間にMIYO-KENがDJごっこをしていたのはきっと気のせいだろう。

 クラブと化したフロアの熱量はそのままに、演奏は「FLOWERS OF THE SUN」、「MIND WAR」へ。フロントの三人も実に楽しそうにステージを走りフロアを煽り、ドラムのOKAZAKIも笑顔でそれを見守る。MCで「いっぱいいっぱいです」などと言いつつも、ライブはさらに「ENOUGH OF THIS」、「BACK TO BACK」とアッパーでキャッチーな楽曲で畳みかける。そしてライブラストはM-AGEのメジャー1stシングルでもある「WALK ON THE MOON」。ソーシャルディスタンスを取り声援は送れないものの、フロアとステージが完全に一体化した瞬間だった。

 しかし、メンバーがステージを去った直後から、アンコールを求める拍手は止まらない。勿論だ。27年ぶりの再結成ライブをこれで終わらせるわけにはいかない。ファン達の思いに応えるべく、間もなくしてメンバー達もステージに戻りアンコールが始まった。アンコールでは「Blind Venus」、「IDEAL IMAGE」としっとりとした曲が演奏される。時を経て円熟した大人となったメンバー達の、色気がステージから溢れだしてくる。2曲のアンコールを終えた後も拍手は鳴りやまず、2度目のアンコールが始まる。ラストはM-AGEらしくダンサンブルでポップな「blink blink blink」で大団円を迎えた。

 12月1日の渋谷CLUB QUATTROでの次回のライブも告知され、これからもまだまだM-AGEの動きからは目が離せない。

TEXT:kihito/撮影:土田 絋

<セットリスト>
『M-AGE 1991→2021REUNION』
2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST
SE
01. 真夜中の逃亡者
02. CALL ME
03. SILENT FEARS
04. HEAVEN
05. last temptation
06. ocean rain
07. UNDER THE CUBIC SKY
08. FAIT ACCOMPLI(新曲)
09. BIRD CAGE
10. STARSHELL
11. NEXSUS 7
12. SOMEDAY VIBES
13. FLOWERS OF THE SUN
14. MIND WAR
15. ENOUGH OF THIS
16. BACK TO BACK
17. WALK ON THE MOON
-Encore-
01. Blind Venus
02. IDEAL IMAGE
-Encore-
01. blink blink blink
アルバム『RE:CONSTRUCTION1991-1994』2021年2月10日(水)発売
    • 【限定盤】(2CD+DVD+別冊BOOK)
    • VIZL-1853/¥6,000(税別)
    • <収録曲>
    • ■CD/Disc1(RE:CONSTRUCTION 1991-1992)
    • 01.CALL ME
    • 02.WALK ON THE MOON
    • 03.VISITOR
    • 04.BACK TO BACK
    • 05.SILENT FEARS
    • 06.MIND WAR
    • 07.CRISIS
    • 08.ENOUGH FOR THIS
    • 09.UNDER THE CUBIC SKY (final solution mix)
    • 10.someday close your eyes
    • 11.tears
    • 12.last temptation
    • 13.i’ll keep on holding on
    • 14.真夜中の逃亡者 (Mike“Spike”Drake mix)
    • 15.HEAVEN
    • 16.FLOWERS OF THE SUN
    • 17.WALK ON THE MOON (demo)
    • ■CD/Disc2(RE:CONSTRUCTION 1993-1994)
    • 01.SINK (2010 mix)
    • 02.NEXUS 7
    • 03.mother
    • 04.cure
    • 05.今夜はビート・イット!
    • 06.Blind Venus (release mix)
    • 07.Strange Future
    • 08.blink blink blink
    • 09.ocean rain
    • 10.personal ascension
    • 11.STARSHELL (Mike Edwards mix)
    • 12.Blind Venus (Casper Pound mix)
    • 13.BIRD CAGE (新曲)
    • ■DVD ※限定盤のみ
    • [Music Video]
    • ・CALL ME
    • ・WALK ON THE MOON
    • ・VISITOR
    • ・DJ PLAY (by DJ PEAH)
    • ・MIND WAR
    • ・someday close your eyes
    • ・tears
    • ・真夜中の逃亡者 (Studio Live)
    • ・FLOWERS OF THE SUN (Studio Live)
    • ・CHANGE YOUR MIND (Studio Live)
    • ・HEAVEN (Studio Live)
    • ・mother
    • ・TV Spot「mother」
    • ・Blind Venus
    • ・TV Spot「INTERFACE」
    • [Live] 1992.4.6 NISSIN POWER STATION
    • ・CALL ME
    • ・VISITOR
    • ・MIND WAR
    • ・WALK ON THE MOON
    • [Live] 1992.12.8 CLUB CITTA’ KAWASAKI (tvk「Live TOMATO」より)
    • ・真夜中の逃亡者
    • ・WALK ON THE MOON
    • ・HEAVEN
    • ・SINK
    • ・SILENT FEARS
    • ・CHANGE YOUR MIND
    • ・CALL ME
    • [Bonus Video]
    • ・CALL ME (MVメイキング)
    • ・IN LONDON (「vibES」メイキング)
    •  
    • ■別冊BOOK ※限定盤のみ
    • オリジナル・メンバーKAJIWARA YUJIによる寄稿。ライター吉村栄一氏による最新インタビューとライナーノーツ、楽曲解説(MIYO-KENコメント付)、ディスコグラフィー(ソングリスト)を掲載。当時のアーティスト写真のアナザーカットや最新のアーティスト写真も掲載。
    •  
    • 【通常盤】(2CD)
    • VICL-65472/65473/¥3,000(税別)
    • <収録曲>
    • 限定盤のCD(Disc1、Disc2)と同じ
    •  
    • ◎配信リンク
    • https://jvcmusic.lnk.to/RE_CONSTRUCTION
    • ※音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて、配信中。
『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)
『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)
『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)
『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)
『M-AGE 1991→2021REUNION』2021年9月22日 at 東京・渋谷TSUTAYA O-EAST(Photo by 土田 絋)
アルバム『RE:CONSTRUCTION1991-1994』
M-AGE

OKMusic編集部

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