寺沢美遊による9年ぶりとなる個展『
UNOWNED』開催

フォトグラファー、寺沢美遊による個展『UNOWNED』が9月4日(土)〜9月19日(日)にわたって東京・初台LAID BUGにて開催される。

作家自身9年ぶりとなる本展では、彼女が日常的に利用するカーシェアリング・サービスに端を発し、自身にとって「“非所有”とはなにか」というテーマで撮影された、車と車にまつわる情景が並ぶ。また、会期中には今年6月から7月にかけて彼女が訪れたNYでの所感をまとめた手記『Broken Diary』も販売。写真とは別の角度から切り取られたというZINEにも注目を。

About “UNOWNED” by Miyu Terasawa

EXHIBITION: 9.4SAT – 9.19SUN, 2021 at LAID BUG / 15:00-20:00 CLOSE on MON, TUE

現代において、車とはどんな意味合いを持つのだろう。
手元にマイク・フェザーストンが2010年に出版した『自動車と移動の社会学』という本がある。この本には自動車が及ぼす都市形成、そして個人への影響が書かれているが、こと個人への影響という点に関して、この2021年、どんな変化があったのかを思う。今年上半期の国内乗用車販売台数は前年比で10%強上昇していると聞いた。
写真家の寺沢美遊による個展『UNOWNED』には、彼女が日常利用するカーシェアリングサービスに端を発し、自身にとって“非所有”とはなにかというテーマで撮影した作品が並ぶ。本展はとりわけ車と車にまつわる情景が多い。作品を通じて車を人間や社会の比喩として扱う事例はこれまでもさまざま存在していて、たとえばかつての映画作品においても車が男性性/女性性の象徴であったり、社会構造のメタファーとして登場する例は枚挙にいとまがない。そして、やはり寺沢にとっても車は移動手段以上の事象なのである。“運転しているときに、安心と開放感で自分が自分らしい形をしてると思える。動きやすい服を着てるときのような”と彼女は語る。運動体の延長としての車。だが所有という手段に至らないのはなぜか。そこに彼女と車、彼女と社会の距離感が見えてくる。
所有することこそが愛、という前提から翻って、所有しないことが愛と呼べるかというシミュレーション。そしてそれにまつわる美 意識について。彼女が出した現時点の回答が本展『UNOWNED』にて垣間見えるだろう。
会期中には今年6月から7月にかけて彼女が訪れたニューヨークでの所感をまとめた手記『Broken Diary』も販売。この ZINEもまた写真とは別の角度から切り取られた彼女の眼差しである。

【イベント情報】

『UNOWNED』

会期:2021年9月4日(土)〜9月19日(日) 15:00 – 20:00*
会場:東京・初台 LAID BUG

*月曜・火曜 休廊

■寺沢美遊: Twitter(http://twitter.com/mieuxxx) / Instagram(https://www.instagram.com/mieuxxx_/)

■ LAID BUG オフィシャル・サイト(http://laidbug.com/)

アーティスト

Spincoaster

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