まふまふ主催『ひきフェス』とは? 
初開催はさいたまスーパーアリーナ、
2021年8月には東京ドームから初の全
世界配信ーー規模を拡大し進み続ける
『ひきフェス』のこれまでを紐解く

2017年より開催しているまふまふ主催イベント『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』。2021年8月1日には東京ドームで収録した映像を配信する『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム~ONLINE』が決定している。本記事では、規模を拡大し進み続ける『ひきフェス』のこれまでを紐解いてみた。
『ひきフェス』とは?
動画投稿や配信などインターネットでの活動を軸に、家にこもっては夜な夜な歌ったり、楽曲や動画を生み出したり。主催者であるマルチクリエイター・まふまふをはじめ、才ある“ひきこもり”たちが集うイベント、それが『ひきこもりたちでもフェスがしたい!』、通称『ひきフェス』だ。
初音ミクに代表されるVOCALOIDを使って「ボカロ曲」を生み出す「ボカロP」、「ボカロ曲」の「歌ってみた」動画を投稿する「歌い手」が現れた、2000年代後半。時代の大きなうねりの中で、既存の楽曲だけでなく、オリジナル楽曲を歌ったり、自らが作詞・作曲をしたりと、リスナーを楽しませる術を模索した“ひきこもり”たちは、やがて日本発の新たな文化を牽引する旗手となり、今に至る。
2017年5月にさいたまスーパーアリーナにて初開催し、2018年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服前夜@幕張メッセ~』、2019年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服I@メットライフドーム~』と、『ひきフェス』は回を重ねるごとにスケールアップしてきた。それは、いつだってリスナーのことを想う“ひきこもり”たちの存在が、音楽の届け方や楽しみ方に多様性をもたらし、日本の音楽シーンに大変革を起こしていることの証だ。
セルフプロデュース能力に長け、仲間とのつながりも大事にしてお互いを尊敬して止まないのが、『ひきフェス』の面々。彼らがステージに立てば、それぞれの色鮮やかな個性、クオリティの高いパフォーマンス、趣向を凝らした演出で魅了して、『ひきフェス』ならではのスペシャルなコラボレーションでも沸かせる。馴れ合うわけではなく、切磋琢磨し合う同志たちの姿に心を動かされ、たちまち虜になってしまうのは当然のことだ。
また、彼ら自身の挫折や辛い経験を糧にした嘘のない表現、血の通った言葉が、リスナーの共感を呼ぶ、という側面もある。しかも、痛みを知る“ひきこもり”たちは、心優しく、とてもファン想い。どんなに再生回数が増えようと、どんなに大きなステージに立とうと、それは変わることがないし、大人たちに操作されない彼らの混じり気のない表現を求める熱は、高まり続けている。
『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服I@メットライフドーム~』 2019.6.23@メットライフドーム
2020年3月に開催予定だった『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム』にしても、新型コロナウイルス感染拡大防止のために残念ながら中止を余儀なくされたものの、チケットは即ソールドアウトしていた。涙をのんだあの日から、約1年。まふまふは、2021年5月5日に史上初の東京ドームでの全世界無料配信ライブとなる『ひきこもりでもLIVEがしたい!~すーぱーまふまふわーるど2021@東京ドーム~ONLINE』を開催し、まずは復活の狼煙を上げた。
そして、来る2021年8月1日。『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム~ONLINE』と題し、東京ドームで収録した無観客ライブ映像が、国内109か所の映画館で上映され、全世界に向け配信もされる。出演者は、まふまふ、そらる天月-あまつき-少年Tうらたぬき志麻となりの坂田。センラあらきun:cめいちゃんluz。転んでもただでは起きない、最強の12人である。
2019年の『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服I@メットライフドーム~』で、「革命は成った」と高らかに宣言したまふまふ。長引くコロナ禍に翻弄され、時にエンターテインメントへの風当たりは強いけれど。歌・音楽が生み出す幸せな連帯感や一体感は、きっと希望の灯火となる。12人の“ひきこもり”が繰り広げる、和平的世界征服の続きとはどんなものになるのだろうか。胸躍る宴の幕開けを、心待ちにしよう。

次ページでは出演アーティスト紹介をお届けします。

本ページでは、『ひきこもりたちでもフェスがしたい!~世界征服II@東京ドーム~ONLINE』出演者の12人を一挙紹介。まふまふ、そらる、天月-あまつき-、少年T、うらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラ、あらき、un:c、めいちゃん、luzといった色とりどりな個性で魅了する、才ある“ひきこもり”たちに迫る。
まふまふ
まふまふ
作詞、作曲、編曲、演奏、エンジニアリング、ライブやMVのプロデュースなど、なんでもこなすマルチクリエイター。その音域はボーカロイド並に幅広く、繊細で時に胸をえぐるような歌詞、独自の世界観とポピュラリティを両立させる楽曲は、中毒性が高い。多くの映像作品やアーティストにも楽曲を提供し、そらるとのユニット・After the Rainとしても活動、『ひきフェス』を主催するなど、シーンを牽引するイノベーターでもある。イメージカラーはホワイト。
Twitter:@uni_mafumafu

そらる
そらる
地声と裏声を織り交ぜたミックスボイスは力強さや優しさ、儚さ、深みをたたえ、“最強のイケメンボイス”と評される。作詞、作曲、エンジニアリングも手がけ、彼の書く歌詞は幻想的で空想的なものであることも多い。イノセントな表現が活動10年を超えてもなお聴き手を癒し、救うのは、彼自身の感受性が変わらずに豊かだからであろう。まふまふとのユニット・After the Rainとしても活動し、国内外のファンを魅了している。イメージカラーはブルー。
Twitter:@soraruru

天月-あまつき-
天月-あまつき-
少年性を保つ真っ直ぐな歌声、明るく気取らないキャラクターで、幅広い年代から人気を博す。楽曲提供を受けるだけでなく、自ら作詞・作曲も手がけ、その表現の幅は実に広い。コンセプチュアルでストーリー性あるライブでは、華麗なダンスやギター、ピアノ演奏までこなす、華のあるエンターテイナーだ。また、舞台俳優や声優として数々の作品に出演し、アパレルブランドを立ち上げるなど、多方面で才能を開花させている。イメージカラーはレッド。
Twitter:@_amatsuki_

少年T
少年T
透明感ある歌声、甘いルックスで魅了するシンガーソングライター。アニメ『ポケットモンスター XY』のオープニングテーマに起用された「ゲッタバンバン」に代表されるキャッチーなナンバーから、癒しのバラード、胸キュンラブソングまで、聴き手に情景を思い浮かばせる力が彼の楽曲と歌声にはある。友人の天月-あまつき-はじめ、他アーティストに楽曲提供もし、声優や俳優としても活動中。イメージカラーはイエロー。
Twitter:@syounen_t_sako

うらたぬき
うらたぬき
歌い手&生放送主であり、ボーカルユニット・浦島坂田船ではリーダーを務め、声優・浦田わたるとしても活動するなど、多芸多才ぶりを発揮。話すときは耳に心地よい低音、歌うときはよく通る高音で、聴き手の心をつかんではなさない。2021年に8月上旬には、自身の誕生日(8月9日)を最高の日(date.)にするべく、“彼女(ファン)とのデート”をコンセプトにした全曲書き下ろしのソロアルバム『date.』をリリース。イメージカラーはグリーン。
Twitter:@uratasama

志麻
志麻
歌い手、ゲーム実況者、声優、番組MCとして精力的に活動しており、ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもある。ロックなナンバーは力強く、バラードはやさしく歌い上げる低めの甘い声は、鮮烈な輝きを放つ。“こんな世の中のnoiseなんてクソくらえだ”という気概に満ちた2ndソロアルバム『noise』は、大森靖子やbuzzG、KEYTALKの首藤義勝、みきとPなどが楽曲提供したバラエティ豊かな作品で、挑戦心に満ちている。イメージカラーはパープル。
Twitter:@shima_s2

となりの坂田。
となりの坂田。
「歌うことと笑うことが大好き」な彼は、ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもある。“サーカス”をテーマにした2ndソロアルバム『Red Parade』では、華やかなナンバーや疾走感あふれるロックチューン、ジャジーなテイストやファンキーな色合いにもしなやかに染まり、表現の幅をますます広げた。絵本を自作したり、浦島坂田船のアルバムのクロスフェード動画台本を執筆したり、クリエイターとしての才能も花開いている。イメージカラーはレッド。
Twitter:@sakatandao

センラ
センラ
ビブラートやファルセット、フェイクを巧みに使いこなし、色気ある歌声を響かせる彼は、ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもある。背徳的な世界へといざなったり、“最低な男”を演じたり、せつない女心を歌い上げたり、驚きのハイテンションで振り切ったり、曲ごとに豹変するさまはカメレオン的。さすが元営業職のサラリーマン!なトーク力、どんな場も和ませてしまうユーモアセンスもまた、彼の武器だ。イメージカラーはイエロー。
Twitter:@sen_sen_sen_sen

あらき
あらき
熱いロック魂を貫くシンガー。パワフルでよく伸びる歌声は高音から低音までレンジが広く、ロングトーンはブレることがない。2021年6月に発表した全曲オリジナルアルバム『UNKNOWN PARADOX』のテーマは、タイトルが示すように“未知なる矛盾”。高揚感と突破力と反骨精神に満ちたリードトラック、作詞・作曲を自ら手がけたドラマティックなバラード「Ark」など、聴き手を奮い立たせてくれるエモーショナルな作品に仕上がっている。イメージカラーはレッド。
Twitter:@axiz_and_nico

un:c
un:c
多種多彩な声色を自在に操り、かわいらしいガールズアイドルであれロックなお兄さんであれ瞬時になりきることができる、声の魔術師。初投稿はそらると同じく2008年と活動歴は長く、歌い手仲間にとって頼れる存在である。自ら作詞・作曲やイラストを手がけることも。ライブでは、キレッキレなパフォーマンス、遊び心全開なアオりやトークでも、
あっという間にオーディエンスのハートをつかんでしまう。イメージカラーはオレンジ。
Twitter:@ANKUosu

めいちゃん
めいちゃん
さわやかで柔らかなハイトーンボイスを活かした歌声、天真爛漫なキャラクターが魅力。楽曲それぞれの世界観に染まっていくその変幻自在ぶりは、実に見事だ。自ら作詞・作曲を手がけた楽曲からは、コンポーザーとしての才能を感じ取ることもできる。2021年5月には、HoneyWorksが手がけた最強にハッピーな新曲「小悪魔だってかまわない!」を配信。公開から1ヶ月で700万再生を突破している。イメージカラーはオレンジ。
Twitter:@meynico

luz
luz
甘美な歌声と圧巻の歌唱力で、カリスマティックな存在感を放つ。2021年には活動10周年を迎え、1月に発表した2ndシングル「Rose」では作詞・作曲に初挑戦。キャッチーなサウンドに破滅的な恋愛模様を重ねて、新たな扉を開いた。彼がオーガナイザーを務め、歴戦の猛者が集うライブイベント『XYZ TOUR』も、国内外で評価が高い。いっぽうでまさかの天然エピソードも多々あり、そのギャップも仲間やファンから愛されている。イメージカラーはホワイト。
Twitter:@luzabs

文=杉江優花

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