小松未可子

小松未可子

【小松未可子 インタビュー】
“私ってこういう感じだったな”と
改めて思わせてもらえた

TVアニメ『さよなら私のクラマー』EDテーマとして書き下ろした表題曲と大人の雰囲気漂う新境地となるナンバーが並ぶ、約2年半振りのシングル「悔しいことは蹴っ飛ばせ」。初回生産限定盤には2018年に開催した『小松未可子TOUR 2018 "Personal Terminal"』の模様を収めたBlu-rayを同梱する、ボリュームたっぷりの一枚について話を訊いた。

ある意味で自分も
原点に立ち返れた感覚がありました

久々のリリースにあたり、今の率直なお気持ちを聞かせてください。

配信曲やフィーチャリング曲はあったんですが、自分名義としては久々のシングルなんです。今回はタイアップというかたちで作品を背負わせていただくことができたとともに、声優としても出演させていただいているので、いろいろな側面でTVアニメ『さよなら私のクラマー』にかかわり、お力添えできるのが嬉しかったです。キャストという立場でアニメ制作の内側からかかわることができたので、また見え方も違いましたね。アフレコに携われたことでアニメ制作の指揮を見られたり、監督ともお話させていただく機会も多かったりと、制作側の雰囲気や出演陣の熱量を目の当たりにしたことが、すごく自分のモチベーションにつながりました。

「悔しいことは蹴っ飛ばせ」がEDテーマとなる『さよなら私のクラマー』の原作やアニメから感じたイメージは?

原作を読ませていただいて、漫画のタッチからエネルギーを感じる作品だと思いました。サッカーの試合の描写もインパクトや躍動感、生命力が感じられましたし。でも、その荒々しい試合の描写とは打って変わって、キャラクターたちがすごく可愛いんですよ。根性が据わっていたり、融通が利かない頑固さを持っていたり…そういう女の子たちがそれぞれの夢を持ちながら切磋琢磨して人とかかわっていく上で、サッカーを通して自分自身も成長していくのが魅力的で。女子サッカーの今と未来を考えられるような、すごく重要な作品だと思いました。アニメは色使いがとてもポップで、観ていて本当に気持ちが良いですね。サッカーの動きが分かりやすく描かれているから女子サッカーを知る入口としても入りやすいと思います。毎話続きが気になる作りになっているので、これからどんな試合が描かれていくのか楽しみです。

「悔しいことは蹴っ飛ばせ」は、疾走感のあるさわやかなギターロックチューンに仕上がっていますね。

例えばアニメのOPテーマがアップテンポで勢い良く引き込む曲だとしたら、EDテーマはしっとり緩やかなテンポになることが多い印象でしたが、この作品のエンディングはとても“動”で。だから、次につながるという意味合いが大きいのかなと思いました。初めて楽曲を聴いた時、“これはOPテーマなのでは!?”という驚きがあったぐらいで(笑)。楽曲にも“私ってこういう感じだったな”と改めて思わせてもらえたというか、ある意味で自分も原点に立ち返れたような感覚がありました。

背中を押してくれそうな前向きな歌詞も印象的ですね。

まさしく応援歌になっていますよね。お気に入りは、2番の《まっすぐに伸びた道などないから/迷いながらかっ飛ばそう》というフレーズです。スポーツをしている人じゃなくても、自分の今の心情に置き換えるとグッとくるいい表現だと思います。“こんなにも自然にネガティブをポジティブに変えてくれるなんて”と思わせてくれる楽曲と言いますか。何をするにしても個人の葛藤や戦いはあると思うのですが、成長ってやっぱり他人がいないとできないと思うので、仲間や家族、先輩後輩…聴く人それぞれの周りにいる人を意識させてくれて、シチュエーションとして広がりのある歌詞になっていますよね。

レコーディングの際にどんなことを意識されましたか?

とにかく前向きになれるようなテンションを目指して歌っていました。アニメで観て歌詞がスッと主張しすぎずに入ってくるような温度感や、歌詞自体がポジティブなので、自分がそれを強く押し出しすぎないように、心地良さを意識しました。自然と口ずさんでもらえたらいいなという想いはありました。

今作のMVはどんな仕上がりになりましたか?

ロケ地が学校で、まさに“青春!”みたいな感じです。“青春期って、こういう空間で過ごしてたな”と思い起こされるような作りになっていますね。初めてバンドのみなさんと一緒にMVに出演したのも嬉しかったです。校庭や屋上で歌ったりしていて、それが不思議な感覚でした。合間に実際の学生さんたちの部活の描写も盛り込まれているから、アニメの世界観ともリンクした仕上がりになっています。ですが、実は校庭で撮影したバンドの演奏シーンは砂埃がすごくて、撮影が終わった頃には私の白いスニーカーもビンテージものみたいな色合いになっていました(笑)。“こういうのも久しぶりの感覚だね”とバンドのみなさんとお話をしながら楽しく撮影できました。なかなかない機会なので“もう一回、学生やりたいなぁ”と思ったりもして(笑)。観ていただくのが楽しみです。
小松未可子
シングル「悔しいことは蹴っ飛ばせ」【初回生産限定盤】(CD+Blu-ray)
シングル「悔しいことは蹴っ飛ばせ」【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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