小野賢章&諏訪部順一インタビュー:
ビギナーのための注目ポイント『機動
戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は
会話劇と人間ドラマ

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の正統なる続編、宇宙世紀ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が、ついに2021年5月7日(金)より全国ロードショー。
予告2
SPICEでは、小野賢章(ハサウェイ・ノア役)と諏訪部順一(ケネス・スレッグ 役)のふたりに本作の魅力をインタビュー。初めて『機動戦士ガンダム』に触れるファンに向けて、物語の見どころや、それぞれのキャラクターの注目ポイントを語ってもらった。
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【インタビュー】新たなファンに向けて、『閃光のハサウェイ』はここに注目!
――『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、これまでガンダムシリーズに深く触れてこなかった若い層や女性も多くご覧になると思います。そんな新しいファンの皆さんに向けて、本作を楽しむポイントや見どころについてお聞かせください。
小野:これまでガンダムシリーズに触れたことがない皆さんのなかには、少し難しい印象を持たれている方もいらっしゃると思うのですが、見ごたえのある映像と音楽ですごくワクワクできるような作品になっていると思います。もちろんガンダムの前知識がなくても楽しめると思いますが、この映画には“余白”にしている部分がたくさんあって、一回観ただけでは理解しきれない内容やセリフがあると思います。ハサウェイの過去につながる歴史として、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』や過去のガンダムシリーズにも、興味を持っていただけるんじゃないかなと思っています。
小野賢章(ハサウェイ・ノア役)
諏訪部:多くのファンの皆さんに愛され、長い歴史を持つガンダムシリーズ。これまで親しんでこられなかった方は敷居の高さを感じてしまうかもしれませんが、映像的にも音響的にも非常に観ごたえがありますので、ぜひ劇場でご覧いただきたいですね。現代にも通じる社会や環境の問題が、本作の物語の背景にあります。骨太な人間ドラマとしてもお楽しみいただける作品だと思いますよ。
――オーディションを受けられた際の感想と、出演が決まった時の心境についてお聞かせください。
小野:僕はハサウェイ役のオーディションのみ受けました。あんまり気負わずといいますか……役柄的に気合が入ったセリフもあまりなかった記憶が(笑)。「これは大丈夫だ!」みたいな自信は、今回のオーディションに限らず全然ないんですが、僕がハサウェイに対して抱いた印象で演じさせていただいた結果、受かったときはとてもうれしかったです。
(c)創通・サンライズ
ガンダムシリーズで主人公を任せていただくことは相当光栄なことなので気合が入りましたが、そう思ったのは一瞬で。以降は、今もずっとプレッシャーと戦っています。今回のインタビューも含めて、プロモーションもたくさんさせていただいているのですが、ひとつ受けるたびに作品の大きさを実感しています。
「めちゃくちゃ気負ってオーディションに臨みました(笑)」
諏訪部:自分は“ファーストガンダム”と呼ばれる、第1作目の『機動戦士ガンダム』からガンダムに親しんでいる世代です。富野(由悠季)さんが書かれた小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』も30年くらい前、出版された当時に読みました。非常に思い入れがあったので、「これは絶対に出演したい!」と、賢章くんとは逆にめちゃくちゃ気負ってオーディションに臨みました(笑)。ケネス役が決定したという連絡を受けた時は本当にうれしかったですね。しかし、彼はパイロットではなく司令官。モビルスーツを操縦しないんですよ。その点についてはちょっと残念でした(笑)。
諏訪部順一(ケネス・スレッグ 役)
ハサウェイの心の闇やマフティーの面が垣間見えるために
――ハサウェイとケネスは相対するふたりですが、戦いや任務から離れてギギ(ギギ・アンダルシア CV:上田麗奈)を挟んで3人で居るときは、ONのときと異なる魅力を見せるキャラクターです。いろんな面を持つキャラクターを演じるうえで意識した点や、「こんな姿にも注目して観てほしい」というポイントについてお聞かせください。
小野:本作は3部作の第1作目ということもあり、ハサウェイに関しては基本的にブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノアという表向きで登場するシーンが多かったんですが、その裏にはマフティーの活動のために偵察している事情が隠されています。
(c)創通・サンライズ
好青年の雰囲気をまとって話していても、心では全然違うことを考えているというバランスがすごく難しかったですね。そこに関しては1つ1つのセリフに対して何パターンも試して、村瀬修功監督や録音演出の木村絵理子さんと一緒に丁寧に作っていきました。今回ハサウェイは後半にしかモビルスーツに乗っておらず、ほとんど会話を通してギギやケネスと心の裏の読み合いをしているような感じだったので、そこも難しかったです。ハサウェイ・ノアとしての爽やかさを意識しつつ、心の闇やマフティーの面が垣間見えるためにはどうしたらいいのかな? と常に考えながらお芝居していました。
――そんなハサウェイの見どころについてはどう思われますか?
小野:ハサウェイの魅力ってなんでしょうね。ずっと悩んでいるし、ずっと振り回されていると言いますか……決断力のなさや、ギギに振り回された結果、仲間が危険にさらされたりするので、彼の魅力を挙げるのが難しいんです。
(c)創通・サンライズ
なので、自分の行動が正解かどうか悩みながら、自分の正義や地球のために行動している姿、でしょうか。立ち止まれないところまで来て苦悩し、もがきながら進んでいく。応援とはちょっと違うんですが、そんな目が離せない存在だと思います。ハサウェイが悩んだり葛藤したりする姿は、観ていてモヤっとする瞬間があると思いますが、その分モビルスーツに乗り込む瞬間はスカッとしていただきたいですし、ハサウェイなりにカッコよく、観ていて気持ちよくできたらいいなと思って演じさせていただきました。
ケネスの、軍人とオフタイムのメリハリ
――諏訪部さんはケネスを演じられた際にどんなところを意識されましたか?
諏訪部:ケネスは軍隊に所属している軍人、組織人です。任務中は厳格さや冷酷さが表面に出てくることがありますが、オフタイムではむしろチャラいところもあって。そういう差をメリハリをつけて、されどひとりの人間が内包している地続きのものとして表現することを意識しました。
――ケネスのシーンで注目してほしいポイントを教えてください。
諏訪部:本作はSF作品ではありますが、海外ドラマのような雰囲気の、小粋な会話を交わす日常のシーンなどもあります。そういった掛け合いは演じるのも非常に楽しく。ぜひご注目いただきたいですね。
ギギの存在は、小野&諏訪部も「怖い」
(c)創通・サンライズ
――ハサウェイとケネスの心を惑わす、魅力的な存在として登場するギギ。女性でもドキドキしながら見とれてしまうキャラクターでしたが、小野さん・諏訪部さんがギギの言動でぐっときたポイントがあれば教えてください。
小野:ギギって……怖いですよね(笑)。ハサウェイ自身ずっとモノローグでギギを警戒していて、それでも惹かれていくわけですが……。やっぱりハサウェイの立場だったら、ギギの存在は本当に怖いだろうなと思います。じつはハサウェイの正体がマフティーであることがバレていて、「監視されているんじゃないか?」と警戒する気持ちはよく分かります。
その反面、ギギの言葉にパワーがあることも確かで。ハウンゼン356便の機内で偽マフティーの襲撃を受けた際、ハサウェイにかけるとあるセリフはすごく印象的でした。ギギは大人っぽい側面と子どもらしい面を持ち合わせていて、このセリフにはそんな彼女の純粋さみたいなものが出ているなと思います。我々大人は、自分の発言によって事態が悪くなるかもしれないと考えてしまいますが、子どもは思ったことを素直に言葉に出せますよね。ギギもそれと同じで、自分が思ったことをポンポン言えるところに魅力があるのかもしれません。
(c)創通・サンライズ
――ちなみに、小野さんご自身が、つい心を惑わされてしまうアイテムや趣味はありますか?
小野:最近心を惑わされたもの……なんですかね。僕は最近ずっとゲームをやっているので、ゲームに心と時間を奪われっぱなしです(笑)。もともとは全然ゲームをやらなかったんですが、ここ2~3年はずっとやっていて。どんどん上手くなりたいという気持ちが芽生えてくるので、時間泥棒ですね(笑)。
「怖ろしくて近寄りませんね、自分だったら(笑)」
――諏訪部さんはギギについてどんな印象を抱かれましたか?
諏訪部:ギギ、本当に怖いですよね。
――諏訪部さんも小野さんと共通認識ですか?
諏訪部:無邪気さ故か、思慮深さ故か、大人の分別の裏にある隠しておきたい本心を暴くような言動を彼女はするんですよね。なんとも御しがたい存在です。男を振り回して破滅させる、ファム・ファタールのような危うい魅力を持った女性。そんなギギを、ケネスは自身にとっての「幸運の女神」と言ったりするんですよ、僅かな時間を共有しただけで。確実にヤバいです。怖ろしくて近寄りませんね、自分だったら(笑)。
――諏訪部さんが私生活で惑わされたものはありますか?
諏訪部:近年ふたたびブームになっていることもあり、スニーカーに対する愛情が再燃しております。30年来の愛好家ではあるのですが、このところ新作の購入ペースが上がってしまっていて。アカンという思いはあるのですがついつい……。でもプレ値では絶対に買わないようにしています(笑)。
――公開延期を経て、ついに5月に公開を迎えます。ファンの皆さんに向けて、メッセージをお願いします!
小野:『機動戦士ガンダム』について、詳しくなくても十分楽しめると思いますし、知識があればさらに楽しめます。スルメのように、噛めば噛むほどといいますか…(笑)。考察の余地をすごく残している作品なので、詳しい方にとっても何度観ても楽しめる内容になっていると思います。「あのセリフの意味って……」と、観た方同士で語っていただけたらなと思いますし、大人な作品になっていますのでちょっとドキドキするシーンもあります。とっても見ごたえのある作品ですので、ぜひ大きなスクリーンと良い音響環境で鑑賞していただきたいです。
諏訪部:何はともあれ、すべては貴方の目で、耳で、判断していただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!
取材・文=本多恵、撮影=池上夢貢、構成=実川瑞穂、ヘアメイク=齋藤将志(小野)・北原由梨(諏訪部)、スタイリスト=DAN(小野)、
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、2021年5月7日(金)全国ロードショー。

SPICE

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