林原めぐみ

林原めぐみ

ど新人の時にもらったひと言が
今につながっている

もうひとつ林原めぐみさんに外せないのがラジオだと思いますが、『林原めぐみのTokyo Boogie Night』が1月24日で放送回数1500回を達成し、ファンとの交流や、時代の移り変わりもラジオを通して感じられることが多い中、林原さんにとってのラジオはどんなものなのでしょうか?

今を知るための場所という感じかな? 後輩にどうやったらラジオをうまくできるのかを訊かれたことがあるんですけど、私はうまくやろうとは一度も考えたことがなくて、やりたくて仕方ないからやっているだけなんです。この番組には構成作家さんは必要ない。お便りを選ぶのも順番を決めるのも全部私なんですね。全部に目を通してるからこそ、学ぶし、笑うし、一緒に考えられるし、書ける詩がある。勉強のために読むんじゃなくて、そこにあるお便りは読みたくてしょうがないんです。ラジオで読んで、それに対してリスナーから返しが来る、本当に交流の場ですね。ラジオを1500回やったんじゃなくて、数えきれないメールとお便りに目を通しただけって感じ。それが喜びだから。

そんなリスナーやファンの方々も含め、たくさんの方と出会ってきた林原さんにとってのキーパーソンはどなたですか?

間違いない人がひとりいて、音響監督の斯波重治さん。白黒テレビの頃からずっとやってらっしゃる方で、アニメ『めぞん一刻』『らんま1/2』『小さなアヒルの大きな愛の物語 あひるのクワック』と随分お世話になったんですが、最初に演出してくださった音響監督が斯波さんだったから今の私がいると思ってます。『めぞん一刻』の時はまだ私は看護学生で、第一話の収録が終わった時に、卓のミキサールームから斯波さんが降りて来てくださって“君は看護学生なんだって? 今後どうするの?”って訊かれたから、“免許を取って、最終的にはこの業界に入りたいと思っています”と答えたら、まだ第一話で“なんだ、あの犬?”しか言ってないのに“君はやっていけると思うよ”って言ってくださったんです。そのひと言で全部もらった感があったというか、神谷 明さんや島本須美さんもいらっしゃって、“斯波さんがそういうふうにおっしゃるのはすごいことよ”って、ど新人なのにみなさんが温かい声をかけてくれて。そこが全ての始まりですね。その後も演出で私が気づかない細かいところを指導してくださって、それは仕事として当たり前のことだったのかもしれないけど、ちゃんと私が理解する言葉に噛み砕いて演出をしてくださって。音響監督の三間雅文さんも斯波さんの教えを非常に継承している方で、三間さんとは『ポケットモンスター』もそうだし、『からくりサーカス』や『ちはやふる』もご一緒できて、それも斯波さんからつながっているなと思います。

取材:千々和香苗

林原めぐみ プロフィール

ハヤシバラメグミ:声優・シンガー・ラジオDJ ・作詞家・エッセイストであると共に一児の母。1986年、看護学校及び声優養成所在籍中に『めぞん一刻』でアニメデビュー。その後、数々の人気アニメのキャラクターを担当しており、現在の代表的な出演作品およびキャラクターは、『スレイヤーズ』のリナ=インバース、『エヴァンゲリオン』シリーズの綾波レイ、『ポケットモンスター』のムサシ、『名探偵コナン』の灰原 哀等。また、シンガーとしても活躍し、91年3月に1stシングルとなる「虹色のSneaker」をリリース。当時はまだ珍しかった“声優アーティスト”という存在を世に知らしめた立役者とも言える。オフィシャルサイト

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