森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』が
舞台化決定! 脚本・演出は上田誠、
「先輩」に中村壱太郎&「黒髪の乙女
」に久保史緒里(乃木坂46)

2021年6月、森見登美彦の人気小説『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫刊)が舞台化されることが決定した。脚本・演出は、ヨーロッパ企画代表の上田誠。東京・大阪で上演される。
原作は、2006年に刊行され、「第20回山本周五郎賞」を受賞(2007 年)し、累計発行部数160万部を記録しているベストセラー作品。京都を舞台に、後輩である「黒髪の乙女」に想いを寄せる「先輩」が、彼女の目に留まろうと日々奮闘しながら様々な騒動に巻き込まれる様を描いたストーリーだ。昨年(2020年)8月に森見登美彦が、自身の小説「四畳半神話大系 」(角川文庫)と、劇団ヨーロッパ企画の代表作、舞台『サマータイムマシン・ブルース』のコラボ作品「四畳半タイムマシーンブルース」(KADOKAWA)を刊行したことに対してのアンサーとして、今回の上田脚本・演出での舞台化、上演となった。
『夜は短し歩けよ乙女』キャスト
注目のキャストは、後輩との距離を一向に進展させることができない「先輩」役に、故・四代目坂田藤十郎を祖父に持ち、幼い頃よりその薫陶を受けてきた若きプリンスで、上方歌舞伎の花形俳優・中村壱太郎(なかむら・かずたろう)が上田作品に初見参。本作のヒロイン「黒髪の乙女」役 を、国民的アイドルグループ・乃木坂46 の次世代エースとの呼び声も高い、久保史緒里(くぼ・しおり)(乃木坂46)が務め、初めてグループメンバーのいない舞台に挑む。そして、役者として舞台や映画にドラマなど様々な作品に出演するほか映画監督としても活躍している竹中直人(たけなか・なおと)に、舞台の演出もこなし芝居だけでなくバラエティーでの人気も高い 鈴木砂羽 (すずき・さわ)が脇を固め、さらには玉置玲央(たまおき・れお)、白石隼也(しらいし・しゅんや)、尾上寛之(おのうえ・ひろゆき)といった実力派に加え、ヨーロッパ企画劇団員 や本公演常連キャストも大集合する。豪華キャストが勢揃いし、ファン必唾の森見登美彦(原作)✕上田誠(脚本・演出)タッグで贈る本作に期待したい。
舞台化にあたり、中村壱太郎、久保史緒里、森見登美彦、上田誠よりコメントが到着した。
中村壱太郎<「先輩」役>
この度『夜は短し歩けよ乙女』へ出演のお話をいただき、ただただ最初は驚きでした。
これまで歌舞伎の舞台にては女方の役がほとんど、他の舞台や映像への出演も少ない自分です。
「何故だ!?・・・・・まさか乙女役(女方にて)!?」と、本気で思ったほどです。
詳しくお話をうかがいまして、先輩の役にて新たな世界へ踏み出せますこと、とても楽しみであり、不安でもあり、ワクワクドキドキです!
『夜は短し歩けよ乙女』の持つ言葉の面白さ、不思議な世界に生きる純粋な先輩を表現できたらと意気込んでおります!お願いいたします!
久保史緒里(乃木坂46)<「黒髪の乙女」役>
今回のお話をいただいたとき、この壮大な世界が、舞台上でどのように展開されていくのか、とてもワクワクしました。私は「黒髪の乙女」を演じさせていただくのですが、最初に聞いたときは、嬉しくもあり、プレッシャーもあり、私に務まるかなという不安を抱えましたが、原作を読むほどに、そのあまりにも素直で純粋な乙女のことが、私は大好きになってしまったので、今はそれを損なわないように演じきりたいという気持ちです。そして「乙女」の周りにいる人々との関係性がとっても魅力的な作品なので、稽古の中で、皆さんと一緒に「乙女」を育んでいきたいと思います。たくさんの方々に愛していただける舞台になるよう、私も乙女と一緒に歩みたいと思います!
精一杯がんばりますので、応援よろしくお願いいたします。
原作者:森見登美彦
森見登美彦
「夜は短し歩けよ乙女」は私の出世作であり、この作品がなかったら現在の森見登美彦はないでしょう。徹頭徹尾ハチャメチャで、夢と現実が入り乱れ、豪華絢爛でありながらみみっちい……かくも純粋無垢な現代の御伽噺は、書こうと思って書けるものではありません。私はこの作品を今では「天からの授かり物」と考えるようになりました。そんな愛娘のような作品が舞台化によってふたたびスポットライトを浴びるのはたいへん嬉しいことです。厄介な作品なので一筋縄ではいかないに決まっていますが、手がけるのが上田誠氏ということで、何も心配しておりません。上田氏は原作者の私よりも 「夜は短し歩けよ乙女」と長く深く付き合ってきた人物であり、この奇天烈なる乙女の世界的権威と言っても過言ではないからです。幕が上がるのを楽しみに待ちたいと思います。
脚本・演出:上田誠
上田誠
森見さんから愛娘たる作品を預かりました。箱入り娘かと思いきや、これがたいへん爛漫で健脚で、ひとときとして同じ場所へとどまらないような歩きぶりなのですから大変です。
去年、森見さんが、僕らの演劇作品を下敷きに「四畳半タイムマシンブルース」という小説を書かれ、そのときに、群像劇のやかましさをどう文章で再現するか、たいそう悩まれたと聞きました。
たしかに一人称で書かれる森見さんの小説とは対極のような劇でしたから、無理筋なのはそりゃそうか、と思っていたら、できた作品には、我々のわちゃわちゃが見事に 閉じ込められ、それが四畳半のあのキャラクターたちによって数段にぎやかに演じられ、さらには森見さんの小説でしかたどり着けない夏の夕暮れのエモーションへどーんと持っていかれました。まいったな、と思っていたら、こんどは森見さんの「夜は短し歩けよ乙女」を、舞台化させていただける好機を授かりました。
チャンスはピンチです。森見さんの縦横無尽に走る筆の行方を、乙女がどこまでも歩くそのさきざきを、舞台でどこまで追いかけられるのか。夜の先斗町を音もなく走ってくる絢爛な三階建て電車は演劇で可能なのか。「樋口式飛行術」ってどうやるのか。「詭弁踊り」の振り付けは。「韋駄天コタツ」の動力は。課題が具体的に山積みです。
作中の「先輩」のような執念でもって追いつき、最後には乙女と大文字から昇る鮮烈な朝日を、舞台上で眺める所存です。

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