古川慎 インタビュー:初のオンライ
ンライブ開催「ステージという劇場で
、どんな物語をお届け出来るだろうか

古川慎が、初のオンラインライブ『MAKOTO FURUKAWA Streaming Kinema "from fairytale"』を2021年4月18日に開催する。イープラス「Streaming+」でも配信される本公演は、2020年12月にリリースした1stアルバム『from fairytale』をひさっげて行われる、初のワンマンライブだ。
SPICEでは、本公演への意気込みをインタビュー! 古川が「欲が増えた」と語る1stアルバム『from fairytale』や、自身にとってのライブの魅力について語ってもらった。
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【インタビュー】ステージという劇場で、どんな物語をお届け出来るか
――ついにソロライブが開催されますが、改めて音楽活動を振り返ってみていかがですか?
CDデビューをさせていただいた当初は、とにかく一枚一枚が挑戦の積み重ねでした。「いつかソロライブができたら」というのも、まだまだ夢物語で。「こうなったらいいな」という想いはあるものの、自分でも辿り着く先がどうなるかわかっていなかったんです。だから、2ndシングル『地図が無くても戻るから』で『ワンパンマン』のEDを、3rdシングル『本日モ誠ニ晴天也』で『啄木鳥探偵處』のOPを歌わせていただけると聞いた時は驚きましたし、とても嬉しかったです。4月のライブを終えた後がどうなるかはまだ僕自身もわからないですが、その時々で見えたもの、気づいたことを吸収して、いただいた機会にひたすら全力で挑戦していきたいと思っています。​
――確かに、毎回全力だからこそ、まったく違う方向や濃い世界観を見事に表現されていますよね。
濃い世界観と言っていただけるのは、自分の中で型や方向性を限定していないからかもしれません。楽曲ごとに違った世界や表情をお見せできるのが、僕のひとつの強みなのかなと思います。
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
「ある意味で、欲が増えたとも言えますね」
――音楽活動を始めてから、ご自身のなかに変化はありましたか?
作詞をするようになったので、フレーズの持つ魔力……俗にいうパワーワードに敏感になりました。普段から、「このフレーズを歌詞に使えたらかっこいいな」とメモしたり、アフレコ台本を読んでいる時に「このセリフ韻を踏んでるな」と気づいたりするようになったんです。その視点を持てるようになったのが面白いですね。​
――キャラクターソングの収録でも、新たな気づきはありましたか?
キャラソンはキャラクターとして歌うのでアプローチは違いますが、自分の音楽活動にも活かせるものがないか、発見しようとするようになりました。このテイストなら、自分の引き出しのなかにあるこのスキルを使えばもっと魅力的にできるんじゃないかなとか。以前まで、キャラソンはあくまでもキャラクターの一部のように思っていたんです。でも音楽活動を始めてからは、楽曲そのものにもより注目するようになりました。そう考えると、新しいことにチャレンジさせていただけたからこその、発見の連続でしたね。ある意味で、欲が増えたとも言えますね。​
――まるで新しいおもちゃをもらった子どもみたいな。
でもそのおもちゃが、目の前にあるのになかなか手が届かなかったりするんですよね(笑)。それに、「いいな」と思ったものがあったからといって、それとまったく同じことをやっては意味がないですし、なかにはまだショーウインドウの向こう側にあるものを、ただ眺めているだけのものもあります。そういうときは、楽曲そのものではなく自分の歌い方にニュアンスを入れてみたりすることも。
生活の一部になるような音楽は、目指していない
古川 慎 / 1st ALBUM「from fairytale」Highlight Medley(試聴動画)
――1stアルバム『from fairytale』は、「欲が増えた」というのがしっくりくるほど、濃い1枚になりましたね。
聴くと疲れるアルバムですよね(笑)。でも、一曲一曲がどんなに濃い世界の楽曲でも、“fairytale”(おとぎ話)という言葉は受け止めてくれるんです。間口の広い言葉なので、アルバムのコンセプトにぴったりだなと思いタイトルに入れました。おかげで、いいオムニバスアルバムになったかなと。​
――決して、生活の一部として聴く作品ではなく、じっくり楽曲に酔いしれながら聴くタイプの作品。
そうですね。生活の一部になるような音楽は、僕は目指していないんです。CMソングみたいに、BGMとして流し聴きできるタイプの曲よりも、インパクトのある曲のほうが心惹かれます。僕自身が、のめりこんで聴いたほうがいろんなものを感じられるタイプなので、聴くにも歌うにも、濃い目の味付けの曲が好きなんです。聴いてくださる皆さんも、ぜひ楽曲に浸っていただけたらうれしいです。​
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
――1月の配信イベントで、実際にアルバムの楽曲を歌ってみていかがでしたか?
ライブってやっぱり楽しいなと。自分で書いた歌詞なのに、ルビをふっていなかったため読み方が分からなくなるというハプニングもありましたが……(笑)。、観てくださった方にはごめんなさいとしか言えないです……!​
――そこで、ジェスチャーで「ごめん!」と素を見せてくださる感じも、ファンにとってはライブならではのうれしいサプライズです。
そう思っていただけると助かります(笑)。お手紙やリプライで「歌詞にルビを振ってほしい」という声をいただくことが多いのですが、「ルビなんてない方がかっこいいじゃん!」と思っていたんです。でもルビを振るのも大事だなと、あの日実感しました。​
ライブでは感情を表現することを優先
――レコーディングで歌うのと、ライブで歌うのとでは、また変わってくるのでは?
レコーディングの際は、作品を作る以上、丁寧に収録していくのですが、ライブはそれから解放されるんです。もちろん音源と同じように正確に歌えるに越したことはないのですが、僕はライブでは感情を表現することに重点を置いているので、レコーディングとは違った楽しさがあります。丁寧に収録していたときには思いつかなかったアレンジが、ライブで歌っている最中に思いついたり、それを実際に試してみたりすることもできるんですよね。ライブの流れや会場の空気感があるからこそ見えるものを、その瞬間試せるのが楽しいです。​
――確かに、ライブでちょっとメロディを変えて歌ってくれたり、その日にちなんだ歌詞にアレンジしてくれたりすると、めちゃくちゃテンションがあがります。
収録物は収録物ですからね。音源そのものを聴きたい場合は、CDで聴いていただくのが一番確実。ライブは何曲も続けて歌うので、どうしても喉や体力、その日のコンディションもあって、音源そのものを再現することは難しいんです。でもその代わり、その日その瞬間ならではのものがお見せできます。そうやって僕自身もライブを楽しみたいですし、お客さんにもライブならではのものを楽しんでほしい。それがライブの一番の醍醐味ですから。生だからこそお届けできるパフォーマンスをするぞ!と、僕自身も気合が入ります。​
――リスナー側も、何度も聴いていた曲なのに、また新たな魅力を発見できますしね。
ただ、歌詞が読めないのはダメですね(笑)。
――(笑)。そこは「こんなにかっこいいのに、かわいい部分まで見せてくれるなんて、ずるいな~」と、楽しんでくださるはず。
ありがとうございます(笑)。今まで、いろんなステージに立たせていただきましたが、いつも観てくださっている皆さんなら、アレンジを入れてみたりフェイクを入れてみたりと、僕が楽しんでいる姿を「ああ、いつもの古川だ」と、きっと受け入れてくださると思うので、思う存分できたらいいなと。​
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
生バンドのアレンジがたまらない!
――生バンドで歌うだけでも、確実に音源とは違いますしね。
生音はやっぱりかっこいいですよね。『おれサマー』や『おれパラ』でも生バンドで歌わせていただきましたが、CD音源とは違う編成だからこそ、『おれサマー』アレンジ、『おれパラ』アレンジになるんです。そのアレンジがまたかっこよくて……! もともとの音源ももちろん素晴らしいのですが、僕はバンドアプローチが大好きなので、そこでさらにテンションがあがりました。だからなるべくリハもやりたくなくて。​
――そうなんですか!?
僕は、音がそろった一発目が一番気持ちいいと思うんです。ダンスはしっかりリハができたほうがいいのですが、音に関しては感覚なので、熱いうちに発した方が、気持ちもノってきますし。だからアフレコでも、テストでやった芝居の方が本番よりよかったりすることも(笑)。リハを重ねれば重ねるほど、「あの時のあの感じでやらなきゃ」という意識が働いてしまい、楽しさが減ってしまう気がします。​
――ああ、狙ってしまうからかもしれないですね。
たぶんそういうことなんだと思います。何も狙わず、一番自由にできる一発目の感覚を、二回目以降もガンガン研ぎ澄ましていけるようになりたいです。​
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
――ちなみに4月のオンラインライブのバンド編成はどのような感じに?
CDのレコーディングに参加してくださったバンドの皆さんが来てくださるそうなんです。だから、「楽器隊の音は全く問題ないはずだよ」とスタッフさんから言われました。僕自身がどうなるかはわかりませんが(笑)、とにかく楽しそうだなと。​
自身が「こういうライブが観たい!」と思うセットリスト
――「Streaming Kinema」というタイトルのオンラインライブですが、コンセプトについてはいかがですか?
もし有観客でのライブだったとしたら、“Kinema”とはつけなかったと思います。今回は配信ライブという形で、アルバムの物語を画面を通して観ていただくので、そこから“Kinema”と名付けました。イメージとしては、ドライブインシアターに近いのかもしれません。​
『MAKOTO FURUKAWA Streaming Kinema "from fairytale"』
――セットリストはどんな感じでしょうか(取材は3月上旬時点)?
僕が日和らなければ、いま決まっているセットリストのまま行くことになるはずです(笑)。僕がいち観客だったとして、この楽器隊がいるならば、「こういうライブが観たい! こういうライブならかっこよさそう」と思うセットリストになっています。​
――古川さんの理想のセットリスト! それは楽しみです。
あとはそれを歌いきるだけの体力をつけなければな、と。一曲一曲のカロリーがすごいので、こちらもアドレナリンを出して挑みます!客席の皆さんの声に助けてもらうことができない以上、僕や楽器隊、スタッフさんが、それぞれの仕事を全力でやり切ることができるかが勝負だなと。
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
完璧さを追求することより、たとえヘロヘロだろうといかに全力のものをぶつけられるかが、ライブをやる意味だと思っています。結果がどうなるかではなく、とにかくやる、とにかくチャレンジすることが僕のなかでは大きくて。観てくださっている皆さんに、何かしらのものを投げるので、画面越しではありますが受け取っていただけたらうれしいです。それができさえすれば、僕らとしては勝利。それ以外のことは、あまり考えていないんです(笑)。僕がやりたいことを自由にやらせていただいて、それをいいなと感じていただけたら、それだけで満足。うまくいくかどうかでピリピリする必要がないからこそ、より大きなものがお見せできるんじゃないかと思います。​
憧れのスタンドマイクは……
――演出面についてはいかがですか? 古川さんといえば、スタンドマイク使いが印象的ですが……。
スタンドマイク、難しいんですよ! 森久保(祥太郎)さんのスタンドマイク使いがものすごくかっこいいので、先輩のライブ映像を見てパフォーマンスを勉強させてもらっています。GRANRODEOさんのライブ映像もそう。KISHOWさんの使い方もやっぱりかっこいいんです。​
――めちゃくちゃロックなおふたりですね!
ちなみに今一番欲しいのは、フレディ・マーキュリーが使っていた長さのスタンドマイクなんです。
――普通のスタンドマイクと違って、ボトムレスでちょっと短いタイプですね。
杖みたいで、あれを使ったら面白そうだなと。どうしても片手が開いていると動いてしまうので、見ていてうるさい気がして。その点、スタンドマイクがあると、手が落ち着く場所ができるのでちょうどいいんです​。
――古川さんの音楽性もあって、スタンドマイクのおかげでエロさが増すのが素晴らしいなと。
あ~それはたぶん、古川のあまり見せてはいけない部分が出ちゃっているのかも(笑)。それを皆さんがフィルターをかけるなりして、いい意味で受け取ってくださっているなら、ありがたいです。
「切嵌とfairytale」MUSIC VIDEOより
非日常の空間で、いい球を受け取ってほしい
――ファンのには、今回のオンラインライブをどんな風に楽しんでほしいですか?
初っ端から祈っていてほしいです(笑)。祈りつつ、僕がいい球を投げたときは受け取ってくださるとうれしいです。大変かと思いますが、何卒よろしくお願いします! 初めてのソロライブ、しかもオンラインで、僕にとっては未開の地。僕自身もお客さんも、古川のソロライブは初めてである以上、うまくいくことを祈りつつ楽しむ以外ないと思っています。​
――改めて、古川さんにとってライブの魅力とは?
僕にとってライブとは、非日常の空間なんです。アンプから聞こえてくる重低音や、耳が割れるような大音響、ステージ上でのパフォーマンスなどなど、普段の生活では簡単に味わえないものばかりですよね。その非日常な部分を求めて、ライブ会場に足を運んでくださっている方も多いと思います。僕は、その空間の一部になれることに魅力を感じます。ライブとは、ステージという劇場で僕がひとりの登場人物になるということ。主人公なのか脇役なのか、はたまた舞台装置なのかはわかりませんが、どんな物語をお届け出来るだろうかと、楽しみで仕方ないです。​
――最後に、ファンへのメッセージをお願いします!
ついにソロライブを開催させていただくことになりました! 画面を通してお伝えできる古川慎の今の全力を、出し尽くします。僕だけでなく、スタッフさんもライブが成功するよう動いてくださっているので、それに僕が負けるわけにはいかないと思っています。皆さんも一緒にライブを楽しんでいただけましたら、ありがたいです!​

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