ハナレグミ『START UP!!-ロックの春
2021-』ライブレポートーー曇りのな
いまっさらな心に磨き上げるサニーな
歌声が充満

『START UP‼️-ロックの春2021-』のステージも残すところあと3組。04 Limited Sazabysがフェスの醍醐味を取り戻すかのような観客と渾然一体となったパフォーマンスで魅せたあと、WEST UP!! STAGEに舞い降りたのはハナレグミだ。バンドセットを伴ってのステージであるこの日。その翌日である3月31日に発表した8thアルバム『発光帯』から、タイトルチューンを1曲目にお披露目してくれる。
ハナレグミ
「昨年1年、どれだけ何気ない時間が大事だったのかということを皆さんも考えていたと思います。そういう悩んでいる姿は、誰かにとって心強い背中なんじゃないかなと思った瞬間があって」と導く、幽玄なバラッド。また一つ、ハナレグミがタイムレスな名曲をもたらしてくれたと強く実感する。
ところで、季節は待ちわびた春。春といえばFM802春の風物詩『ACCESS!キャンペーンソング』の2020年版にて、奥田民生が作曲を担い、ハナレグミが作詞した「僕のBUDDY!!」も記憶に新しいところだ。「フェスでも披露する予定があったのですが、機会がなくなってしまい。もうそろそろ次の曲が始まる時期なんですけど(笑)」と、はにかみながら、嬉しい大阪での初披露が実現! 春風の爽やかさを音に託し、ラジオの相棒感を軽やかに歌い上げる。昨年からFM802で耳にしたオーディエンスも多かったようで、大観衆がゆったり身を揺らす光景からは、すっかりこの曲が大阪に馴染んでいたことがよく伝わってくる。そこから流れるようにつなげた「明日天気になれ」は、屋内の会場であることを忘れてしまうほどにサニーな手触りで、ハンドクラップが自然発生する何ともハピネスな心地に。
ハナレグミ
と、ここでグルーヴィーなリズムに合わせ軽快なステップを踏むハナレグミ。
「フェスというものは、皆さんの愛情で出来上がってますからね。クラップユアハンズ!」と得意のファンキーモードへスイッチさせ、お次は「独自のLIFE」を放出! エネルギッシュなラップパートでも盛り上げながら、いよいよエンディングへと向かう。
「ということで最後の曲になりました。こういう時間ももしかしたら来年ぐらいには普通になっているかもしれません。だから思い切り楽しめたらいいですね。たくさん人がいるのに無言ってすごいですね(笑)。こんな時間はもうないぜ!」
ハナレグミ
そんな、いろんな不満も不安も蹴飛ばす言葉に救われた人も多いかもしれない。エンドロールとなった「家族の風景」ではその温かな歌声で、私たちを曇りのないまっさらな心に磨き上げてくれたハナレグミ。終わった瞬間からまた会いたくなる、聞きたくなる……そんな彩り豊かな時間をもたらしてくれた。
ハナレグミ
取材・文=後藤愛 撮影=渡邉一生

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