【PLASTICZOOMS インタビュー】
ポップを交えたロック、
ニューウェイヴで
世界中に行くというのが目標です
僕が死んだあとに何が残るのか?
それはずっと思っていること
「Amorphic」と「Fall Down」はヤマジカズヒデさんがギターで参加しているんですね。ものすごく生々しい質感の音が鳴り響いていてシビれました。
Sho
僕も録音の時レコーディングなのかライヴなのか分からないくらい興奮しました。ヤマジさんはすごいです。
以前から交流があるそうですね。
Jun
はい。ヤマジさんとは日本でも何回かdipと共演したことがあるんです。僕らがベルリンにいた時にヤマジさんも来て、その時も一緒にやりましたし。
Sho
ヤマジさんが中村達也さんや堀江博久さんとかと一緒にやっているバンドとベルリンでライヴをやったこともあるんです。
ヤマジさんが弾いた「Amorphic」や「Fall Down」も異彩を放っている前半を経て突入するアルバムの後半は、すごく胸に染みますね。終盤の3曲「Into The Colors」「The Letter」「You Arenʼt Alone」に辿り着いた頃に、何とも言えず穏やかな空気に包まれることができる作品だと思いました。「The Letter」がまさにそうですが、未来へのメッセージみたいなものも今作で描いていますよね?
Sho
はい。“僕が死んだあとに何が残るのか?”っていうのは、中学生くらいの頃からずっと思っていることなんです。「The Letter」はシャワーを浴びている時にコード進行が出てきて、身体が濡れている状態のまま飛び出してギターのジャックを挿して録ったデモがもとになっているんですけど、歌詞も一発で降ってきて。“これ手紙になるかも!?”って思ったんですよね。
未来への手紙?
Sho
はい。僕らが死んだあとも物は残るので、その時に聴いてくれた人が“この曲、自分に言ってくれているのかもしれない”って感じてくれたらいいなと思って。
リスナーとしてもそう感じることってありますよね?
Sho
ありますね。“この時代にこう言っているのって早いな”とか“時代は回って繰り返されているのかもしれない”と感じますから。人間を愛すことや、誰かとの関わり方の中で生まれる感情って、どの時代も根本的には変わらないんだと思います。だから、アンダーグラウンドで活動している自分たちがこういう手紙を残すのって、とても重要なことなのかもしれないですね。
人間の感情の普遍的な部分に触れると“こういうことを感じるのは自分だけじゃないんだ”って思いますし、それは救いを見出せる体験ですよね。
Sho
そうですね。このアルバムの全部の流れを経て、最後の曲の「You Arenʼt Alone」を聴いて“あなたはひとりじゃない”って気づいてくれたいいなと思っています。
さて。こうしてアルバムがCDとしても世に出ますし、本来であれば海外公演も含めたツアーをやりたいところだと思いますが…そうもいかない状況が続いていますね。
今後の動きに関してはポップアップストアをやるんでしたっけ?
Sho
はい。4月2日から4月4日にかけての3日間、原宿のA STORE ROBOTでやります。あと、収録した映像の配信もしてアーカイブが一週間残ります。生の配信ライヴの良さもありますけど、音質の課題もあると思っていて。だから、残るものとして映像を撮りたくて収録を選びました。ミックス、マスタリングまでしっかりやっているんですけど、今回のアルバムと同じエンジニアにお願いしたんです。
Jun
アルバムの制作チームと同じなんです。だから、僕たちの世界観をしっかり分かってくれているんです。
Sho
こういう状況ですけど、これからも狭くないやり方をしていきたいですね。
取材:田中 大
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アルバム『WAVE ELEVATION』2021年3月31日発売
Wiggles & Jiggles Records
プラスティックズームス:2009年より活動開始。フロントマンSho Asakawa(Vo)を核とした、音楽とファッションを同列に捉えるプロジェクト。DIY精神に拘り続け、全世界を視野に入れて活動する姿勢は、バンドとしても新しい立ち位置を確立している。20年には自主レーベル『Wiggles & Jiggles Records』を立ち上げ、型にはまらない活動での可能性を追求し続けている。PLASTICZOOMS オフィシャルHP
【Wave Elevation】
Streaming Release Party
「The Letter」MV
「Push n Drive」MV
アルバム『WAVE ELEVATION』トレーラー