あっこゴリラ×Kroi 音楽遍歴や音楽
的共通点、配信イベントを語る【『S
ONAR×SPICE』特別対談】

この春、J-WAVE「SONAR TRAX」とSPICEががっちり手を組んだ、新たな配信イベントがキックオフする。『SONAR✕SPICE-J-WAVE SONAR TRAX SHOWCASE LIVE with SPICE-』は、ニューカマー・アーティストを毎月セレクトするラジオプログラム「SONAR TRAX」と、イープラスのエンタメ特化型情報サイト・SPICEが要注目アーティストを紹介する「HOT SPICE21」との連動企画。3月15日(月)21時から開催される第一回の出演は、MCにJ-WAVE「SONAR MUSIC」ナビゲーターのあっこゴリラ、そしてライブゲストはKroi、Chilldspot、Doulと、ブレイク待ったなしの期待の3組。ラジオ放送、ライブハウスの生ライブ(無観客)、Streaming+による配信(有料)が同時進行し、インタビューや楽屋トーク、アフタートークなど、3時間にわたるライブ&トークがたっぷり楽しめるはずだ。未だかつてないイベント開催を前に、あっこゴリラと内田怜央(Kroi)の対談を通して、互いの音楽遍歴や音楽的共通点、そしてイベントへの意気込みについて語ってもらった。
――お二人は、会うのは何回目ですか。
あっこゴリラ:番組にもけっこう出てもらってるし、配信ライブもご一緒させてもらったし、もう何回も会ってるよね。
内田怜央:去年の8月ぐらいに初めて、イベントでツーマンをやらせてもらって、そこで初めてお会いしたんですけど。コロナになってから一発目のライブで、演者同士の距離感がわからなすぎて、全然お話できなかったんですよ。そのあと、番組に出させてもらって、トークしました。普通に、バンドの経緯をお話させてもらったと思います。
――あっこさんからKroiについて、第一印象は?
あっこゴリラ:第一印象は覚えてないんですけど、やんちゃな感じでしたね。いい感じで、大人をなめてる。これ、ディスじゃないですよ?
内田:はい。(笑)
あっこゴリラ:あんまり大人な感じで来られると、テンション下がっちゃうタイプなんで。半分ぐらい、大人をなめてる感じの印象でした。実際は知りませんけど。(笑)
内田:僕ら、写真の印象とかだと、怖いとか思われるんですけど、メンバーはみんなキャピキャピしてます。俺も含めて。
あっこゴリラ:かわいいよね、みんな。しゃべりやすい。Kroiがゲストだと、今日は楽ちん、みたいな。
内田:うれしい。僕はあっこさんの音源、めちゃめちゃ聴いてたんで。
あっこゴリラ:マジですか? うそー。うれしいんだけど。
内田:聴いてますよ。最初はそれこそ、YouTubeとかサブスクで、音楽をディグってたんですよ。学生時代に。その時に、自分が聴いてる音楽に関連した形で、あっこさんの曲が出てきてたんで、聴いてました。
あっこゴリラ:Kroiって、年齢バラバラなんだよね。(内田が)一番若いんだよね?
内田:そうっす。今年、22の年です。
あっこゴリラ:めちゃめちゃ若い。Z世代だ。
内田:あっこさんのライブを初めて見た時、めっちゃ喰らいました。その、8月のイベントで初めて見させてもらったんですよ。バックのメンバーの方に、ちょっと知り合いがいたりして、始める前からウキウキになっちゃって、見たら、これはヤバいぞと。あんなに、生楽器でボリューミーに、トラックに負けないライブができるのって、めちゃめちゃすごいなと思った。あっこさんのライブの見せ方、取り組み方もそうだし、バックのメンバーのスキルの高さもすごくて、ショーとしてめちゃめちゃ面白いなと思いました。
あっこゴリラ:ありがとうございます。メンバーに伝えます。
あっこゴリラ「TOKYO BANANA 2021」
――両者の共通点って、どんなところだと思いますか。
あっこゴリラ:髪が緑。(笑)
内田:最初にお会いした時に、嫌われないかな?と思ったんですよ。パーティーに行った時に服がかぶっちゃった、アメリカのドラマみたいな感じにならないかな?って(笑)。
あっこゴリラ:それはそれで面白いけどね。
内田:音楽は、何から始めました?
あっこゴリラ:私は、楽器はドラムから。
内田:俺もドラムなんですよ。小さい時から、親にドラムを習わされていて。
あっこゴリラ:そうなんだ。ヤマハ?
内田:島村楽器です。最初はヤマハに通ってたんですけど、先生がめちゃめちゃ嫌な人で、一回やめちゃって。小2の時にまた、いい先生に出会って。そこからずっとドラムをやってたんですけど、今、自分たちがやってる音楽の元になっているのは、「ドラムを叩いて楽しい」みたいな、自分の中の気持ちで「やってて楽しいな」と思うジャンルは、そういう曲が多いので。
あっこゴリラ:私もそう。抜け出せないよね。内田くんのルーツは、どこから始まってるんですか。
内田:ドラムをやっていて、いろんな曲を聴いたんですけど、「ドラム叩くのが好き」という感じで、音楽がめちゃめちゃ好きというわけではなく。スポーツみたいな、競技としてのドラムみたいな。
あっこゴリラ:わかる。反復練習的な。
内田:ゲーム的な感覚で、「できることが楽しい」という感じでやってたんですけど。中2の時に、ドラムの課題曲でレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)の「バイ・ザ・ウェイ」が出されて、それにガン喰らって。
あっこゴリラ:あーもう、わかる。そこから、ファンクしか聴けないみたいな。
内田:そうそう。その前にギターを始めていたんですけど、そこからジョン・フルシアンテが大好きになって、フルシアンテの物まねをするために、高校の時にも部活をやらないで、バイトしてお金ためて機材買って、みたいな、オタッキーな生活をして、自分で曲も作り始めて。という感じで今に至ります。
あっこゴリラ:わかるわー。私はオルタナで、ヒップホップはずっとあと。ロックから入って、ファンクに行って。
内田:ドラムはいつからですか。
あっこゴリラ:ドラムとピアノを小1からやってて、でもドラムは習ってたわけではなくて、音楽室にあったものを叩いてた。誰でも叩けたんですよ。合唱の練習の時に、誰かがピアノを弾いて、ドラムを叩いて、「気球に乗ってどこまでも」系の曲を。そこでドラムを、謎に刻みまくるとか。そういう曲じゃないのに(笑)。
内田:素敵な学校ですね。音楽室にドラムセットが置いてあるのはヤバい。そこからは?
あっこゴリラ:そこからバンドを組んで、バンドで挫折して。
内田:それは、なんでですか。
あっこゴリラ:二人組で、私はドラムだったんだけど、ボーカルがシンガーソングライター系で、私はその間にいろんな音楽遍歴があって、ノイズとかも聴いてたから、ボアダムズが大好きで。だから、aikoが大好きな人の後ろで、バカスカ叩くみたいなことをやっていて、曲を壊しにいくという(笑)。だけど、ロックバンドの魅力ってあるじゃないですか。それぞれケンカしあってるけど成り立ってるという、そういうところにも喰らってきてるから、「ここでおのれを曲げたらロックじゃない」みたいな。でも周りの大人に「曲を生かさなきゃダメでしょ」みたいなことを言われて、葛藤して、歌もののドラムを頑張ってやったんだけど、だんだん気持ちが落ちて行って、病んで、限界ギリギリまで来て、気づいたらラップやってました。
内田:うわー。めっちゃいいですね、それ。
あっこゴリラ:だから、バンドは元々大好き。バンドの妙、みたいなものに、憧れがめっちゃあるし、自分ができなかったから、いいバンドを見ると、いろいろ入り混じった気持ちになる。でもこれからでもできると思うし、Zoomgalsで「メタルバンドやろう」とか言ったりしてる。
内田:Zoomgalsも、めちゃめちゃ喰らいましたよ。
あっこゴリラ:だから、バンドに対する幻想は、未だに抱いてます。Kroiはいい感じで、やんちゃで、楽しそうだなと思う。ヒップホップも、クルーは楽しいんですよ。
内田:チーム的な感じで。
あっこゴリラ:そう。で、やっぱり、ちょっとなめてる人が好き。いい子ちゃんよりは。学校にあんまり行ってなかったような、そういうフレイバーが好き。Kroiは、がっつり不良とかではないけど、半分なめてて、半分ちゃっかり、みたいな、ちゃっかり具合が可愛いなと思う。これからも、なめきっていってください。
内田:頑張ります。(笑)
――Kroiは、メンバー内で話し合っている夢、目標とかはありますか。
内田:何だろう? 目標を聞かれた時には、「スーパーボウルのハーフタイムショーに出たい」とか、そういうふざけたことしか言わないんで。本当の目標ってあるのかな?って思うんですけど、俺個人的には、こんなこと言うのちょっと嫌だな(笑) ……でも本当に、音楽に育ててもらったとか言いたくないけど、音楽にお世話になったから、何か、音楽というものを前に推し進める活動ができたらいいなと思ってます。
あっこゴリラ:それいいね。ちょっとでもいいから、進化させたい。日本の音楽シーンも、もっと、リスナーの耳を肥やしていこうみたいな考えもあるし。何か、変なの作りたいですね。
Kroi「Page」
――そして今回のイベントは、番組の生放送と、配信と、生ライブが同時進行して、シンクロしていくという形になる予定です。
あっこゴリラ:そのイベント自体は、私はすごくいいなと思っていて。ラジオでスタジオライブ、というものは今までやってるけど、ライブハウスのライブをラジオと連動させて、というものはなかったので。ライブに飢えてる人が多いし、私を含めて、ライブハウスでやるミュージシャンも楽しいだろうし、そこはすごい楽しみですね。
内田:最近、ライブしてます?
あっこゴリラ:してない。あったんだけど、緊急事態宣言とかぶっちゃって。ライブのやり方、忘れちゃった。
内田:配信ライブの重要性というか、ライブでの差別化の仕方が、2020/2021年にはかなり考えさせられてるところだと思うんですけど、こういう新たな試みは、めちゃめちゃ楽しみです。みんな、めちゃめちゃ考えてると思う。どうやったら現場の雰囲気を伝えられるか?とか、現場のライブの質感を超えられるか?とか、別のベクトルで良いものにするか?とか、お客さんがそこにいなくても、自分たちがテンション上がる方法とか、めちゃめちゃ考えてる。なので、共に考えていけたらいいなと思います。
――リスナーと共に。何かヒントになるものが見つかるかもしれないです。
内田:何か面白い方法はないかな?って、いつも考えてます。この前、有観客でワンマンのツアーをやったんですけど。
あっこゴリラ:どうだった? 楽しかった?
内田:楽しかったんですけど、お客さんが声を出せないんですよ。めちゃめちゃ怖かった(笑)。
あっこゴリラ:私も有観客、一回やった。ハミングさせた。飛沫が飛ばないように、口を閉じたまま、ふんふん~みたいな。みんないろいろ、工夫してるよね。VJ使ったりとか。ダンスはOKだよね?
内田:OKです。でも声が出せないと、お客さん側もガチっとしちゃうというか、それをどうやってほぐせるか。おかげで、めっちゃ手拍子を求めるバンドになっちゃいましたけど。(笑)
あっこゴリラ:みんな、普段はおとなしい子でも、ライブハウスやクラブに行くと、そういうものが全部解き放たれるのが、ライブのいいところじゃないですか。でも声が出せない、ソーシャルディスタンスを守りましょうとなった瞬間に、アガりたいけど……という気持ちになるから。自由にダンスさせないストッパーがかかるから、私がやった時は、ド頭から、みんなの気持ちをめちゃめちゃ代弁した。アカペラで、うわーって。そうやって、徐々にほぐしていった感じ。
内田:それ、いいですね。
あっこゴリラ:難しいよね。でもKroiのライブは、踊ってほしいよね。
内田:そのために、めちゃめちゃ考えてます。踊らせたいです。
――ライブ直後のトークとかも聞けると思うので。楽しみです。
あっこゴリラ:意外とやってるんですよ。スタジオライブのあとに、来てもらったりとか。でも場所がライブハウスということが、大きく違うだろうなと思います。
――今回は無観客ですけど、場所の雰囲気は大事ですよね。
あっこゴリラ:だから、大人たちがこうやって(腕を組んで)見ないことが大事だと思う。
内田:あはは。
あっこゴリラ:(スタッフに)みんな責任持って、踊りまくってあげてね。大事ですよ。
内田:無観客だと、どうしても俯瞰の目で見ちゃうんですけど。ライブは、どれだけ頭おかしくなれるか?みたいなところがあるんで。
あっこゴリラ:本当にそうだよね。頑張ってください。私は座って見るから。(笑)
内田:ええー!(笑)
取材・文=宮本英夫

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