ピアニスト大井健、今夏ニューアルバ
ム リリース&全国12都市でのオール
クラシック コンサート決定!~ツア
ープロモーション撮影現場に潜入&意
気込みを聞く

正統派のクラシックピアノを学びながらも、エンターテインメント性あふれるパフォーマンスで多彩な魅力を発揮し続けるピアニストの大井健。昨年2020年12月に発売されたフォトブックも好調だ。そんなノリに乗っている大井待望のニューアルバムのリリースが今夏に決定。アルバムリリースにともない、約3か月にわたっての全国12都市コンサーツアーも同時開催される。
バレンタインデーに近い2月のある日、東京の某スタジオで行われたプロモーション用のスチール撮影現場に潜入。その模様をお伝えするとともに、撮影の合間をぬって、大井に真夏のツアーにかける意気込みを聴いた。
原点回帰~コンセプトは「ピアノ・クラシックス」
大井健
ピアニスト大井健の待望のニューアルバムのリリースが2021年6月に決定。さらに嬉しいことに、リリースを記念して、6月4日(金)から9月19日(日)にかけて、北は北海道から西は九州までの日本全国12都市でコンサートツアーも実現する。今回、アルバム & ツアーともに、大井が日頃から最も大切にしているファンとの交流から生まれた声やリクエストが、曲目のセレクトにも反映されているというのも話題の一つだ。
ドイツでメンデルスゾーンの子孫に師事し、ヨーロッパ伝統のピアノ音楽の神髄を極めた大井が、多くのファンの声に応えて、ブルグミュラーやランゲなど、かつて、ファンたちがピアノを学んでいた際に出会った “あの懐かしい名曲” をラインナップ。他にも、どこかで一度は耳にしたことがあるに違いない “ロマンティック” で “カンタービレ” なクラシックのピアノ・ヒットナンバーや、大井自作の作品も数曲挿入される予定になっている。2015年のデビュー以来、クロスオーバーなジャンルに挑戦し続けてきたピアニスト大井健の、原点回帰を感じさせる ”オール クラシック” なプロジェクトに期待も高まるばかりだ。
魅惑の撮影現場潜入~一瞬にして周囲の空気をものにしてしまうオーラにため息が…
@東京都心にある某有名スタジオ――今日ここで、今夏のツアー向けのプロモーション用の素材撮影が進行中。オール黒のスタイリッシュでシックな装いに身を包み、カメラの前に立つ大井。スリムな身体がさらに引き締まって見える。
大井健
取材チームがスタジオに潜入した時はウォーキングのカットを撮影中。大井はカメラマンの瞬間的な指示に流れるように応える。時折見せるアンニュイな表情や、物思いに耽る面持ちに大井らしさが引き立つ。表情の決め感はもとより、指一本に至るまでの繊細な表情の付け方は、さすがピアニスト。カメラ目線のリクエストが出ると、引き込まれるような眼力にこちらがドキドキしてしまうほどだ。立ち振る舞いの優雅さと、一瞬にして周囲の空気をものにしてしまう大井のオーラに、周囲のスタッフからもため息が漏れる。
大井健
大井健
今回のツアーのコンセプト「ピアノ・クラシックス」にちなんで、シンプルな空間の中に楽譜とともにたたずむ大井の姿なども多数撮影された。ニュートラルな背景に大井の素の姿が浮き立つように映し出される。どのカットも、少年のようなあどけなさと、大人の色気が混在する得も言われぬ魅力に満ちていた。タッグを組んで10年余りという信頼のおけるカメラマンとの息もぴったり。撮影後、モニターに映し出される自らの姿に大井も喜びを隠せない様子だった。
大井健
さて、ここで撮影、モニターチェックともに一段落。撮影直後をねらって、大井にツアーにかける意気込みを聞いた。朝から降り続いた土砂降りの雨もインタビューの頃にはすっかり晴れ上がり、真っ青な空には虹がくっきりと描かれていた。神々しいほどの輝きを見せる絶景に、大井も、スタッフも大盛り上がりの中、インタビューが始まった。
「オール クラシックの中にも、エンターテインメント性にあふれるひとときを」
大井健
――今回のアルバム & ツアーのコンセプトを「ピアノ・クラシックス」としたのは?
2015年のデビュー以来、Piano Loveシリーズや鍵盤男子の活動を通して、クロスオーバーな展開を続けてきました。クラシックをベースにしながらもいろいろなジャンルの音楽に触れるというかたちです。それを、一度、再構築しようという試みで、今回はアルバムをオール・クラシックのレパートリーにしようと決めました。
――ご自身のレパートリーや活動内容を再構築したいと思われたきっかけは? 心境の変化などがあったのでしょうか。
ご存知のとおり、一年にわたるコロナ禍のライフスタイルにおいて、クラシック音楽業界のみならず、音楽界、エンターテインメント業界は、すべてのかたちが変わってしまいました。そんな中で、さまざまな試みを通して、自分自身に何ができるかということを考えるようになりました。自分の強みがどこにあるのか、また、自分自身の持ち味がお客様が望むものどうクロスしていくのか……、そういうことを考える日々でした。
――アルバムに収められた ”オール クラシック” の作品を軸にツアープログラムも組まれる予定ですね?
アルバムのコンテンツは、1時間程度で、ツアーコンサートは一回の公演が約2時間くらいですから、(ツアーでは)さらにクラシックの名曲を増やしてお届けする予定です。ここ一年くらいで、オンライン・サロンでの活動を通して、ファン(リスナー)の皆さんと触れ合う機会が多くなり、率直な意見やリクエストを頂くことが多くなりました。その中で最も多かったのが、「もっとクラシックの曲をもっと弾いて欲しい」という声だったんです。
大井健
皆さん、とてもピアノの曲に詳しくて、例えば、先日出版させて頂いた『Pianoman』というフォトブックでは、ブルグミュラー作曲の「貴婦人の乗馬」をご紹介したのですが、それがとても好評でして。そんな感触を得て、他にもランゲの「花の歌」やオースティン(エステン)の「人形の夢と目覚め」など、ファンの皆さんが、かつて、ピアノを習っていた時に弾いていた曲や、弾きたくてたまらなかった憧れの曲をいっぱい入れてみようと思うようになりました。
オール クラシックというと、リストやベートーヴェンの大曲というイメージがあると思うのですが、もっと、皆さんになじみ深い作品に触れることで、「あ、これ知ってる。懐かしい!」から始まって、「こんないい曲もあったんだ!」というような、楽しい思い出がいっぱいになるコンサートにしたいと思っています。
――今回のツアーでは、自作の曲も披露されるということですね。
今まで発表してきた作品に続く雰囲気のロマンティックな作風に加えて、今回は、少しミニマルミュージック的なテイストを織り込んでみたいと思っています。多分2曲くらいになると思いますが、ツアー自体が6月から9月の下旬と長期にわたるので、ツアー中にも新たな曲を発表していきたいと思っています。
――7月17日(土)浜離宮朝日ホールでの東京公演は、ホールリニューアル後のオープニング月間ですね。
僕のソロデビューは2015年7月20日だったのですが、それが東京の浜離宮朝日ホールだったのです。ですから、ほぼ6年ぶりにソロで戻ってくる感じで、とても嬉しく光栄に思っています。
大井健
――アルバムとツアーの他にも、今後、力を入れていきたいプロジェクトなどはありますか?
今年はクラシックの世界につねに向き合っていきたいという思いに加えて、YouTubeやSNSを駆使して、どのように自らの世界を創りあげていけるかということに挑戦してみたいと思っています。ネットで瞬時に世界とボーダレスにつながるのが現代です。現在、そのようなチャンスもたくさんあふれていますから、トライ&エラーを繰り返しつつ、自分の世界観を作っていきたいと思っています。今回のアルバムも、Spotifyなどの配信形式でも聴けるようになる予定です。自分らしくいろいろなかたちで盛り上げていくことで、ピアノ界全体に少しでも寄与できるといいな、と思っています。
――最後に、ツアーにかける意気込みとファンへのメッセージを。
今年初のオール クラシックのコンサート。でも、決して堅苦しいものではなく、エンターテインメント性にあふれるひとときを皆さんにお届けしたいと、いろいろ思案中です。ピアノを学習中のお子さんにも、ぜひ、ご両親やファミリーで聴いて頂きたいです。それぞれに大切な人とピアノ生演奏の醍醐味を楽しんで頂けたら嬉しいですね。
大井健
取材・文=朝岡久美子 撮影=ジョニー寺坂

アーティスト

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着