ミュージカル『魔女の宅急便』キキ役
・井上音生にインタビュー~「もし魔
法が使えたら……」

ミュージカル『魔女の宅急便』が新たなキャストで帰ってくる!  原作は角野栄子が1982年から27年間に渡り執筆した児童文学の傑作。1989年に宮崎駿監督がスタジオジブリでアニメーション映画化し大ヒットし、世界的に有名な作品となった。1993年には蜷川幸雄の演出によりミュージカル化。そして2014年には実写映画化、さらに2016年にはイギリスでも舞台化された。今なお色あせない『魔女の宅急便』が2021年3月から上演される。この舞台で主役のキキを演じる井上音生に話を聞いた。
ーー今日は衣裳を付けて撮影だったんですね! キキという少女の姿になってみた感想は?
そうですね。黒いワンピースと赤い大きなリボンをつけてみたら、小さい頃に見ていたキキそのものだったので現実味が出てきました!​
井上音生
ーー本作に出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?
本当に嬉しかったです。小さい頃からジブリ映画の『魔女の宅急便』を見ていて、実際に私も魔法を使ってみたいなって思っていたので「わあ、夢が叶った!」って思いました。私もアンちゃんという黒猫を飼っているんですが、「私がキキならアンちゃんはジジだね」って家で話しかけています(笑)。​
ーー本作のミュージカル版はこれまでに観たことはありますか?
はい。2018年に福本莉子ちゃんがキキ役を演じた時の公演を観ました。映画とは違うところもあって、莉子ちゃんが舞台で楽しそうにキキを演じているのを観て「舞台版もいいなぁ」と思いました。あんなふうに空を飛んでみたいなって。上から客席を見ることも楽しみのひとつで(笑)、フライングに対する不安や怖さよりワクワクのほうが大きいです!​
ーー台本を読んでみた感想はいかがでしたか?
小さい頃にジブリ映画で見た印象と、16歳になってからの印象は変わりました。小さい頃はただ魔法が使えていいなとか、そういう表面的な印象だけでしたが、16歳になってから台本を読むと、キキという13歳の普通の女の子なんだと感じました。同じ年齢のおしゃれな女の子には嫉妬したりいじわるもしてみたくなったり、ニキビが気になったり……私と同じだなって(笑)。
井上音生
ーーほかにもキキと自分とではここが似ているとか、ここは違うかもと思うところはありますか?
キキはお母さんから空を飛ぶ魔法だけでなく薬の調合も習うんですが、不器用でうまくいかない。私も不器用なところがあるのでそこは一緒だなと思います(笑)。
ーーこれから稽古が始まるところかと思いますが、今の時点でどんな風に演じたいか考えていますか?
私も地元から上京してきて新しい街で暮らし始めたところなんです。キキもコリコの街で暮らし始めますが、新しい街での戸惑いなど、自分との共通点を見出しながら役作りをしていきたいと思います。また13歳のただ元気な女の子ではなく、時には落ち込んだり泣きたくなることもあるキキも表現して、観ている人が応援したくなるような存在になれたらいいなと思っています。​
ーー演出の岸本功喜さんとはどんな話をされましたか?
以前お会いした時は岸本さんの前で歌を歌うことになっていて、『リトル・マーメイド』のアリエルが歌った「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌いました。その時、ミュージカルの曲は台詞に感情を込めて歌ってほしいと言われたので、稽古やボイストレーニングでもその点を気を付けて練習したいと思いました。
井上音生
ーーキキといえばトンボの存在も大きいですよね。今回トンボ役を那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)さんが演じられますが、那須さんとは何かお話されたりしていますか?
歳が3歳も離れているのでお兄さんという印象でした。全力で頼ろうと思っています(笑)。​
ーーもともとミュージカルは昔からお好きでしたか? 目標としている役者さんや作品はありますか?
小さい頃に地元の市民ミュージカルに応募して出演したのですが、台詞が一つしかなくて。舞台袖から主役の方が歌ったり演じているのを見て、「いつか私も主役をやりたい」と思っていたんです。また子どもの頃、劇団四季を観に行く機会があって『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』『ライオンキング』を観ては感動して、いつしか「観る側ではなくステージで歌う側になりたい」とも思うようになりました。そして先日、朝夏まなとさんが『ローマの休日』でアン王女を演じられている姿を観て、感激しました。ドレス姿が綺麗で、いつか私もあんなふうに歌って演じてみたいなと憧れました。夢はアン王女になってみたいです。​
井上音生
ーー芸能界に入って舞台デビューされたのは『魍魎の匣』でしたが、そこで学んだことはありますか?
稽古を重ねる度に自分がレベルアップしている実感がありました。自宅に帰ってからも「明日の稽古ではあの部分を直そう」と考えることもできて、面白かったです。そこで学んだことは、稽古の時に分からないことは分からないとちゃんと言うことです。稽古の時に気負い過ぎてしまうと本番で焦ってしまうので。今回も分からないことは演出家さんなどに相談してやっていきたいです。
本番ではステージに出る前の舞台袖で緊張していたのですが、いざステージに出ると目の前にお客さんがいて私を観てくれていると気づいて、いい意味で力が抜けて頑張ろうと思うことができたんです。​
ーー最後に、もし井上さんが魔法を使えるとしたらどんな魔法を使いたいですか?
動物と話ができる魔法を使いたいです。飼っている猫のアンちゃんと話ができたらなぁと。どうしたら動物が喜んでくれるのか、ご飯は何が好きなのか、どう遊んであげたらいいのか、知りたいので、いろいろ話をしてみたいです。
井上音生
取材・文=こむらさき 撮影=中田智章

アーティスト

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