【東京スカパラダイスオーケストラ
インタビュー】
一緒に音が出せる喜びを謳歌した
スカパラは我ながら
整合性があると思う
ものすごい才能がまた現れたというところでしょう。「9」も他のアーティストが参加しているわけではないですけれども、『J SPORTS STADIUM2021 野球中継テーマソング』ということで、スカパラとプロ野球のコラボレーションととらえることができそうですね。
そう思って聴いたからか、サウンドもちょっと野球っぽいと思いました。
こじつけますけど、後半のユニゾンで進んでいくところはどこか連係プレイのようではあります(笑)。
サビに重なるブラスはプロ野球の応援調だとも思いましたし。
随所随所で野球を感じられるんですよ。
はい。あと、『AVIOT完全ワイヤレスイヤホン(TE-BD21j)』とのタイアップ楽曲である「Great Conjunction 2020」。これはYouTubeでもメンバーが“ファンクラブ限定盤”のPRをされていましたが、そこにそのAVIOTの完全ワイヤレスイヤホンが同梱されているということで、「Great Conjunction 2020」は商品とのコラボレーションということが言えそうですね。
これは私の印象ですが、オープニングでのキーボードの音が左右に分かれていたりして音響モノっぽい感じはイヤホンに関連しているようでもありますし、楽器単体の音が強調されているようで、キーボード→ギター→ブラスと連なっていき、そこからホーンセクションではなくサックスだけが鳴っていくところとか、個々の音を聴けるナンバーではあるように思いました。
そういうところでは、ファンクラブ限定盤に同梱されているAVIOTの完全ワイヤレスイヤホンで聴くのが正しい聴き方でしょうか(笑)。
(笑)。さて、ここまで話をうかがってきて、他アーティストとのコラボ、タイアップ曲はいずれも本作で重要なナンバーであることは間違いないんですが、この『SKA=ALMIGHTY』の中心にあるテーマは“新型コロナウイルスにどう立ち向かうか?”であることは、これも間違いなくて。
1曲目が「Salvation Ska」。“Salvation”は“救い”という意味だそうですけど、祈りを捧げているかのようなオープニングですよね。
「Salvation Ska」は景気が良い感じでありつつ、独特の艶っぽさや色っぽさがありますよね? これはスカパラならではだとも思いました。
景気がいいだけとかセクシーなだけとかなら、他にやるバンドはいると思うですが、それを同居させられるのはスカパラだけかなと。
なるほど。“祈り”というところで言えば、「JUMON feat.アイナ・ジ・エンド(BiSH)」もそうで。この楽曲ではアイナさんは巫女の役割でしょうか?
でも、彼女のシャウトはものすごく印象的だと思います。“JUMON”はそのまま“呪文”ととらえていいですよね?
めちゃめちゃカッコ良いです!
明確にコロナ関連とされているわけではないようですが、「A Touch Of Spring」からも“早くこの状況がなくなってほしい”というような雰囲気が感じられますね。
ボサノヴァタッチのスウィングしていく感じがとてもいいんですけど、リズムが若干突っ込み気味で、そこがはやる気持ちというか、春を待つ高揚感に重なりますよね。
なるほど。そう考えますと、これは改めて言うまでもないですけど、本当にスカパラは何でもできるバンドですよねぇ。
はい。ヴォーカル曲は歌い手がバラエティーに富んでますし、インストルメンタル=ヴォーカルレスも多岐に渡っていて、「This Is My Life」などは一曲の中でもさまざまな曲調が展開されています。
確かにバラバラはバラバラなんですけど、スカパラの名のもとにしっかりとまとまっているという。
なるほど。“何でもオールマイティにやります”みたいな感じですね。話を楽曲に戻しますと、このアルバムのテーマが“新型コロナウイルスにどう立ち向かうか?”だとすると、その中心と言えるナンバーは「Together Again」ではないかと個人的には思います。
各パートがメロディーを追いかけるような、合唱で言えば輪唱みたいな箇所とか、しっかりタイトルにもつながっていますよね。とにかくメロディーが良くて、個人的には最初に聴いた時には落涙しそうなほどグッときました。
一緒に音を出せない期間が長かったですから、自然とそういうものを欲したんでしょうね。