大地真央、誕生日サプライズに涙 舞
台『ローズのジレンマ』初日前取材会
&ゲネプロレポート

米国の喜劇作家ニール・サイモンが晩年に手掛けたコメディ『ローズのジレンマ』が2021年2月6日(土)から東京のシアタークリエで開幕する。男女の恋愛の機微と変わらぬ親子愛、誰もが抱える心の傷や人生の晩年に訪れる黄昏を上質なコメディに昇華させた傑作に、大地真央神田沙也加、村井良大、別所哲也という豪華なキャスト陣が挑む。

 
初日前日の2月5日(金)、出演者による取材会とゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われた。この日は、主演の大地真央の65歳のバースデーということで、サプライズで花束が送られ、大地が涙ぐむ場面も。取材会とゲネプロの様子を写真とともにレポートする。
別所哲也、大地真央、神田沙也加、村井良大(右から)
まずは、出演者らのコメントを紹介しよう。
大地真央:本日はコロナ禍の中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。私たちは1月4日からお稽古が始まりまして、いよいよ初日を迎えることとなりました。ニール・サイモンの晩年の作品ということで、非常に独特なものがあります。私は昨年『おかしな二人』(2020年10月)をやらせていただいたんですけれども、その作品とは全く違う感じの作品です。みなさんにいろんな意味で楽しんでいただける作品に仕上がっているなと思っております。
 
勇気を持って、皆様にこの劇場にお運びいただけたら、きっといいことがあると。そう思っております。こういう時代だからこそ、「上演してくれてありがとう」というお言葉もいただきました。自粛でなかなかお家から出られなかったり、なるべく自宅に、と思っていらっしゃるとは思いますけれども、ぜひ劇場にお運びいただいて、私たちと時間を共有していただき、明日への活力源となれば、役者冥利につきます。ぜひお越しくださいませ。お待ちしております。
神田沙也加
神田沙也加:お正月明けすぐからみんなで稽古してまいりました。劇場に立ってみて、セットに立ってみて、自分にとっても今年初の作品ということで感じることもあります。この戯曲は、いつも普通のお芝居とは何か違う感覚がしていて、セリフ1つにしても、お話にしても、考えさせられるところがすごくたくさんありまして、役者としても勉強になりました。
大地さんとも久しぶりに共演させていただき、隣にいて勉強になったこともとても多かったので、最後まで健康に気をつけて、実りある作品経験になればいいなと思っております。ぜひ劇場にお越しください。よろしくお願いいたします。
村井良大
村井良大:お正月から約1ヶ月間稽古してきたんですけども、本当にあっという間で、けれどすごく充実した稽古期間を過ごせたと思っております。そして、劇場に入って、セットと対面し、役衣装をつけて、さらにこの世界に入り込んで、楽しんで、1ヶ月間、公演を無事に健康に幕を下ろせることを願いながら、頑張りたいと思います。
お客様は皆様マスクをしてご観劇なさると思うんです。なかなかこういう時期ではありますので、笑い声が出せないかもしれないんですけど、なるべく、マスクの下を笑顔にできるようにしたいと思います。よろしくお願いします。
別所哲也
別所哲也:世界で見ますと、映画演劇人、例えばブロードウェイ、ウエストエンド、世界中の劇場関係者、エンターテインメントのみなさんが試行錯誤をしている中、ここ日本東京でもこうやって一歩一歩前進できる、作品をこうやって上演できることを心から嬉しく思っています。ニール・サイモンの作品は、僕にとっても念願の作品ですし、大地真央さんの恋人役として、演じきっていきたいなと思っております。
みなさんにとって2021年が、こういった演劇と笑いと、そして感動がもう一度蘇る。そして一歩一歩前進できる、希望の一年になりたいなと思っておりますし、劇場でそんな空間をつくっていきたいなと思っています。僕は亡霊役なので、いろいろ自由に動ける透明なところもあるんですけど、その部分も楽しみながら演じさせていただきたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。
驚く大地真央
一通りの挨拶を終えた後、別所が「そして、今日は何の日かご存知ですよね?大地真央さんのバースデーです!」というと、バースデーソングが流れ、カラフルな照明に。出演者から薔薇(ローズ)の花束を渡されると、大地は驚いた様子で、涙んだ。
花束を受け取る大地真央(右)
キャストも一言ずつお祝いのメッセージを伝える。
神田:誕生日当日に共演できて、舞台上に一緒に……(涙ぐむ)いられること、すごく嬉しく思っています。本当に生けるオーラみたいな方で、ハッピーオーラであるし、リーダーシップ、それからアイディア、すごく本当に女性としても役者としても勉強になることがいっぱいです。これからもずっと追いかけていくし、たくさんいろんなことを教わりたいと思っています。本当に本当におめでとうございます、大好きです。
村井:大地さん、おめでとうございます。涙の会見みたいになっていますけど、今日このためにみなさん(報道陣)をお呼びしたんですよ(笑)。この1ヶ月間全員で、健康に、無事に、最後まで走り抜けるようにぜひよろしくお願いします。
別所:本当におめでとうございます。こんなに薔薇が似合う女優さんはこの日本で、大地真央さんしか。まさにこのローズ、演劇界のローズと、こうやってご一緒できることを光栄に思っておりますし、その誕生日の日にこうやってみなさんの前に立てることを誇りに思っています。おめでとうございます。
大地真央、別所哲也(左から)
共演者らによるサプライズプレゼントに、終始うるうるとしていた大地だが、フォトセッション中、「もしかしてこの薔薇、年の数?重い〜!」と話し、笑いを誘うことも。
大地:みなさま、本当にまさかこんなサプライズがあるとは。本当にありがとうございました。今月25日まで上演いたします。健康に気をつけて、コロナに負けないように、皆様に夢と希望をお届けすることができますように、頑張りたいと思っておりますので、どうぞぜひ劇場にお運び下さい。お待ち申し上げています。本日は本当にありがとうございました。
涙ぐむ大地真央
取材会に引き続き行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)の様子についても、少し触れておきたい。
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
かつては著名な作家として名を馳せていた作家のローズ(大地真央)。5年前に最愛の恋人であり、自身も人気作家であったウォルシュ(別所哲也)を亡くして以来、新作を書くことができず、破産の危機に陥っていた。助手のアーリーン(神田沙也加)は、贅沢な生活を顧みずに負債だけが増えていくローズの経済状況を見かねて、必死にローズに新作を書かせようとするが、ローズは毎晩のように彼女にしか見えないウォルシュの亡霊と過ごしていた。
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
ある日ウォルシュは、彼の未完成の小説『メキシカン・スタンドオフ』を、若手作家クランシー(村井良大)と組んで、未完の作品を仕上げ、印税を稼ぐようローズに提案する。なぜウォルシュがクランシーを推薦したのかわからないローズと、売れない作家である自分がなぜ選ばれたのかがわからないクランシー。二人の共同作業はうまくいくはずがなかった。
ところが、ローズの預かり知らぬところでクランシーとアーリーンはお互いに惹かれあっていた。後日、再びローズの家に現れたクランシーは、思わぬ発想でアーリーンを驚かせる。そして、アーリーンはローズにある告白をするーー。
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子
大地真央、神田沙也加、村井良大、別所哲也という面々なのでミュージカルが始まるのかと思う人もいるかもしれないが、本作はあくまでストレートプレイ。ニール・サイモンによる、ウィットとユーモアに富んだ上質なコメディで、楽しいけれど、涙もある、お洒落な芝居といえる。
 
上演時間は2時間25分予定(途中25分の休憩あり)。ぜひ劇場で楽しんでほしい。

舞台『ローズのジレンマ』のゲネプロの様子

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