【栗林みな実 インタビュー】
戦った感覚になれる
楽曲かもしれない
ひとりひとりの思っていることが
つながって一曲になる
今回のシングル制作を通して改めて感じたことは何ですか?
新しい制作チームで作る機会があったんですが、音も歌も全部がひとりひとりの思っていることがつながって一曲になるっていうことを改めて勉強させていただきました。例えば、「深い蒼の森」の間奏に当初は自分のコーラスが入っていたんですけど…これは歌い手目線だからかもしれませんが、私はそれによって他の楽器が聴きづらいと思ってしまったんです。で、コーラスを下げることを何度かやった結果、最終的になしにしたんです。でも、もし“聴きづらくないよ”という意見があったとしたら、コーラスがある状態でリリースされていたかもしれないですよね。間奏の何十秒かのやりとりですけど、そういう部分に音楽制作の面白さを感じました。数年前からトラックダウンの現場にも入るようになって、“ちゃんと自分の考えを伝えよう!”と思うようになったんですね。2021年はデビュー20周年でもあるのですが、自分の中でもこんなふうに曲に対しての携わり方が変わってきたんだと感じますね。
デビュー20周年を迎える今の心境はいかがですか?
自分がこの仕事をやりたいと思った時、当時は“アニソンシンガー”という言葉自体がありませんでした。それから業界が変化し…これからも変化していくと思うので、だからこそ柔軟な自分でありたいですね。20周年というひとつの節目を迎えますが、これから先もずっと活動を続けていくにあたって、いろいろな人たちの意見を聞きながら楽しくやっていけたらいいなと思っています。
ずばり、そんな2021年の抱負は?
一番はライヴがやりたいです。どんな感じになるか分からない部分もあると思うんですけど、発信はしていきたいです。たくさん歌わせていただいてきたので、何かのかたちで今の自分が歌う時間は作りたいですね。
音楽活動を20年続けてきて、ずっと変わらずに大切にしていることは何ですか?
自分が作るアニソンに対して“これだ!”という感覚…曲が映像と一緒に流れた時に“この映像にはこの曲がいいと思う“自分が思うアニメソングはこういうものだ”と信じる気持ちですね。“自分イズム”みたいな感覚は持ち続けていたいと思っています。
栗林さんが言う“イズム”という言葉はグッと心に響きますね。
あははは。でも、自分の中にそういうものがあるというのは、やっぱりJAM Projectさんや奥井雅美さんとかの先輩方がいて、今も続けていらっしゃるからこそだと思うんですよ。先輩方の曲を聴いて育ってきて、きっと何かが自分の中に脈々とあるんでしょうね。“受け継いでいる”と言うとおこがましいんですが、自分が聴いてきたアニソンの歴史があるからこそ、それを発信できているんだと思います。歌い続けようと気持ちも、先輩方や音楽仲間がいてくださるおかげで続いているんだと思いますね。
取材:齊藤 恵
「残酷な夢と眠れ」MV Short Ver.
「残酷な夢と眠れ」視聴動画
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