KEIKO、Kalafinaの先に見えたソロ一
年生としての「みんなに助けを求めて
決めていく」音楽

元Kalafina、KEIKOのソロ初となるアルバム『Lantana』が12月2日にリリースされた。ボーカリストとしてのアイデアと思いがたっぷりと詰め込まれたこのアルバムは、上質なポップスを存分と楽しめる一枚となっている。これまでのキャリアの先にあったソロとしての最初の一歩を踏み出したKEIKOはどんな思いでこの一枚を作ったのか、撮り下ろしスチールとともにお送りする。

梶浦さんからもらった「七色のフィナーレ」は今年だから書けた歌詞だと思う
――今回は、1stアルバム『Lantana』が12月2日に発売されるということでお話を聞ければなと思っております。
はい、よろしくお願いします。
――まず、タイトルの『Lantana』という言葉、花の名前ですよね。なぜこのタイトルにしたかというところからお聞きできれば。
今回のアルバムは約1年くらいかけて制作したんですけど、スタッフ陣と打ち合わせをする中で、まずは大きなコンセプトは作らずに、KEIKO自身が歌ってみたい曲や、惹かれる曲にトライしていくという形でスタートすればいいんじゃないかな?というお話をして頂いて始まったので、アルバムのコンセプトと言うよりも1曲1曲を単体で見ていただければ嬉しいなと思っているんです。この『Lantana』というお花は和名で「七変化」という名前があって。その名前のごとく、いろいろな変化があるんです。アルバム1枚のなかでも変化が見られるという意味がちょっと共通もしてるし、大好きなお花だし。響きも気持ちよかったのかな。それで、割と即決で『Lantana』というタイトルになりましたね。
――やっぱりアルバムとなると、全体につながりがあるのかなと思って聴いたんですけど、そうやって話を聞くと、流れはすごくきれいだけど、1個1個のバリエーションがすごく違う曲ばかりで面白かったです。こうやって収録されているもののほかにも、もっと沢山のある中からチョイスした楽曲たちが収録されているんでしょうか。
そうですね……今年はコロナ禍ということもあって、制作もすごく臨機応変にやっていたんです。そのなかで配信ライブをさせていただくと決まってから、ライブ用の曲というのも少し増やしたほうが良いかもしれないねというふうに、またみんなで再考していった感じですね。アルバム制作とライブを平行して行ったので、そういった意味でライブを意識した曲を入れていくという変化はすごくあったんですね。結果的にすごくバランスがとれた1枚になったなと思います。
――配信ライブのほうのMCでも、「コロナ禍がなければもうちょっと暗い曲が多いアルバムになったかもしれない」みたいなことを話していましたね(笑)。
「暗い」というとちょっと語弊があるけど(笑)。もう少し大人っぽいというか。
――ダークな感じ?
うん、イメージしていたんですけどね、けっこう違う感じになったかな。
――そういうところも含めて、このコロナ禍でまた音楽に対する意識が変わったりしたことはありましたか。
でも、直接歌を届けられないのは大きな変化でしたね……。会えないっていう。どうしたってお客様に会えないと、ファンの皆さんもそうだけど、私たちアーティストにとっても、発信する先にファンの方が待っていてくださっているから、それがすごくモチベーションになったり刺激になっているのはたぶん皆そうだと思うので、そこがやっぱり断たれちゃったのが……変化としては1番はそこですね。
――そのなかでの配信ライブもありましたが、いかがでした?お客さんも若干数入れられていたんですよね。
すっごい楽しかったですよ。初めに客席数の制限の関係で72名って聞いたときは、どんなライブになるんだろうと思ったんですけど、誰かひとりでも聴いてくれる方が目の前にいると全然違うなって。20代前半のころ、池袋のロサ会館とかでやったとき、私たちのファンって当時5人だったんですよ。その感覚を思い出しました。
――自分のなかで燃えるものが湧き上がってくるものがあるというか。
うん……やっぱり、抑制されると人はあふれるものが、こみ上げるものが生まれるんだなということはライブの日にすごく感じました。朝から気持ちが高揚していました。
撮影:中田智章
――そして、それを踏まえてアルバムの話に戻りますが、おっしゃっていただいたように非常にバリエーション豊かな。「まるで…わたしの大好きなチョコレートBOXみたいな」とご自身でも紹介されていましたが。
あははは、そうです(笑)。
――曲のバリエーション的にチャレンジも多かったと思うんですが、そのなかでも「この曲はチャレンジが多かったな」と思う曲とかってあったりするんですか?
チャレンジという意味では本当に全部なんですよね。だからこう、「やってみようか?」っていう感じ。まずは歌って、声を当ててみて決めようっていうところが全曲ありました。
――歌のテクニック的に大変だったというものは?
いちばん最後まで粘り倒して再録を何度も重ねたのは「七色のフィナーレ」ですね。梶浦さんの曲です。ちょっと、ほかの曲とは気持ち的にも違うから当然なんですけどね。
――まあ……そうですよね。
もう12年ほど梶浦さんの曲を歌わせていただいているなかで、「風の街へ」(TVアニメ「ツバサ・クロニクル」挿入歌、FictionJunction KEIKOとして歌唱)以来のソロの楽曲を提供していただいたので、やっぱり歌い方とか、「もうちょっと出来るんじゃないか」っていう欲がすごくあったり、悔しさもあって。最後の編集ギリギリまで、もう1回歌い直させてもらえませんか?っていう粘りを「七色のフィナーレ」に関してはさせていただきました。
――まさに「七色のフィナーレ」ですが、僕は2曲目にくるのがちょっと意外で。
あはは(笑)。本当ですか?
――ライブではアンコールで歌われたじゃないですか。
ああ、そうですよね。
――曲順を考えないで聴くと、最後は絶対に「命の花」なんだろうなとは思っていたんですよ。でも「七色のフィナーレ」を2曲目に持ってくるのか! って。僕のなかでビックリしたというか、先制パンチをくらった感じがあったんです。
やった!そういうの嬉しいです(笑)。
――曲順って、さっきもおっしゃったように流れを意識して作ったアルバムではなく、曲の1個1個をちゃんと聞いてほしいというお話でしたけど。
でも曲順は流れで。暫定をまず私が決めさせてもらって、それでみんなにどうかな?って相談した感じですね。「Be Yourself」は自分のなかでもスタッフ陣のなかでも、みんな「これだね」というのがあったので、そこからスタートしてどうしようかなその後、と思って。
――そうですね、「Be Yourself」スタートはまさに!って感じでした。
スタートにすごく前向きにエネルギーを感じてもらえる曲を入れたいというイメージがあったので、「始まりは」までのこの3曲は、すごく軽やかに気持ちを明るくさせてくれるようになるといいなと思って選びました。
――「七色のフィナーレ」は、梶浦さん作曲でKEIKOさん作詞で、すごく梶浦節というか、Kalafina感もあるし、でもFictionJunction的なアップテンポな感じも非常にうまく混ざりあっていて、まさにKEIKOさんのために作られた曲だなって印象があったんですけど。この作詞というのはいかがでしたか。
初め「作詞はKEIKOちゃんで」と言われたときはちょっとビックリしたんですけど。
――それは梶浦さんのほうから?
梶浦さんサイドから。一緒に作っていくなかでこちらのプロデューサーの与田(春生)さんと、向こう側の皆さんで話し合ってくださって、作曲は梶浦さんで行きましょう、でも作詞と編曲は別で共作という形が面白いんじゃないかっていうお話をいただいたんです。初めはビックリしたんですよ。
――やっぱりプレッシャーがあったりしました?
いやあ、本当にありました。聞いた時は「えっ?」っていう感じで。固まりました。
――曲が来てそこに歌詞をつけるという感じだったんですか?
そうです、まずいちばん初めに梶浦さんのほうから曲が送られてきて、そのあとにキーを決めたりとかいろいろあったので、まずは歌ってみたいなって。歌って、そのあとにイメージするものを編曲、アレンジャーの清水信之さんに投げて、じっくり考えていった感じですかね。編曲もアレンジもどんどん変わっていったりもしましたし、初めの梶浦さんからいただいた楽曲のイメージから、テンポ感とかキーも全部変えさせていただいているので。
――そうなんですね。
だから梶浦さんも「こんなに変化があるなんて面白かったです」とおっしゃってくださったくらい、いろいろなチャレンジをさせてもらってます。そのアレンジのなかで歌詞も変わっていったし。ただ、いちばん初めに梶浦さんから曲をいただいたときに、とても前向きな明るい未来を見ている主人公がイメージできたので、そこは変わらず。軸になるものとして、未来をしっかり見上げているような、そういう歌詞が書けたらいいなあというイメージが初めからありました。
撮影:中田智章
――ライブでこの曲を聴いたときに、何かこう、いろいろなものが動き出した感じがしたんです。軽やかながらも決意を感じる曲というか。
やっぱり私の中でオリンピックとかの影響は大きいですね。この曲も夏のコロナ禍に書いていたので、メディアで必死にまだ先の見えない来年に向かって努力しているアスリートの方々を見て、やっぱり心を動かされるじゃないですか。だから今頑張っている人たちへのメッセージソングになるといいなと思って作ったんです。
――それは、なんかすごく腑に落ちますね。
たぶん、今年だから書けた歌詞だったなと思います。
――世界情勢だったり自分をとりまく環境は露骨に現れてくるんですね。
うん。さすがに無視できないですよね。今のこの状況のなかで「ウェーイ!」みたいな曲はなかなか書けないというか(笑)。やっぱりどこか躊躇してしまう。でもネガティブになりすぎてもいけないから、こういう歌詞が書きたいなと思って。
――そういうことが具体的に形になるって、作詞をやりだしたから曲として未来に残せると言うか。
そう、すごくありがたかったですね。
Kalafinaの時は、自分の役割がすごく明確だった
――そして、今回のアルバムに入っている「夕顔」という曲もKEIKOさんが作詞をされているので、作詞つながりでこちらの話も聞こうかなと思っています。
これは、いちばん最後に収録した曲なんです。今回制作の初めの段階で、短編集というか、短い曲も作りたいという話もしていたんですけど、ライブもあり、気づいたらほとんどの曲が出来上がっていて……。でもどうしてもアルバムのなかにそういう曲も入れたいと言って作ったんですけど。
――はい。
全体としてスタンダードな美しいメロディの曲が多いので、もの悲しい、儚い、切ないっていう気持ちが見えるメロディのものが歌いたいなと思ったんです。私のなかで、音楽ってそのときの気持ち、自分の気持ちに寄り添うものを自然と選んでいると思うんです。せっかくアルバムを作らせてもらうなら、ちょっと鎮静してもらうような、そのまま眠りに落ちてもらえるような……そんな歌唱と歌詞を探しながら作りました。
――アルバムの後半、「エンドロール」「Change The World's Color」の前に入っているので、非常にイントロダクションとしてきれいだなと思いました。そこからちょっとアッパーな2曲に行くというのがいいですね。加速する前の溜めじゃないですけど。
なんか「夕顔」からの「エンドロール」っていいなと思って。ハッとしますよね(笑)。
――「エンドロール」と「Change The World's Color」に関しては、KEIKOさんの強靭なフィジカルが帰ってきた感じがしますね(笑)。
起きろー!って(笑)。起こしにかかった感じですね。
――中盤では「茜」から「溜め息の消える街」「Ray」とメロディのきれいな曲が続いていくじゃないですか。全体を通した印象としては落ち着いた曲へのチャレンジは多いのかなという気はしました。
そうですね。割とそうかもしれない。
――しっかりと音楽を伝えていくというか。
うん。この1stアルバムだからできるチャレンジというか、トライだと思います。もう少しきっと今後は固まってくると思うので。なので、この1stアルバムだから出来ることっていうのを今詰め込んだ感じですかね。
――若干言い方は違うかもしれないけど、自分のなかで「実験的」な感じもあったりはするんでしょうか。
そうですね。まだどういったものが心地よくハマるのか、求められるのかっていうのは積み重ねていかないと見えないからかなあ……。Kalafinaを10年やって、FictionJunctionも12年くらいやらせてもらって、それで見えてきた自分の立ち位置みたいなものもあるんですけど、ソロはまだ1年生なので(笑)。
――あいうえおから始めるぞ!じゃないですけど。
本当に。でも音楽を発信するうえで、歌手としてボーカリストとしての1年生ではいけないともちろん思っています。どういう音楽を歌っていくかというのは、このアルバムでまずはトライして、周りの反応、皆さんが何を喜んでくれるのか見たいなと。
撮影:中田智章
――なんか、これまでのキャリアはすごく大きなものがあるわけじゃないですか。ソロでもその時の印象って絶対にあると思うんですよ。Kalafinaでやっていた人のソロはどういうものかっていう、言い方を悪く言えば色眼鏡で見られる部分もあると思うし。
そうですよね。
――そこに対して、「私はこれをやります!」って押し出すタイプと、KEIKOさんみたいに「こういうのをいろいろやってみたいんですけどどうでしょう?」って伺いを立てるタイプ、両方あると思うんです。僕はKEIKOさんはソロをやる前の印象だと「私はこれをやるから聴いてください!」ってドーンと行くのかなと思っていたんです。ただ意外にお伺いを立てる感じできたから、そっちなんだっていうのは、勝手な僕の印象で驚きはありました。
そう。それで言うと後者ですね、わからないんだもん。本当にわからなくて。わからないことはわからないと言って、みんなに助けを求めて決めていくほうがいい。
――そこはシンプルなんですね。
うん、Kalafinaの場合とかは、自分の役割とかやるべきことがすごく明確で、求められていることで結果が出せたら次にステップアップという感じだったと思うんです。でも今はその結果がまず出せていないスタート地点なので、当然かなって。
――なるほど。
みんなに聞きながら「どう?」ってやっていくっていうのは、Kalafinaの初期にもたぶん自分たちでやっていたことなので。たぶんここからスタートかな。Kalafinaとは別物ですし。だからこそ面白いし、みんなで作っている感じがすごく楽しいです。音作りもだし、あとハーモニーも。
――ハーモニーですか。
コーラスアレンジは、その場で「コーラスを増やしたい」って思ったらその場で作っていくスタイル。プロデューサーの与田さんとアシスタントの麻美ちゃん(坂田麻美)と歌いながらバンバン増やしていっちゃったり、一応歌ってみてMIXしてみてマイナスしていったり……みんなで作りながら変化していく制作スタイルは本当に夢中になったな……。
――現場で変化していくのは面白そうですよね。
こういう音楽制作をしてみたいという希望があったんですよね。そういう積み重ねでみんなが手応えを感じてくれたら自分も「じゃあこれでいこう」って思えるんです。
――KEIKOさんの意見は最後に出す。
そう、最後!もうずっと見てる(笑)。どうだろう?みたいな。
大きなステージへのチャレンジは、ゆっくりでいい
――でもやっぱり、なんかこう、お話を聞いていても、ソロで楽しそうなのがやっぱりいいですね。
楽しいですよ。
――音楽をやって楽しそうなKEIKOさんを観るのが、僕らも嬉しいです。で、10曲かと思いきや最後に「茜」のアコースティックバージョンが入っていますが、なぜこれを入れようと思ったのかというところをお聞きしてもいいですか。
制作中に私の声だけを聴いたり、ギターだけを聴いたりする作業もしているんです。ある時リズム隊を全部消した「茜」を与田さんが編集していて。それで私がふと、これ弦だけのアレンジいいですね、すごく落ち着きますねと言ったら、作曲をしてくださった大島(こうすけ)さんが、弦のメロディをドラマチックに変化させてくれたんです。それならせっかくだからこのバージョンも入れる?ってなったんです。
――最初から意図してアコースティックバージョンを入れようというよりは、現場で生まれた。
そう。「いいですねえ、やっぱりこの『茜』のメロディがすごく美しくて、弦が優しく包んでくれて」って言ったんです。
――聴き比べると、意外にアコースティックのほうがドラマチックに聴こえるというか。
けっこう弦が激しいんですよ、メロディのラインがドラマチックで、私は好きです!大好きです!
――でも、なんかいいですね。セッションというか、現場感のなかから生まれてくる収録曲という。
一緒にみんなで作っている感があるアルバムができたと思っています。
――Kalafinaとしての活動のなかでもそういうグルーヴ感ってあったとは思うんですけど、「じゃあ入れちゃう?」みたいなことはソロで初めてですよね。
ないですないです。Kalafinaの場合は梶浦さんがイメージしたものが出来上がっての譜面と、楽器のレコーディングには携わっていないので、こういうのは初めてですね。
撮影:中田智章
――そして、この『Lantana』を引っ提げて、ライブが12月16日にZepp DiverCity TOKYOで予定されていますが。改めて意気込みを聞ければ。
意気込みはないですね。と言ったら語弊がありますが(笑)。そんなに意気込んでないです。ただ、なんだろう、ライブはさっきも言ったように会える機会をもらえているから、とにかく今年みんなお疲れ様っていう気持ちで生の音を浴びせたいですね。
――時期的にも仕事納めが近づいてくるタイミングですもんね。
そう。私のほうから意気込んで緊張感をとかじゃなくて、来てくれるお客さんと、配信組のみんなと「あー、今年もあとちょっとだー」って。今日楽しんで年末を乗り切るエネルギー源にしようとか、ちょっと師走で忙しいからすっごい現実逃避しようとか、めっちゃ笑おうとか、そういう気持ちで、リラックスとデトックスを(笑)。
――いいですね。
私としてはアルバムを出させていただいてすぐのライブになるので、それプラスアルファで、巨大ライブハウスZeppでやるという意味をいろんなところに散りばめてみんなをお迎えしたいなという気持ちですね。
――この間のFictionJunctionや配信でのライブもそうですけど、おひとりで立たれるじゃないですか。もちろんバンドの方はいらっしゃいますけど。Kalafinaのときは横に2人いて、FictionJunctionのときは大勢のなかのシンガーとして立たれている。ソロで真ん中に立つのってどうですか?
私Kalafinaの前もユニットだったから、本当に一人は初めてで。でもミュージシャンの皆さんと一緒に音楽を作っている感じがあったので、一人という感じはなかったんです。
――バンドメンバーの皆さんは確かに。
これがもしカラオケだったり。後ろにいてくださる方を全く知らないようなステージだったらもしかしたら一人ぼっち感があったんですけど。あの日は私の初めてのソロの曲たちを初めて聴いてもらうっていうことで、すごく丁寧に音作りをみんなで一緒にしていったんです。ミュージシャンの方と一緒にセッションしているみたいな感じだったから、なんか一人ぼっち感がなくて。
――今後もっと大きいステージに挑戦することも出てくると思うんですけど。
ゆっくりでいいですよ(笑)。ゆっくりゆっくりで大丈夫です。
――そこに対する気負い的なものはない?
ないですね。どちらかというと楽しむ感じのほうが強いです。お客さんと一緒にどうやって音楽を楽しもうかなというか。そのほうが強い気がする。
――それはいいですね。
なんでしょうね、考え込んで作りこんで立っているという感じよりは、良い音楽をそのときの生の音で届けるっていうそういうシンプルなところかな。
――今回アルバムも含めて聴いていて、特に僕は「溜め息の消える街」とかもそうなんですけど、なんかうっすらとジャズのような雰囲気を感じていたんですよ。
たしかに「溜め息~」とかは特にそうかも。
――で、今お話を聴いたらこれはまさに「セッション感」なのかなと思いました。このインタビューのなかでもずっと「やり取りをしていることが楽しい」とおっしゃっていて、そういう部分に表れているのかなと。
なんかこう歌を録る前、とくに「始まりは」とか「Ray」の初期は新しい発声でのレコーディングに慣れてなくて、恐る恐るだったな…って、鮮明に覚えています(笑)。
――恐る恐るな部分もあったんですね。
正直すごく不安じゃないですか。初めての歌声って。昔とは違ってこの声一択です、この声で持ってきましたっていうよりは、そこも一緒にみんなで「あっちかな?こっちかな?」って言いながら作っている感じが歌声にもありますね。
――聴きごたえがあるというか、何回噛んでも味がするというか、そういうアルバムだなという印象がありました。では最後に、ずっと応援している方、そして興味を持たれている方に最後にひとこといただければと思います。
Kalafinaのボーカリストとして10年活動してきた私が、初めてソロで歌ってみたい曲をこの1枚に収めてみました。みんなのどんな時の心に寄り添ってもらえるのか、そして、このアルバムを通じてみんなと繋がる入り口を見つけられたら嬉しく思います。
今年の締めくくりはライブで!配信もあるので是非一緒に過ごしましょう、お待ちしてます♪読んでくれてありがとう。
撮影:中田智章
インタビュー・文:加東岳史 撮影:中田智章

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