人間と吸血鬼のバディで魅せる! 舞
台『サーヴァンプ』 竹中凌平×千田
京平インタビュー

契約した人間の言うことを聞く“SERVANT(下僕)”の“VAMPIRE(吸血鬼)”=サーヴァンプと、契約により主人(イヴ)となった人間が吸血鬼同士の争いに巻き込まれ戦う人気バトルファンタジー・コミック『サーヴァンプ』。その初舞台化で主人公・城田真昼を演じる竹中凌平と、クロを演じる千田京平がこの取材日に初対面! 本番に向ける決意を語り合った。
──まずは原作をご覧になった感想をお聞かせください。
竹中:舞台化に際して最初にアニメを拝見して、吸血鬼と人間が契約を……という設定で、そもそも、そういうの、好きなんですよね、僕。……拗らせてるので(笑)。なのでもう最初からいい意味での中2病感、「設定からすごく好きなヤツだ!」ってなりました。その世界観を崩さず、舞台ではちゃんと城田真昼へと豹変したいなぁと思います。個人的には自分以外のシーンではありますが、主従関係にあるリヒト(イヴ)とロウレス(サーヴァンプ)が戦うシーンがもう……くすぐられましたね〜。ああいう普段クールなキャラがアツくなる瞬間って、やっぱりグッときます。
千田:僕もクロ役に決まったのをきっかけに『サーヴァンプ』を知ったんですが、凌平くんが言う“中2病感”ってすごくわかります! カッコよくて、面白くて、内容も濃いので、原作も読めば読むほどどんどんハマッていっちゃうんですよ〜。ビジュアルもそれぞれのファッションがカッコいいから……
竹中:そうなんだよねぇ。早くこの格好したい!
千田:ねっ。この姿で舞台に立ったときのことがすごく楽しみだなぁって思いました。あと僕は最初に敵キャラのベルキアと僕らが戦うシーンも結構衝撃的だったんですよね。原作でもアニメで観たときも。そこもね、どういう演出になるのかなとか、めちゃめちゃ期待しています。

千田京平

──クロは日光の下では猫、本来の姿は等身大の吸血鬼という二形態ですが。
竹中:あれ、どうやるんだろうね?
千田:わかんない(笑)。僕、まだ役者を始めて2年程なんですけど、こういうタイプのキャラクターを演じるのは初めてなんです! 不安もありますが、とにかく原作に忠実に役を創っていきたいと思います。
竹中:ね、野良猫とか見ると「おっ♪」って思う?
千田:思います!
竹中:ハハハッ(笑)。やっぱそういうのあるよね〜。
千田:はい。近所でよく見かける猫が、なぜか最近寄ってくるんですよ。
竹中:おおっ!
千田:一応「あ、にゃんにゃん」って(笑)、以前から存在は気にかけてたんですけど、本当に最近です。会うとこっちを気にしてくれるようになったのは。
竹中:猫的ななんかが出てるんじゃない?
千田:出てますかね……(笑)。猫の仲間ができて嬉しいです。それで今、段々と犬派から猫派になっているところ。
──真昼はごく普通の高校1年生。彼が偶然猫を拾いクロと名付けたことから、この物語は始まります。
竹中:彼の口癖は「シンプルに」なんですけど、ホントに良くも悪くも「フツー」。だから見る人にとっても感情とかわかりやすいんじゃないかな。真昼が思っていることをお客様も一緒に思っている、というか、そういうところで僕がみなさんを誘導していく。真昼の言動をわかりやすく提示することで、お客様もこの『サーヴァンプ』の世界にさらにのめり込んでくれるんじゃないでしょうか。
竹中凌平
──「普通の男の子」には過酷すぎる“吸血鬼との契約”を受け入れた真昼の心理とは……。
竹中:うーん……刺激が欲しかったんじゃないですか?
千田:おおっ!
竹中:きっと、性格上断れないんでしょうね(笑)。そもそもベルキアに襲われて、契約しないと自分も死んじゃうかもしれなかったし。面倒だなぁと思いつつも追い込まれていく中で、妥当な道を選択したんじゃないかなぁ。
──そうして契約することで最初の危機を乗り越え、やがて“バディ”となっていく真昼とクロ。演じる竹中さんと千田さんは今回が初共演になります。お互いの印象は?
竹中:ちっちの噂は前から聞いてたんです、「すごいいいやつだ」って。それで安心して共演できるなぁってまずホッとして、純粋に今日を楽しみにしてました。実際こうしてあってみたら……ホントにイイヤツだった! 
千田:凌平くんがいろんな舞台で活躍されているのは以前から見ていましたし、あと僕も「凌平くんはすごい良い人だよ」っていろんな人から聞いていて、いよいよ共演、早く会いたいなって思ってました。でも……逆に僕が「え?」って思われたらいけないと思って、今日は最初、かなり緊張してました。「嫌われないようにちゃんとしなくちゃ」って(笑)。
竹中:え、僕も思ってた! 「ちゃんとしなくちゃ」って。
──似た者同士(笑)。では、キャラクターとしての印象は?
竹中:最初に『サーヴァンプ』のキャラクターたちを見たとき、クロはちっちに合ってるなぁって思ったんです。彼、スタイルいいじゃないですか。だからね、僕もファンのみなさんと同じく早くクロになったちっちが見たい。一刻も早く! 
千田:ハハハッ(笑)。
竹中:すでにビジュアル的な雰囲気がイメージにぴったり。かっこいいクロになるんじゃないですか?
千田京平、竹中凌平
千田:あー、ありがとうございます。頑張ります! クロとしてはやっぱり早く真昼になった凌平くんと板の上で会話したいなぁって思ってて……真昼って、凌平くんも言うようにホントに「普通」なんです。でも演じるにあたっては「普通」のキャラって実は一番難しくて、それをより立たせるのは周りにいる僕を含めた他のキャラたちの個性なんですよね。それぞれのキャラがちゃんと自分たちの役を全うしないと真昼の普通さが魅力として立たないので、やっぱり僕らがまず頑張らないと──
竹中:そうそう。ま、みんな次第だよね、僕がちゃんと立つかどうかっていうのは……なんて、ちょっと便乗しちゃった(笑)。
千田:(爆笑)。そういう点でも僕も気を引き締めてね、凌平くんとがっつりとお芝居したいと思っています。
──共に「新作を立ち上げる」、という喜びもありますよね。
竹中:こうして“第一弾”というところから携われるときにいつも心に抱くのは、まずはその作品が次につながるようにしたいということ。第2作、第3作と続いていけばいいなぁという思いがありますね。「初めて」に挑んでいくときだけに感じる普段とはまた違った意気込みが絶対あるし、やはりすごく気合が入ります。ファンのみなさんもそうでしょうけど、役者もシリーズ化するって本当に嬉しいですもん。自分がやった仕事で結果を残していくという、そのやり甲斐がとても大きいので。
千田:これまで原作モノをいろいろやってきて、稽古で台本と向き合い芝居をする中、毎回毎回感情も変わったりするので……やっぱり一番大事なのは「鍛錬」だなぁと思う。いくら原作を読み込んでもそれだけでうまくいくわけはないので、日々試行錯誤、何度もトライしながら作品とキャラを掴んでいくしかないんですよね。稽古へ挑む姿勢とかやり方の意識をより丁寧に変えるだけでも世界観は変わっていく、さらに良いモノにできるんだってことを、最近すごく実感しています。
竹中:たまにさ、原作でまるまる1ページでっかい絵、とかあるでしょ? 扉絵や決めポーズとか。で、やっぱり役者的にそれは絶対やりたいし、演出家さんも「これやってみて」っていうんですけど──実際やってみると、「えっ、これ、身体どうなってるの??」ってなる。
竹中凌平
千田:そうそうそう! 思ったよりも難しいんですよ。
竹中:原作モノあるあるだよね(笑)。
千田:クロは猫背なんですよね。僕、割と胸張っているほうなので、今からちょっと猫背の癖をつけとこうかなって思っています。
竹中:そっかぁ。そうだね。うん、キャラのシルエットもやっぱり大事ですよ。
千田:……ですね。
竹中:僕は今27歳なんですけど、心は……というか、精神年齢は真昼と同じ高校1年生くらいだから、真昼を演じることに対して、な〜んにも心配ないです。むしろ普段通りでいけばいい。それに高校生は僕自身一度経験してますしね。経験したことのない境遇の役を演じるよりも、自分自身の昔の経験や思い出を引っ張り出して演じられる役のほうが苦になることは少ないのかなって思ってます。今回も真昼らしくナチュラルにそこに居られればいいなぁ。
──アクションシーンも多そうですし、見応えはたっぷり。稽古〜本番へ向けて、今、ご自身が目標に立てていることなどがあれば。
竹中:なんだろう……あ、数ヶ月ぶりの舞台だけど体力が落ちてるんじゃないかな、大丈夫かなって心配なので(笑)、1日2公演ちゃんとできるよう、スタミナをつけておかないとですね。ま、稽古をやっていけば自然とついていくとは思うけど、いつも以上に危機感持ってしっかり取り組んでいきます。
千田:僕は……漢字が読めるようになりたい。
竹中:えっ、漢字苦手なの?
千田:ちょっと苦手。漢字をもっと読めるようになりたいし、書けるようにもなりたい。台本も難しい漢字が出てくるとちょっとパニくります(笑)。
千田京平
竹中:それは同感(笑)。特に当日に台本を渡されてすぐ本読みに入るっていうとき、ちょっと困るよね。事前に時間があればわからないところも調べておけるけど、初見で読めない漢字に当たってなんだろうってなった時……よし、とりあえず思ったので読んでみるかって一大決心して口に出すと……
千田:大体違ってるんですよね〜。
竹中:うん(笑)。
千田:(笑)。そういう日常生活レベルから、改めてしっかり取り組んでいきたいと思います。
──では最後に作品の見どころ、楽しみどころなど、お客様へのメッセージを。
千田:今回は戦闘シーンも多いと思うんですけど、クロだったら「爪」とかヴァンパイアそれぞれに個性豊かな戦い方がありますし、イヴの武器も真昼だったら「ほうき」とかそれぞれに全く違うので、そこも大きな見どころになると思います。僕自身、どういう演出で戦いを見せていけるのか楽しみなので、みなさんもぜひその辺りも見どころにしていただければ。あと、わりとコメディータッチなシーンも多いので、空気の緩急、笑いとシリアスの表裏一体、みたいなところも魅力だと思います。
竹中:原作の世界観がすでにカッコよくて素敵なので、それが舞台上でお芝居として完成した時にはもちろんスゴイかっこいいし、素敵な作品になるはずだと思うんです。なのでお客様にはぜひ楽しみにして待っていて欲しいです。実は演出の米山(和仁)さんが日替わりネタを入れるのが好きだったりするから、そういうのアリでの舞台ならではの生っぽさも、何回見ても新鮮に感じられる要素になるんじゃないかな。あっ、日替わり……、僕はやりませんよ! みんなのネタを袖から見て楽しみたいと思います(笑)。
千田:ハハハハッ(笑)。
千田京平、竹中凌平
取材・文=横澤由香 撮影=iwa

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