森久保祥太郎・八代拓が紡いだ“ペイ
フォワード”な即興劇 【レポート】
『AD-LIVE 2020』9月5日昼・夜公演

即興劇✕謎解きで、『AD-LIVE』史上最も予測不可能な公演『AD-LIVE 2020』より、森久保祥太郎・八代拓が出演した9月5日公演(昼・夜)のレポートをお届けする(ネタバレなし)。さらにSPICEでは、イラスト連載『カンゲキさん』でおなじみのマンガ家・イラストレーター 木村琴々氏による『AD-LIVE 2020』イラストレポートもご紹介。まずはイラストで、9月5日公演の見どころをチェック!
9月5日(土)森久保祥太郎/八代拓 木村琴々 @k_kotokoto
『AD-LIVE 2020』の見どころ
『AD-LIVE』は、鈴村健一が総合プロデューサーを務める即興劇。舞台上で起こるいくつかの出来事が決まっているだけで、出演者のキャラクターやセリフ、物語の全てがアドリブで紡がれるという予測不能の舞台劇だ。数々の人気声優が挑み、誰も観たことのない奇跡の瞬間を生みだし続けてきたこの舞台。
12年目となる2020年公演では、「リアル脱出ゲーム」で知られるSCRAPとコラボし、即興劇にひらめきと観察力が試される謎解き要素がプラス。シーンによっては船長役・乗務員役の彩-LIVE(サブキャスト)キャストも登場し、予測不能な舞台の進行係兼謎解きのヒント係として、コミカルなアドリブで公演を支えていく。
9月5日(土)昼公演
配信ならではの演出で、よりドラマチックに
また、初の無観客ライブ配信を逆手にとり、ステージのあらゆる位置に設置したカメラから映し出される映像は、まるでドラマや映画を観ているかのように、見事な演出の一つとして公演を盛り上げていた。さらにキャスト同士も、ソーシャルディスタンスを保つ仕掛けが用意されるなど、例年の『AD-LIVE』にはない試みが随所にみられる。
9月5日(土)昼公演
『AD-LIVE 2020』は、ふたりのキャストが謎解き豪華客船で出会う乗船となって、謎解きと即興劇を同時に展開していく。登場人物はそれぞれに乗船した理由や目的をかかえており、即興劇のなかで徐々に明らかになっていくのだ。キャストが自身で決めたキャラクターを演じながら、謎解きをどうクリアしていくのも『AD-LIVE 2020』のポイント。果たしてどのような物語が紡がれるのか?
『AD-LIVE 2020』あらすじ

舞台となるのは“豪華客船”。謎解きが様々仕掛けられた“謎解き豪華客船ツアー”の船上で出会うのは、
【どうしても届けたい物がある人】と
【どうしても会いたい人がいる人】
順調に航海していると思われていた豪華客船は突如沈没の危機に遭遇! しかし、 脱出を試みる二人の前には様々な謎が立ちはだかる! 海をゆく船上、 限られた世界観の中で、 どんな物語が紡がれていくのか!? 果たして彼らは無事脱出し、 それぞれの目的を果たすことができるのか!?

「AD-LIVE 2020」開幕直前コメント 【9/5(土) 公演: 森久保祥太郎 ・ 八代拓】
【レポート】9月5日(土)公演 出演:森久保祥太郎/八代拓
※役名は“○○”、アドリワードは【○○】表記※
▼9月5日(土)昼公演
●森山健人(森久保祥太郎)
39歳。元銀行員。
9月5日(土)昼公演
●???(八代拓)
こう見えて46歳。若さの秘訣は【顔面国宝】と思いこむこと。
9月5日(土)昼公演
ボイスメモを吹き込みながら、ラウンジの様子を実況する乗客・“森山健人”。そこに、八代演じる“???”という男が現れる。ふたりはさっそく謎解きに取り掛かるが、森久保本人と、八代演じる“???”の声がなぜかそっくりなため、時々どちらがしゃべっているのか分からなくなるほど。日ごろから森久保のモノマネが得意で、森久保を師匠と仰いできた八代だからこそできることで、視聴者のコメントも最初から大盛り上がりだ。
9月5日(土)昼公演

9月5日(土)昼公演

部屋に入ったふたりは、自己紹介を兼ねた船長のカードトークコーナーを楽しむことに。キーワードを元にトークをし、お互いのことが分かった所で、食事のためふたりは別々の部屋へ。ところが嵐に巻き込まれた船は、座礁してしまう。これもゲームのひとつだと思った“森山”と“???”は、さっそく部屋から脱出するための謎解きを楽しむことになり、何とかふたりはこれをクリアする。

9月5日(土)昼公演
9月5日(土)昼公演
9月5日(土)昼公演
9月5日(土)昼公演
ようやくラウンジで合流したふたりは、船の損傷具合から、これが演出ではなく本当の緊急事態だと気が付く。船から脱出するための謎解きシステムが作動するのを待つことにしたそのとき、突然“???”があることを真剣に語り始めて――。
9月5日(土)昼公演
9月5日(土)昼公演

9月5日(土)昼公演
物語のテーマは「ペイフォワード」
ここから舞台はシリアスな方向へと一変する。それぞれの想いが伝わるカメラワークは、まるであらかじめ収録されたドラマを見ているかのような完成度だ。だがこれは生で行われている即興劇。また、舞台ではここまでじっくり見ることができないふたりの些細な表情や目線の変化を、リアルタイムに楽しめるのは配信ならでは。無観客生配信という、いつも以上に芝居の腕が試される状況で生き生きと輝くキャスト陣から、新たな『AD-LIVE』の魅力を受け取ることができた。
9月5日(土)昼公演

9月5日(土)昼公演

昼公演でふたりが紡いだ物語のテーマは、「ペイフォワード(Pay it Forward)」。いただいたご縁やご恩は次につなげるという意味の言葉であり、公私ともに師弟関係にある森久保と八代だからこそ、説得力をもって伝えることができる言葉でもある。『AD-LIVE 2020』のトップバッターにふさわしい、熱い感動を生む素晴らしい公演となった。
9月5日(土)昼公演
《昼公演アフタートーク》
終演後には公演を振り返るアフタートークも実施。初めて『AD-LIVE』に挑戦した八代が、ある種の禁じ手を初手に持ってきたことに「この一手がアリなのかどうか、毎晩考えた」と明かす。森久保自身も、なにかしら攻めたネタが来ることを予想はしていたものの、この展開は予想していなかったようで「すげえな!」と笑っていた。衝撃の初日公演の模様は、2021年2月24日発売のBlu-rayなどで、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
▼9月5日(土)夜公演
●カルロス(八代拓)
浮世離れした風貌の銀髪の男性。
9月5日(土)夜公演
●和田飛鳥(森久保祥太郎)
サングラスで目元を隠し、そっけない態度をとる男性。
9月5日(土)夜公演
口数も少なく、そっけない態度をとる“和田飛鳥”と謎解きのペアを組むことになった、銀髪の男・“カルロス”。“飛鳥”との会話がまったくかみ合わないまま謎解きゲームが始まってしまい、“カルロス”は何かと振り回されっぱなしだ。なぜ“飛鳥”がこんなにそっけないのかは不明だが、それでもなんとか謎解きをクリアする。昼公演を演じ終えて、森久保と八代が謎解きそのものに慣れたおかげか、最初から芝居を中心に即興劇が進んでいくのもおもしろい。
9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演
自分にまつわるのキーワードについてトークしていく船長のカードトークコーナーでは、ある人物の設定が昼公演の設定にもリンクしているという、AD-LIVEファンにはたまらない展開が始まっていく。
1時間以内に沈没!

ここで緊急事態が起きる。船が座礁し、1時間以内に沈没する恐れがあるというのだ。それぞれの客室に閉じ込められた“カルロス”と“飛鳥”は、ふたりの力で脱出を試みることに。柔軟なひらめきが試されるこの謎解きでも、“飛鳥”が“カルロス”をリードして無事クリア。だが相変わらず、“飛鳥”の態度はそっけないまま、物語は後半へ突入していく。
9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演
自分達だけが船内に取り残されてしまったとわかり、次第に焦りを募らせる“飛鳥”。そのとき“カルロス”が、船長の落としたカードを見つける。そこに書かれていたのは、“飛鳥”のもうひとつのキーワードだった。

ドラマは一気に、キャラクターの秘密を掘り下げるシリアスな展開へ。“飛鳥”の心には、なにやら深い傷があるという。やり取りをしていくうちに、ようやくふたりが初めて本音で向き合えるようになったその瞬間、森久保が引いたアドリブワードにはこう書かれていた。「【その笑顔に救われた】」。果たして二人が迎える結末は? 謎の多いドラマの結末を、ぜひ見届けてほしい。
9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演
9月5日(土)夜公演

9月5日(土)夜公演

《夜公演アフタートーク》
アフタートークでは、ようやく初出演のプレッシャーから解放された八代が「終わったー!! 明日から眠れます」と、初参加ならではの率直な思いをこぼす。そのうえで、「自分の思ってもみなかった結末に物語が展開していくことが快感だった」、「物語がいま動いている、生きているのを初めて体験できてうれしかった」と熱い感想を語っていた。森久保は、公演を支えてくれたスタッフへの感謝とともに、「八代くんと舞台上でからむのは初めてでしたが、思い出に残る作品を昼・夜紡ぐことができました」と公演を振り返る。そして配信を見ているファンに向けて、「皆さんからのお気持ちも届いております」と感謝のメッセージを贈った。
文・構成=実川瑞穂 イラストレポート=木村琴々

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