桂雀三郎、2020年のサンケイホールブ
リーゼで『米朝一門落語会シリーズ2
020「桂雀三郎独演会」』1日に落語6
席に初挑戦

11月29日(日)にサンケイホールブリーゼで行われる『米朝一門落語会シリーズ2020「桂雀三郎独演会」』。今年は雀三郎にとって初の1日2回公演となり、11時公演では「口合小町」、「胴乱の幸助」、「けんげしゃ茶屋」を、15時公演では「鬼の面」、「二番煎じ」、「夢の革財布」を口演する。
「恒例の独演会ですが、今年は2回公演をやることに。1日六席というのは全然自信がありませんが、やるだけやろうと思っております」と雀三郎。「万全に体調を整えて何とかやるぜー!と思っております。最後、倒れるところも楽しんでもらえたら」と冗談も交えて意気込んだ。
桂雀三郎
当初は1回公演だったものが、2回公演となったことから、ネタも練り直した。「全体のバランスを一番に考えた六席に。「口合小町」は珍しいネタで、米朝師匠がおやりになっていたのですが、サンケイホールでもかけていないと思います。今、やっている人がほとんどいません。今年の春先、何でやろうと思ったのか、もういっぺんこれをやろうと思って、ずっとネタをくっていたら、ものすごく難しいということに改めて気がつきました。歌うようにやらなあかんネタで、よっぽどくらないと出来ないなと思った」と雀三郎。
今年の春、コロナ禍で公演中止が相次ぐようになったころ、稽古を重ねた。「それでだいぶん、自分の中に入ってきたかなと。自分なりにやれる形ができてきたかなとは思います。簡単そうに見えて難しい、けど好きなネタ。滅ぼすのはもったいないので、聞いてもらいたいなと思いました」と一席目に「口合小町」を口演する理由を語った。
15時公演で披露する「鬼の面」も久しぶりだという。「20代後半から30代の初めにかけて掘り起こしたネタです。講談を元にしたものですが、枝雀師匠が「鬼の面」という題で落語をやっていたので、「こんなんやりたいんですけど」と師匠に聞いてもらったり、人の意見を取り入れたりして、数年かけて今の形にしました。これも爆笑ネタではないですが、自分も好きな噺です」と思い入れも深い。「珍しく秋だと分かる、晩秋のネタなので、そういう面でもぴったりかなと思っています」と季節感も楽しめるそうだ。ほか、「けんげしゃ茶屋」、「二番煎じ」、「夢の革財布」といずれも12月の出来事を描いたネタ。落語で冬の訪れをぜひ感じてほしい。
桂雀三郎
緊急事態宣言が解除されて以降、公演に収容人数の制限などがあり、舞台から見える光景もずいぶんと変わったと話す。「客席が市松模様になっていて、お客さんがみんなマスクしているというのも当たり前という感じになって、慣れてきているように思います。どちらかというと落語は、客席が密になっている方が空気がばらけず、やりやすいのですが、しばらくはこの状態に慣れないとしょうがないかな」と心境を明かした。
そして各地で落語会が再開されるようになった。再開後初の高座では「やっぱり勘が狂いました」と正直に話す。3ヶ月近く舞台に出ないことも来春50周年を迎える芸歴の中でも初めてのことで、「落語会の前の日に着物を着る稽古や、座る稽古をしてました」と笑顔を見せた。
50年という芸歴を重ねながらも「もっと面白くなりたい」と雀三郎。「そのために色々やっていかなあかんわけで。新しいネタに挑戦したり、ギャグを考えたりとか。でも、やることは今までと一緒ですね。稽古をする。 目標はもっとおもろい落語をやりたいということだけです」とシンプルながらも、果てることのない夢を語った。
『米朝一門落語会シリーズ2020「桂雀三郎独演会」』では他に、桂弥っこ、桂雀喜が出演。チケットは10月25日(日)から発売。

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