ザ・モアイズユー「今までやっていな
かったことにチャレンジしました」 
4ヶ月連続リリース作品第三弾「悲し
みが消える頃」インタビュー

コロナウイルスの影響で発売が延期となったEPに収録される予定だった4曲の新曲を、8月から4ヶ月連続で配信リリースしている大阪出身の3ピースロックバンド“ザ・モアイズユー”。今回SPICEでは、リリースに合わせて4ヶ月連続でインタビュー記事を公開。本記事では第三弾として、10月21日にリリースされた「悲しみが消える頃」についてのインタビューをお届けします。
──4ヶ月連続配信の第三弾、10月21日配信の「悲しみが消える頃」は、以登田さんが作詞作曲をされています。美しいスロウナンバーで、鍵盤がいい味を出していますけども、どういうものにしようと?
以登田:4曲の中でバラードがほしいっていうことになったんですけど、この曲も今までやっていなかったことにチャレンジしました。キーボードを入れたり、初めて女の子目線の歌詞を書いたり。
──女性目線の曲は前から書いてみたかったんですか?
以登田:そうですね。この曲は僕自身の体験談ではなくて、友人の話を聞いて、曲にしようと思ったんですよ。そういった、人から聞いた話で曲を作るのも初めてでした。
──サビの<悲しみが消える頃には 私もきっと消えてゆくの>ってめちゃめちゃ切ないですね。
以登田:一番最初にそのフレーズが出てきたんですよ。これはいい曲ができるぞ!と思って。それでそのままタイトルにもしました。
──キーボードを入れてみたのも結構自然な流れでした?
以登田:これもコロナの影響ではあるんですよ。スタジオで合わせられなくなって、打ち込みで詰めていくことになったときに、打ち込みやからできることをやってみようと思って。それでキーボードをちょっと入れてみたらだいぶハマったんで、これは入れたいなと思って、リョウくん(オザキ)に弾いてもらいました。
──オザキさんは元々ピアノを弾いてたんですか?
オザキ:いや、小学生の頃にピアノを1年ぐらい習っただけなんで、もう本当に触り程度ぐらいです(苦笑)。
本多:速攻さじ投げたな(笑)。あれってだいたいみんな5、6年とかやって辞めたりするけど。
──もっとやっときゃよかった……って後悔するやつですね。
オザキ:まさにそう思いながら弾いてました(笑)。
──(笑)。この曲、イントロのドラムは打ち込みになってますね。
オザキ:リモート作業中にいろんな曲を聴いていて、曲の頭に打ち込みのドラムっておもしろいなと思って。しかもバラードで。それで試しに入れてみたら、またそこにイトちゃん(以登田)がハマってくれて。
以登田:めちゃくちゃ気に入っちゃって(笑)。
オザキ:それをそのまま使っちゃったっていう感じですね。ドラムに関しては、イトちゃんの曲はファンタジーすぎる部分があるんで、世界観をいかに重視するかというところで、正直、今回の4曲の中で一番悩みました。レコーディングするにしても、イトちゃんの思い描いている世界観に合わせたほうがいいのか、それとも自分が歌詞を見たときのイメージで行ったほうがいいのか、いろいろ考えたし、探ったりしてたんですけど。
以登田:結局どっちで行ったん?
オザキ:最終的には合わせに行った。たぶんイトちゃんこう思てるやろうなって。で、実際に録った音を聴いたときに、やっぱこっちやったなって思いましたね。
オザキリョウ
──本多さんは女性目線の歌詞を歌ってみていかがでした?
本多:イトちゃんが持っている繊細な部分がおもいっきり出てるメロディだなと思って。そこを大事にしつつも、自分なりの歌い方を考えながら歌ってました。僕も4曲の中でこれが一番難しかったですね。なんか、切ないんですけど、弱々しい感じでもない、その絶妙なラインをいくというか。あとは儚さもあるから、まだギリギリ消えてないんやけど、もう半分以上は消えてて、背景が透けて見えるぐらいの半透明にはなってると思うんで、そこをどう表現しようかなと思ってました。
──以登田さんは、先月の「環状線」についてお話しされている中で、「恋愛曲が好きで書く」とおっしゃっていましたけど、そういう曲を作ろうと思って書くのか、自然とそうなっているのかどちらですか?
以登田:どうしてもそうなっちゃう感じはありますね。基本的に女の子がいないと生きていけないタイプなんで。
本多&オザキ:あはははははは!(笑)
──それをストレートに言えるのめっちゃかっこいいです(笑)。
本多:怖いよ~。
以登田:いや、だってみんなそうでしょ!? この世に男だけやったらみんな生きていけないでしょ!?
オザキ:それはそうやな(笑)。
以登田:そういうのもあって、自然と恋愛ソングになるっていう感じですかね。ただ、いつもうまくいかない歌になっちゃうんですよね。現実が全然うまくいかないんで。
──実話が多いんですか?
以登田:自分の心情とか恋愛観を表しているものが多いですね。僕の曲は、実話どうこうというよりも、頭の中で完結している曲が多いんですよ。それこそ「すれ違い」(8月配信楽曲)も、今までこうやってきたという歌ではなくて、頭の中で、こうしたらどうなるやろうって考えている歌なので。だから自分の心情を元に膨らませていくことが多いです。
オザキ:イトちゃんの歌って映画に近いんですよ。それは別にバラードだけじゃなくて、「すれ違い」みたいなアップテンポの曲でも。なんか、想像力が豊かというか。イメージさせる力が強いなって思います。
──風景や場面が頭に浮かんできますよね。
本多:自分は迷いとか葛藤を歌っていて、それは自分の心の中で思っていることなんですけど、イトちゃんの場合は心の中というよりは、それこそ頭の中で繰り広げられていることが多い印象はあって。まあ、ほんまに妄想癖というか。
以登田:そう言うとヤバいよな(苦笑)。
本多:主人公は頭の中がぐちゃぐちゃになるまで考えるんですけど、結果、その場からは一歩も動いていないというか。現実では何もしてなかったり、そのまま終わったりするんで。そういう、いい意味での情けない部分もありますね。で、こういう女性目線の曲を書かせると、頭の中で広がる世界がまた広くなるし、やっぱりいろんな場面が見える曲が書ける人やなって。自分とはまた違うタイプの葛藤をする人やなと思います。

取材・文=山口哲生 撮影=大橋祐希
※4ヶ月連続リリース作品第四弾「19」のインタビューは11月18日(水)に掲載予定!

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