岩坂 遼 (Vocal, Guitar) / 桑原あい
(Piano)による配信ライブ『Ad-lib&
session』開催~ライブレポートが到

浜田真理子小泉今日子が出演する『「マイ・ラスト・ソング・カジュアル IN シモキタザワ」~久世さんが残してくれた歌~番外編』への参加でも注目を集める21歳のシンガー・ソングライター、岩坂 遼と、ジャズ・ピアニストの桑原あいによる配信ライブ『Ad-lib&session』が、2020年10月7日(水)20:00よりイープラス・Streaming+を通じて行われた。
『Ad-lib&session』
岩坂 遼、という名に聞きなじみがない方も多いのではないだろうか。それもそのはず。彼は、もともと岩田遼平としてライブ活動を重ねており、音楽の道へ進む決意を込めて、この度の『Ad-lib&session』より、岩坂 遼としての歩みをスタートさせたのだ。新たな門出とも言えるこの一夜を迎えたことと、ライブハウスに立つ久しぶりの感覚、そして配信ライブというリアルの場とは異なる雰囲気もあり、冒頭は少し緊張をしているような面持ちに見えたが、1曲目の「可愛い世の中」が始まると、すぐにペースをつかみ、堂々と歌い上げていた。画面越しでも、そのふわりとした柔らかな空気が伝わってきて、彼の世界観にどんどんと惹き込まれていく。
『Ad-lib&session』
〈少しずつ 少しずつ 幸せになるのです〉と、前向きに語り掛ける「こんな月のよるに」や、〈笑われても阿呆でいようぜ〉とリスナーに寄り添う「阿呆」など、日常のちょっとした景色や気持ちを丁寧に切り取っていく彼の歌は、その包み込むような声も相まって、聴く側の心をじんわりとあたたかくする。中盤に登場した「洗濯機」は、相手との違いを感じながらも過ごす日々が混ざり合っていく、それも悪くないなと思える様子を洗濯機に見立てて綴っており、聴いていくうちに自分自身の日常とも重なり、映像が浮かんでくるような気持ちになった。歌詞のなかに込めた物語をしっかりと伝える、いつしかそれが観客の景色ともリンクしていく、そんな説得力のある声の持ち主であることも強みだと、改めて感じた瞬間だった。
『Ad-lib&session』
終盤では、桑原あいを迎えていままでのなかで一番大事にしたいという「電柱に花束」を披露。シンプルなギターの弾き語りに、徐々に加わっていく桑原の鍵盤の音は、カラフルな絵の具で色を足すかのように、楽曲に彩りを添えていく。最後の曲「あの雲のちょうど下あたり」は、よりカラフルに響くピアノに後押しされたのか、岩坂の声もまたまっすぐで力強いものになっていたことも印象的だった。
『Ad-lib&session』
自粛期間中に窓の外から聞こえた「ギターとっても上手だね、歌もとってもきれいだね、これからも頑張ってね!」という子供の声にときめいたというエピソードを語ったり、公演タイトルの通り、岩坂と桑原がセッションをする場面もあり、アーティスト・岩坂 遼の新たな一面や挑戦も見られた今回の『Ad-lib&session』。これから、岩坂 遼がどんな景色を見せてくれるのか、とても楽しみになる夜だった。10月7日(水)配信のアーカイブは10月14日(水)23:59まで、また第二回は10月21日(水) 20:00より行われるので、こちらもぜひチェックを。
『Ad-lib&session』
写真=三浦麻旅子 取材・文=長澤香奈

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