写真上段から時計回り、戸田源一郎(Ba&Cho)、カニユウヤ(Gu)、大武茜一郎(Vo&Gu)、岩本斗尉(Dr)

写真上段から時計回り、戸田源一郎(Ba&Cho)、カニユウヤ(Gu)、大武茜一郎(Vo&Gu)、岩本斗尉(Dr)

【突然少年 インタビュー】
この4人での演奏を
逃したくないと思うようになった

受け入れないといけないって
気持ちが大きかった

「青空」を聴いた時に思ったんですけど、大武さんのヴォーカルがどんどん力強くなっているのも変化のひとつだなと。

大武
さっき言った“リアルタイムの演奏を逃したくない”っていう気持ちと同じで、歌も逃したくないって考えるようになっていて。前までは音楽的にピッチが外れちゃうとか、声が掠れちゃってることを気にすることが多かったんですけど、それよりもその瞬間瞬間でどう歌を飛ばせるかってことを大事に考えるようになったというか。「青空」はトーイと出会ってから僕が歌詞を書いた曲なんですけど、そういった意識も含めて、今までの突然少年ではできなかった曲だと思います。
戸田
最初は弾き語りで聴いた曲だったんですけど、歌い方も捲し立てたりしてて印象が強かったので、それをどうやったらバンドでできるのか考えてた曲でした。そのパワー感を活かすために緩急があったほうが雷が落ちる感じが表現できるかなとか。
大武
弾き語りの時は歌詞を決めずにその場の感じで歌ってるところもあったから、バンドでちゃんとかたちになるかなと不安もあったけどできて良かったです。歌詞の情緒がすごく不安定なので演奏しててもカロリーの消費量が高めな曲だと思うんですけど、突然少年でそんな曲ができたのも新しい発見でしたね。

「青空」をはじめ、メンバーそれぞれの個性もよく出てますよね。「ラジオ」もかなり癖のある曲で。

戸田
この曲は普通の8ビートだけど演奏は捻くれてますよね(笑)。そのビート通りに弾くこともできると思うんですけど、それをどれだけおかしくできるかっていうのは大事な部分だと思ってて。「ラジオ」は恋の気持ちをテーマにしてるんですけど、恋ってひと筋縄ではいかないジャングルみたいな、山あり谷ありじゃないですか。生きている中で一番感情の浮き沈みがあるのは恋愛だと思うので、歌詞はシンプルに恋愛のことを歌ってるけど、演奏は捻らせて作ってます。

カニさんのギターも軽やかだけど耳から離れないフレーズですね。

戸田
カニは練習中も暇があったら“「ラジオ」やろう”って言うので気に入ってると思います(笑)。

今まではもっとヒリついているイメージがあったのですが、「ラジオ」をはじめ、今作では特に戸田さんが書いた曲にやさしさを感じることが多かったです。

戸田
とにかくメンバーのことも自分のことも受け入れないといけないっていう気持ちが大きかったんですよね。受け入れることとやさしさは近い感じがするので、自分では気がついてなかったけど、自然とやさしさがテーマになっていた部分はあるかもしれないです。新しく作った曲も多く、今を受け入れるためにはどんな曲が必要なのかって考えることが多かったです。

ずっと自分たちの気持ちを大事にして活動してきたバンドだからこそ、今作から感じる新鮮味や変化はメンバーのみなさんの心境とリンクしているものが多いですよね。感情を音にして壊すくらいの勢いが以前からあったけど、今回はさらに音楽にすることで伝わる思いやりが加わった印象もありますし。

戸田
ありがとうございます。やっぱり昨年の下半期からの1年間は突然少年にとって相当いろいろあった期間で、会った回数も高校時代よりも多いくらいだったから、今までやってきたことがこのアルバムで素直に表れていたら嬉しいです。取材を受けていて、アルバムを聴いてくれた方と話しても、素直に感想を言ってもらってることが前より増えた気がするんですよ(笑)。それは今までにない感覚でした。

10月からは全国各地のバンドとツーマンツアーが始まりますし、この1年間さまざまな試練があった中で進んできたわけですが、さらに筋肉質なバンドになった実感はありますか?

戸田
特に実感はないですけど、逞しさの中にやさしさがあるライオンみたいな感じになれたらいいですね(笑)。ただ筋肉を見せつけるわけじゃなくて、何かのために筋肉を持っているみたいな。あと、会いたい人に会いに行くっていうのは突然少年がずっと変わらない部分でもあるので、好きなものを追いかけてどう広がっていくのかっていうのは今後も楽しんでいきたいです。これからはアルバムを聴いて逆に会いに来てくれる人もいたら嬉しいです。

取材:千々和香苗

アルバム『心の中の怪獣たちよ』2020年10月21日発売 RED/Sony Music Entertainment
    • RED-016
    • ¥2,300(税抜)

『2nd Album「心の中の怪獣たちよ」RELEASE STREAMING TOUR "Finding KAIJU Tour 2020"』

10/22(木) 東京・新代田FEVER
w)the band apart
10/25(日) 京都・nano
w)五味岳久(lostage)、THE L.B.
11/08(日) 山形・酒田hope
w)FRIDAYZ
11/10(火) 宮城・仙台enn 2nd
w)KUDANZ
11/15(日) 東京・下北沢SHELTER
w)赤い疑惑
11/23(月) 愛知・今池HUCK FINN
w)mudy on the 昨晩
11/28(土) 北海道・札幌SPIRITUAL LOUNGE
w)Pampas Fields Noise Found art
12/06(日) 鹿児島・SR HALL
w)ZOKUDAMS

・全国各地のライブハウスで配信、生配信でツーマンライブとなります。
・配信チャンネル、スタート時間、チケット料金は各ライブハウスと相談して決定し、改めてご案内いたします。
・各都道府県のガイドラインに沿った感染症対策を充分に行います。
・世の中の状況を見て有観客については都度ご案内いたします。
・他地域での公演も調整中です。

突然少年 プロフィール

トツゼンショウネン:2012年に高校の軽音楽部で結成されたロックバンド。全国各地でアツいライヴを展開しながら、時にはマラソンに挑戦したり、米農家で田植え&稲刈りをするなど音楽以外の活動で身も心も鍛え続ける。『FUJI ROCK FESTIVAL』の新人登竜門ステージ『ROOKIE A GO-GO』で勝ち抜き、『FUJI ROCK FESTIVAL '19』のメインステージに出演。20年7月に岩本斗尉(Dr)の加入を発表した。突然少年 オフィシャルHP

「アンラッキーヤングメン」MV

「ボール」MV

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着