マカロニえんぴつ・はっとりがFM802
『MUSIC FREAKS』の新DJ就任、DJ飯室
大吾とラジオを語るーー「ラジオは自
分をさらけ出して良い場所」

FM802の人気プログラム、アーティストが隔週でDJを行う『MUSIC FREAKS』(毎週日曜22:00〜24:00)。歴代DJには、スガシカオKREVAKICK THE CAN CREW)、三浦大知、YONCE(Suchmos)、あいみょん、藤原聡(Official髭男dism)などが名を連ねるなか、今年2020年10月からの1年間は、マカロニえんぴつ・はっとり(Vo.Gt)とmiletの2人が担当する。先日10月4日(日)にはトップバッターとしてmiletが放送を行ったばかりだ。

そして今回SPICEでは、10月11日(日)の初回放送を控えたはっとりと、FM802 DJで『FRIDAY Cruisin’ Map!!』(毎週金曜日12:00~放送中)と、『802 MORNINGSCAPE』(毎週日曜日の29:00~放送中)を担当している飯室大吾をとの対談を実施。以前から交流のある2人は思い出話も程々に雑談の中からどんどんコーナー案を出していく。旧知の仲だからこその掛け合いから生まれる、はっとりならでは番組の形。それを予感させてくれる対談をお送りする。
飯室大吾(FM802 DJ)× はっとり(マカロニえんぴつ)
●リスナー目線で僕も話せないといけないなと思っています●
ーーマカロニえんぴつ・はっとりが2020年、10月11日の放送から『MUSIC FREAKS』のDJデビューということで。満を持して感があるね。FM802のDJとかスタッフさんとか、もう既に仲良いでしょ?
そうですね。大事なタイミングがあるごとにFM802さんとは一緒にやらせていただいてきたので。ここでDJを務めさせていただけるのは感慨深いですね。
ーー2019年のaikoさんが作詞・作曲した『FM802 ✕ TSUTAYA ACCESS! キャンペーンソング』にも参加してもらったしね。
本当に印象的というか、そのキャンペーンソングに参加したことで知ってくれた人が圧倒的に多かったです。
ーーaikoさんのファンの方々もマカロニの曲好きやろなと思うもん。思い起こせば色々あるね。そんなはっとりがこのタイミングで『MUSIC FREAKS』DJですよ。
さっき打ち合わせで聞いたんですけど、メールも凄い届くんですよね。
ーーそう、リスナーからのレスポンスが多い番組で、めちゃくちゃ届くの。かなりの数が来るからスタッフも大変だと思う。でもその分リスナーと一緒になって進めていくような2WAY感も味わえるから楽しいんじゃないかな。
「このメールに対してどういう曲を流そう」とかも考えていったり。楽しめそうです。
ーーリクエストもあるし、「このメッセージでこの曲のリクエストか〜、良いな!」みたいな瞬間とかもあるしね。あと、DJが紹介した音楽をキッカケに新しい音楽と出会うリスナーさんもきっと出てくるし。
そうですよね。背筋が伸びる責任感と言うか。今まで以上に話題になってる海外アーティストとか、耳のアンテナを立てていかないと。自分伝いに発進していくとなると、俺のボキャブラリーが乏しいと駄目なので。
ーー本来ミュージシャンは、言葉の説明よりも音楽で伝える人ですけど、DJは言葉で伝えないといけないもんね。
この音楽と僕はどこで出会って、この音楽のどこに感動してというのを、ある程度リスナー目線で僕も話せないといけないなと思っています。とりあえず「エモい」は禁じ手にします(笑)。
はっとり(マカロニえんぴつ)
ーーそれは僕も胸が痛いところががあるわ(笑)。
でも「エモい」でしか伝えられないときって無いですか?
ーーあるねん。実際エモーショナルロックというジャンルもありますからね。でも今の人たちが使う「エモい」って、全然違うもんな。もっと幅が広いよね。
音楽ジャンルのエモとはまたね全然違いますよね。汎用性が高い。
ーーいわゆる胸アツということやと思う。センチメンタルやね、おセンチと言っていこ。
それも手垢付きまくった言葉ですけどね。逆にあまり使われなくなった言葉だからこそね。
ーー同世代の邦楽ロックのアーティストの人たちとの関係とかもリスナーは聞きたいと思うよ。対談で「実は俺たち付き合い長い」とかそういった情報を聞くと嬉しかったりしますし。はっとりが、どういう人達と仲良くて、同世代にも影響を受けてる人がいたりするのかとか。
Saucy Dogの(石原)慎也との絡みも皆飽きてるころでしょうし(笑)。同世代の友達が実は少なくて。 コロナ禍の中で人とも会えないですし、この機会に友達も増やしていきたいですね。
ーー友達100人できるかなのコーナーをやったらいいんじゃない?
いいですね! コーナーも他力本願で、リスナーの方にどんなコーナー聞きたいですかと募集しようと思ってたんですよ。この人の音楽が好きと思って気になっていても、対バンして楽屋が隣になった時すら声かけができないので。
ーー例えば、「すごく気になってるけど、はじめましてのミュージシャン」がいたら最初どうします? オンラインで喋るのがいいのか、文章でコンタクト取るのが良いのか。
手紙がいいです。文章のほうが得意というか。自分の想いをしっかりまとめて、推敲して届ける。伝えるまでに時間の余裕が欲しいですね。対人だとその場で端的に伝えないといけないじゃないですか。本当に会いたかった人に会うと、言いたかったことが2割くらいしか伝えられないんですよ。
ーーそれめちゃくちゃ分かる。あとでなんであれ伝えなかったんやとか後悔するもん。文通を贈ろうのコーナーもやろう。
いいですね。ここぞとばかりにFM802の力を借りてコンタクト取ってもらって。お願いします(笑)。
●なんだかんだラジオは予定調和でいかないメディアだと思っている●
飯室大吾(FM802 DJ)
ーーリスナーと生電話とかもやってほしいなぁ。多分『MUSIC FREAKS』のリスナーさんにははっとりと直接喋って悩み相談を聞いて欲しいとかあると思うし。
悩み相談どんとこいですね。適当なこと言うの得意なので。
ーー適当と言ってしまってるやん。
でもアドバイスってそうじゃないですか。経験をもとに親身になって話すアドバイスもありがたいですけど、「こういうもんでしょ」とか、投げやりではない適当さというか、気持ちをふわっと軽くするアドバイス。それは得意だと思います。
ーーなるほど、いいですね。生電話以外にやりたいことありますか?
Zoomで部屋を見せてもらうとかやってみたいですね。
ーーなるほどね、ラジオだから見えるのははっとりだけですし。
僕がその間取りを言葉だけでいかに正確にリスナーに伝えられるかというDJの腕が試される企画。
ーーはっとりのDJの腕を磨こうのコーナーね。リスナーの70%以上が正確な間取りかけたら合格みたいな。
いいですね。Twitterのリプで回答してもらって。
ーー「扉そっちじゃないんだよなー」とかね。……なんの企画やねんこれ(笑)
そんな事してたら曲流す時間無くなっちゃう。
ーーそういうのって楽しいけどね。今聞いてるとリスナーとコミュニケーションをどんどん取っていきたい感じやね。
そうですね。こういう機会でもないと、実際の声は聞けなかったりするので。いろんな世代の方に、周りで流行ってる曲とか、次来るんじゃないかとよく話題になる曲とか教えてもらうのもリアルでいいなと思ってます。
ーーリスナーがはっとりに音楽を教えていく。「はっとりさんこれ知ってますか」のコーナーやな。
教えてもらった音楽をちゃんと聴きこんで、次の放送でどれが特に自分にハマったか発表という企画で。こんな感じにリスナーと一緒に番組を育てていきたいですね。
ーーなんだかんだ番組を一緒に育ててくれるのはリスナーですもんね。
本当にそうだと思います。こうやってコーナー案はどんどん出てきますけど、なんだかんだラジオは予定調和でいかないメディアだと思っているので、初回から何回目かは探りつつやっていきます。1年間あるので。
ーー自然に生まれる流れを大事にしていくのも『MUSIC FREAKS』の良いところだと思います。
あいみょんがDJを務めてた時はコーナーそのものがなかったと聞いてるので。その方向性もありですよね。他愛もないメールで妄想話に花が咲くというのも素敵な時間だと思いません? 友達に言ったら鼻で笑われそうな話とかも、はっとりに聞かせてほしいですね。
ーーマカロニのお客さんやったら面白いの送ってくれそうな気するよね。
そうですね。面白い人が多いと思うので(笑)。
●「自分のテンポで、そしてリスナーのリズムで」というテーマで行こうかなと思っています●
はっとり(マカロニえんぴつ)
ーーそういえばスタジオライブはやる予定あります?
弾き語りやっていきたいですね! Instagramで好きな曲のサビだけカバーして上げるというのは2年前くらいから定期的にやっていて。もっと聴きたいですと言ってもらえたりしているので、長尺版はラジオでという形で。
ーー良いね! SNSでアップされた動画を観るのと、ラジオの生放送で今この瞬間に歌ってるものを聴くというのはまた違うからね。
というか、弾き語りをする案が大吾さんに言われるまで出てこなかったのが、不思議でしょうがない(笑)。
ーーまず一つ目に出てきても良いアイデア(笑)。弾き語りで他のミュージシャンとセッションとかも面白そう。
やりたいことが多くて、曲を流す時間が本当になくなりそうですね。
ーーそこでしか聞けないことから、はっとりってこういう人だったのかとか、そういうのを想像させてもらえるのがラジオの楽しい部分ではありますからね。
パーソナル部分を話すのはちょっと恥ずかしかったりするんですけど、アルバムのプロモーションときはアルバムの話になっちゃうし、自分のことを話していないなと思うんです。ラジオは自分をさらけ出して良い場所でもあると思うので、どんどん話していきたいですね。
ーー根は人見知りでシャイなとこがあるはっとりも、このラジオの中でブースでたった一人ですから、リスナーと一対一になったらどういう事を話すんだろうというのも気になるところ。
いつもスイッチが入ってくるのが終盤で、リラックスして本音で話せるぞというタイミングで番組が終わってしまう。だからスイッチを入れるのを早くしようかなと思っています。でも一気に出そうとすると、収集つかないことになりそうなので。徐々にという意識は持ちながらやろうと思います。
ーーはっとりはおしゃべりも達者やし、心配なく始まりそうな気がするけどね。
まあ自分のテンポでというテーマで行こうかなと思っています。「自分のテンポで、そしてリスナーのリズムで」……これは見出しでお願いします。
ーーなんやその「お後がよろしいようで」みたいな顔は(笑)。
取り繕わず一緒にフリークスになろうぜと。
ーーおお。
音楽に狂っちゃおうぜと。
ーーおお!
俺たちには音楽があるんだからと。
ーーさっきからその顔なんやねん!(笑) これは毎回はっとりの名言にも期待やね。本を出そう。はっとり語録。
タイトルは『MUSIC FREAKS』で行きましょう。
ーーそこはひねらんのかい! ……いやー、始まる前から楽しい番組になりそう。
番組始まったら今まで以上にFM802のDJさんとも交流を深めるキッカケが増えますよね。
ーーFM802のDJとしてDJインデックスに名前が載るからね。あと、自分のロッカーが与えられるから、プロモーターさんとかが、オススメのCDを入れてくれることもあるし、そこにこだわってつかってる加湿器とか入れといてキャラ付けとかもできるよ。
そういうひとキャラほしいですね。もしかしてロッカーって一個の洗礼ですか。開けた時に普通やったら、「あぁ……」とかなるやつ?
ーーリスナーはロッカー与えられるのを知ってる人多いやろうから、どうなってるんですかという質問は来るでしょうね。
そうですか。……ヌードトランプ貼りまくろ。
ーー発想が昭和やねん(笑)。そもそもどこに売ってんねんヌードトランプ。
何があるかわからないから、なんか変わったの常に入れとこ。
ーーそれが毎回変わったら面白いよね。今回はこれ入ってますみたいな。
……本当にFM802のDJさんはハードルを上げてきますよね。
ーーせっかくやったら変化が欲しいやんリスナーも。「また変なものが入ってるんでしょ、はっとりさん」という気持ちで聴いてくれると思うよ。
なるほど。考えておきます。
ーーちょっとしたネタとしてね。一年後そこでハムスター飼っとってもいいかもしれん。
ハハハ!(笑) なんかカラカラ音が鳴ってると思ったらハムスターがいる! それ面白いですね(笑)。
●ラジオならではの楽しみ方はどんどんやっていきたい●
飯室大吾(FM802 DJ)
ーーいろいろ楽しみがありますね。半年分のアイデアは出たんじゃない?
本当にヘマだけはしないように。偉い人に怒られないようにしないと。
ーーはっとりが怒られない方法は簡単です。下ネタを言わなければ良いんです。
だから困ってるんじゃないですか。下ネタはバランスなんですよ。奥深い。とりあえず下品に行けばいいという時代じゃないから……。
ーーおぉ。どの口が言うてんのや。
ハハハ!(笑) 
ーー生放送のハプニングとして、言い間違いとかも愛嬌だったりするので、そこはリラックスしていけばいいと思う。むしろリスナーはそういう部分でグっときますからね。それこそSaucy Dogの石原くんなんかW杯と書いてるのを「ダブリューはい」と読んでたからね。
それ本気で言ってたんですか?
ーーそれが本気やってん。最高です石原くん。
僕も天の邪鬼(あまのじゃく)を「てんのじゃき」と読んでましたから、人のこと言えないんですけど(笑)。
ーー漫画のキャラみたいやな(笑)。そういうとこもはっとりらしさとしてね。開き直っていきましょう。初回になんの曲かけるとかは決めてるの?
ご近所挨拶を兼ねてmiletさんの曲か、景気付けに自分の曲をかけたほうが良いのかと考えてます。
ーーそういう選曲の楽しみもあるね。自分たちのバンドの曲とセットで聴いて欲しい曲とか、続けて聴くとちょっと聴き方変わってくるとかあるじゃないですか。聴き方の妙というか。
自分が意識したアレンジや、影響受けたフレーズも喋りたいですね。文字媒体だと伝わらなかったりするけど、聴いてみると確かに分かるとか。そういうラジオならではの楽しみ方はどんどんやっていきたいですね。オマージュした部分を流して、途中で止めて聴き比べてもらうとか。
ーークイズにしたら? 元ネタ流して、「この曲をオマージュしてマカロニえんぴつのある曲に入れています。どの曲でしょう?」みたいな。
面白そうですね。それを通じてオマージュに関しても、声を大にして伝え続けていきたい。全ては真似の連鎖だと。学ぶは真似るとも言いますから。僕自身、好きなアーティストが雑誌やラジオで「これがやりたかったんだ」とオマージュした元ネタを話してるのを聞いたら急いでCD借りに行って「本当だ、似てる……」と思えるのが楽しかったので。僕はどんどん言いたい派ですね。
ーーそうやって色んなとこの影響を受けて、マカロニの音楽は生まれてるわけやしね。
そうです。美味しい部分だけ取り入れたいいとこ取りバンドという感じです。
ーー番組を通じてそんなマカロニえんぴつの音楽を多角的に楽しめるというか、またぐっと魅力が出てきたらいいよね。最後真面目な話になったやん(笑)。
スイッチ入るのが遅い部分が早速出ましたね。こんな感じで徐々にやっていきます(笑)。
はっとり(マカロニえんぴつ)× 飯室大吾(FM802 DJ)
文=城本悠太 撮影=渡邉一生

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