【高槻かなこ インタビュー】
今のタイミングで
ソロデビューというのは運命的
自分名義のシングルだから
陰の部分も曝け出している
2曲目の「I wanna be a STAR」では作詞と作曲を担当されていますが、作曲は鼻歌ですか?
はい。「I wanna be a STAR」は歌詞を書いている時に“こんなメロディがいいな〜”って降りてきたので、鼻歌をヴォイスメモに録っておいて。それをスタッフさんにクラブっぽいサウンドにしたいとお話をして送ったら、いい感じにアレンジしてくれました。歌詞は私の今年の目標が“スターになること”だったので、それについて書きたいと思って。
でも、“スター”って漠然としていますよね。高槻さんの中ではどういう存在ですか?
その人のことをふとした時、元気にしてあげられる存在というか。その人が疲れたり落ち込んでいたりした時に、“かなこちゃんの顔を見たり歌を聴いたりすると、心が救われた気持ちになる”って思われるような存在が私の中でのスターかなって。あと、シンプルに“売れたい!”という意味もあります(笑)。
それも大事な要素ですよね(笑)。あと、歌詞では星のスターにもかかっていて。
私自身はそんなに明るく人を照らせないから、太陽っていうタイプじゃないと思っていて。だからって月までもいかないから星かなと。歌詞は病んでいる時に書くとお話をしたように、私には陰の部分が結構あるので、今回は自分名義のシングルだし、そういう部分を出してもいいかなと思って曝け出しています。
3曲目の「アイシテルは♡グラム?」はブラスセクションの入ったジャズテイストのあるポップナンバーで、歌詞の切り口が面白いですね。《la la la…》というコーラスもあって、ここはみんなで歌えそうだし。
3曲目をどうするか話し合った時、ライヴでみんなと歌えるポップな恋愛の歌詞で、楽しい気持ちになれる曲がいいとお伝えしたところ、宮崎 誠さんが作ってくださったんです。実際にみんなで歌って踊って楽しめる曲になりました。タイトルは“アイシテルは何グラム?”と読むんですけど、“愛を数値化して測っている専門家や研究家はいるのかな?”ってふと思ったんです。そのことをメモしてあって、この曲をいただいた時に“あのメモがハマるかも!?”と思って書きました。
愛が数値化されて、相手の愛の量が少なかったらショックですよね。
そうですよね(笑)。でも、よく恋愛の話で“重い”とか“軽い”って使うじゃないですか。“愛の単位として重量を使うのってどういうことだろう?”って思っていて。そういう乙女心を書いていて、こういう歌詞を書くのが一番好きですね。言葉遊びを考えるのも楽しいし、キュンとする感じを書くのは楽しいです。
歌詞に《PIZZA×COKE》と出てきますが、よく食べるんですか?
“ピザ×コーク”も好きですけど、正直言うと“ぼんじり×ビール”です(笑)。この夏は暑かったからビールが美味しくて! やっぱりビールと言えば焼き鳥じゃないですかね(笑)。
確かに(笑)。今回のシングルはロック、クラブテイスト、ポップと多彩で、高槻さんのさまざまな魅力が感じられました。普段はどういうジャンルの音楽を聴くんですか?
雑食なので、その時でハマる音楽ジャンルがまったく違うんです。バンドにハマったり、アイドルにハマったり、洋楽ばっかり聴いている時もあるし。ジャンル問わず好きな曲を入れているプレイリストがあるんですけど、シャッフルで聴いたらきっと意味が分からないと思いますよ(笑)。ミュージカルが流れたと思ったら次はアニソンで、K-POPが流れてという感じなので。ちょっと前までは『Nizi Project』にハマっていました。
NiziUですね。
そうです! 『Nizi Project』の中で練習曲になっていた曲をよく聴いていました。J.Y. Parkさんの言葉にはめちゃめちゃ感動したし、自粛期間中は歌ったり踊ったりできなかったから、“早く歌いたい!” “早くリハーサルしたい!”って思っていました。リハーサルが始まったら、J.Y. Parkさんに見られている気持ちでやろうって、その時はめちゃめちゃ意識が高かったです(笑)。
ああいうオーディションは、やっぱり刺激を受けますよね。
職種が近いのもあるし、ピシッとしますね。“こんなに若い子たちが切磋琢磨しているんだから私たちももっと頑張らないといけない!”って。でも、私、流行ると飽きちゃうタイプで、みんなに“これ、いいよ!”ってオススメするんですけど、みんなの中で流行った時には次の違うものを探しています。
では、最後にソロアーティストとして今後やりたいことや目標を教えてください。
自分がやりたいことをやるのが一番ですから、作詞や作曲はもちろん、ビジュアルのアイディアを出すなど、いろんな面で自己プロデュースしていきたいです。あとは、生で歌を聴いてもらうのが一番心に響くと思っているので、状況が落ち着いたら生歌を届けたいと思っています。そういう意味では、ソロで東京ドームに立つのもそうで…でも、いきなりアリーナとか大きなステージには立つのではなく、まずはライヴハウスから始めて、コツコツと積み上げていきたいですね。ソロアーティストとしては、まだデビューしたばかりなので。
取材:榑林史章