水樹奈々

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【水樹奈々 インタビュー】
歌でみんなを元気にしながら
コロナをやっつけたい!

40枚目のシングルとなる「FIRE SCREAM / No Rain, No Rainbow」はタイアップに寄り添いながらも、コロナに打ち勝ってみんなを元気にしたいという彼女の願いが込められた一枚に。それぞれの楽曲に込めた想いを語ってもらった。

曲のポイントは“構成力”
これまでの全要素が織り交ぜられている

ゲーム『戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED』の主題歌でもある「FIRE SCREAM」はタイトルからして曲の激しさが伝わってきます。

いつも暑苦しくてすみません(笑)。『シンフォギア』シリーズの歴代の楽曲はこれまでも激アツで、魂を燃やして、その叫びをメロディーに乗せているイメージで制作してきました。ストレートだからこそ伝わるものがあると思っていて。今回の曲も直球で、攻撃的に歌い上げるメロディーが印象的なので、タイトルは難しい言葉を使うよりも、ひと目見ただけでどんな曲か汲み取ってもらえるような…それこそアツさほとばしるワードにしようと、初めて“FIRE”という言葉をタイトルにつけさせていただきました。

楽曲はデジタルが前面に出てこないバンドサウンドで、まさしく直球ですね。

前回の主題歌「UNLIMITED BEAT」(2016年12月発表のアルバム『NEOGENE CREATION』収録曲)がゴリゴリのロックテイストで男らしいサウンドだったので、その意思を継いだ曲にしたいと思って。バンドサウンドをメインに置きつつ、そこに新しいエッセンスを加え、バンドサウンドとは真逆の女性的なしなやかさや優雅さも持つ曲に仕上がりました。

コーラスとのかけ合いが中心にあって、Dメロでとてもメロディアスなメロディーも出てきますね。

Bメロから始まる珍しい構成になっていて、随所にかけ合いがあって。みんなと呼応し合うようなコール&レスポンスをたくさん散りばめたいと話し合った結果、このかたちになりました。また、DメロとBメロにはロングトーンが登場し、ファルセットも効果的に入れています。包み込むようなやさしさやしなやかさから、ただ必死に食らいついていくだけじゃない、キャラクターたちの経験や成長も感じてもらえたら嬉しいです。

『シンフォギア』シリーズの楽曲はアニメ、ゲーム、挿入歌含めて今回で9曲目。これまで水樹さん史上最高音や最速など何かしらありましたが、今回は何か記録更新した部分はありますか?

相変わらずテンポが速くてミュージシャン泣かせの曲ですし、常にフォルテッシモ状態でキーの幅も広いスパルタで…全ての要素が織り交ぜられているので、“これひとつ”というのではなく、ポイントは“構成力”だと思っています。そもそもこの曲は終始力強く、私自身も思わず息を止めて聴いてしまうほど圧が強いので、だからこそ負けまいと100の力で向かおうとしてしまうんですけど、そうするとトラックと歌がお互いの良さを打ち消し合ってしまうんです。嵐のような音圧と迫力に対して、力強くぶつかり合う時もあれば、柳のようにしなやかにいなしながら、しっかり芯をとらえていく時もある…絶妙なメリハリを作らなければ、この曲の魅力は伝わらないんじゃないかなと。これまでの曲も毎回自分なりに構成を考えて臨みましたが、今回はシンプルだからこそ、それがより重要でした。

歌詞は“絶唱”を“愛の旋律”と読ませるなど、今回も水樹さんワードが満載で、まさに命を削るような壮絶さを受け取りました。

歴代の『シンフォギア』シリーズには“歌は愛”というテーマが受け継がれているのですが、キャラクターたちが自分の命を顧みず、大切な者のために戦う姿はとても美しく、そこから生まれる音色には無償の愛が満ちていると思うので、“絶唱”を“愛の旋律”と読ませ、歌い出しの一番印象的な部分に持ってきました。特に今はコロナ禍で、みんなストレスや不安を抱えて心が弱っている時期だからこそ、歌でエネルギーを届けられたらと思って。『シンフォギア』の物語では特異災害ノイズという未知の敵を歌で打ち砕くのですが、それこそ私も歌でみんなを元気にしながら、コロナをやっつけたいという気持ちで書いたところもあります。

そんな水樹さんの想いの強さが宿っているだけに、言葉もいつも以上に激しいです。

自分も歌手デビュー20周年記念のツアーが残念ながら中止になってしまって、みんなに会いたい気持ちが募っていたので想いがあふれてしまい、よりパワフルな歌詞になりました。

また、MVはソーシャルディスタンスを逆手に取った作りで、すごく臨場感が感じられました。

リモートレコーディング風の映像を撮影したのですが、その都度換気しながらソーシャルディスタンスを守って撮れるものを考えたので、今だからこそのプランじゃないかと思います。メインのカメラが遠くに1台、私やバンドメンバーの周りにGoProという小型カメラが25台あって、一回フルコーラスを歌うと26カット同時に撮れるんです。撮影時間の短縮も狙いました。カメラ目線がワンカットもないMVも初めてで、レコーディング現場にカメラが密着しているような、ドキュメンタリー調の雰囲気を感じていただけると思います。

冒頭に発声練習をするシーンがありましたが、実際に歌う前にやっているルーティンでなんですか?

レコーディングやテレビ番組など、歌う前には必ず行なっているウォーミングアップです。なかなか人前でやる機会がないものなので、私としては恥ずかしかったのですが、監督から“今回ならではのものだから、ぜひ”って(笑)。

さらに歌い終えて息を切らせているところまで入ってて。

バンドメンバーは当て振りですが、私のマイクは生きていて、最後の息づかいもその時のリアルなものなんです。いつもMVで歌唱シーンを撮る時は表情やパフォーマンス重視なので軽くリップシンクするだけなのですが、今回はレコーディング風で…しかもドキュメント調ということで、本意気で歌っています!
水樹奈々
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シングル「FIRE SCREAM / No Rain, No Rainbow」
シングル「FIRE SCREAM / No Rain, No Rainbow」

OKMusic編集部

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