シス・カンパニーが“短期集中決戦”
で加藤拓也の新作『たむらさん』を上
演、出演は橋本淳・豊田エリー

シス・カンパニーは加藤拓也が作・演出を手掛ける『たむらさん』を、2020年10月9日(金)~11日(日)に新国立劇場小劇場で上演する。出演は、橋本淳、豊田エリー。
当初シス・カンパニーは2020年9月から10月にかけて公演をおこなうために新国立劇場小劇場を押さえいたが、コロナ禍の影響により予定されていた公演期間を変更・短縮することとなった。これによって劇場スケジュールに数日の空きが生じたことを無駄にしないよう、「こんな状況なのだから、”何か面白いことをやってみよう“」と、声をかけた相手が、脚本家・演出家の加藤拓也だった。
加藤は<劇団た組。>で純度の高い劇世界を生み出し、注目を集めてきた新進気鋭のクリエイターであり、シス・カンパニーとは2021年以降に実現予定の幾つかの大きなプロジェクトを既に温めていたというが、今回シスからの急なオファーを受け、彼は即座に、短編小説のような手触りをもつ戯曲『たむらさん』を書き下ろした。さらに、過去、作者の作品への出演経験を持ち、その世界観をよく知る二人の俳優、橋本淳、豊田エリーが運よく参加可能となったことで、シス・カンパニー初の“短期集中決戦”が決定した。
物語は、ある男が淡々と語り始める冒頭から、そこは『たむらさん』の世界……なのだそうだが、それ以上の設定や登場人物の紹介などは一切、事前には明らかにしないとのこと。謎を投げかけているようなタイトルに想像力を刺激されるままに、何が舞台で待っているのかは、あくまで「劇場でのお楽しみ」とのことだ。
作・演出および出演の三人から届いたコメントを以下に紹介する。
■作・演出:加藤拓也(かとう・たくや)
加藤です。劇を書いている時は複雑な事は複雑なまま理解できる大人になりたいと思ってたのですが、なんといざそんな世界になると難しくて嫌になってしまいました。
簡単な世界の方には簡単には戻らないのでしょうけれども楽がしたいのでどこかでずるできないか考えてしまいます。今回の劇では複雑な事をそのまま持ってる人と簡単にしてしまった人が出てきますが、何度か一緒してる橋本さんと豊田さんは、ややひねくれつつ、やや真っ直ぐなので、そういうものがうまく舞台の上にやや乗せできると思っています。
加藤拓也
■出演:橋本 淳(はしもと・あつし)
「たむらさん」のお話を頂いたとき、すぐに飛びつき、面白いと心から思える企画に心躍りました。しかし、その数秒後には、恐ろしいほどの恐怖感が襲ってきました。
今現在もずっと襲われています。わたくし、襲われ続けています。
しかし、恐怖心が大きいほどに、それは返ってくるものも大きいということ。
どうせなら思い切り楽しもうと思ってなんだか開き直ってもいるという不思議な現状。
皆様への情報開示もそこまでしていないので、どんな内容かは分厚いベールに包まれていますが、期待大の"挑戦作" です。憧れであったシス・カンパニーさん、そしてとても信頼している作演の加藤拓也氏と共演の豊田エリーさん、この上ないほどの贅沢な場で、思い切り羽を広げさせてもらいます。
コロナ禍でなかなか劇場に足を運びづらい時節ですが、皆さまに届く歪な作品をお届け出来る様に、最後まで闘います。お楽しみにしていてください。
橋本淳
■出演:豊田エリー(とよた・エリー)
加藤さんの描く人間は、確かに生きていると信じてしまう実在感に溢れていて、橋本さんもまた人の弱さや歪みも含んだリアルな様を表現するのが素晴らしいので、これからはじまる稽古が楽しみで仕方ありません。
今回の作品について、まだお伝えできることは少ないのですが、脚本を読んだ時に味わった、足元がぐらつくような感覚をみなさまにもお届けしたく思っています。憧れのシス・カンパニー公演。これまでに幾度となく足を運んだ新国立劇場 小劇場。
どひゃー、ドキドキです。
豊田エリー

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