安藤裕子のMV「一日の終わりに」を短
編映画化した齊藤工監督作品『ATEOT
D』の上映イベントが決定 齊藤工×
安藤裕子の対談が到着

安藤裕子最新MV「一日の終わりに」を短編映画化した齊藤工監督作品『ATEOTD』の上映イベントが、9月26日(土)に大分と東京で開催されることが決定した。
俳優・フィルムメーカー・白黒写真家などマルチに活躍を続ける斎藤工が、齊藤工名義で企画・脚本・監督を務めた最新短編映画『ATEOTD(アテオッド)』。その上映イベントが9月26日(土)に大分・別府ブルーバードにて開催され齊藤工が登壇、また東京・イオンシネマ板橋に生中継をつなぎトークショーが開催される。イベント上映チケットは、9月24日(木)より販売開始となる。
さらに、映画『ATEOTD』齊藤工✕安藤裕子のスペシャル対談が到着した。安藤裕子の最新MV「一日の終わりに」や映画『ATEOTD』が作られたきっかけ、キャスティングのいきさつ、制作秘話などが語られている。
齊藤工✕安藤裕子スペシャル対談
安藤裕子(以下、安藤):もともとMVを自分で撮りたいという思いもあったのですが、コロナウィルスの感染拡大をはじめとする様々な状況のなかで、どなたかに撮っていただくほうがいいとなって、まず浮かんだのが齊藤工さんでした。「齊藤さん……、撮ってくれたりしないだろうか」と呟いたのがキッカケですね。
齊藤 工(以下、齊藤):もともと安藤さんのファンでしたし、僕が監督した『フードロア:Life in a box』に出演していただいたご縁もありますので、“できない”という選択肢はありませんでした。僕は自分の作品に参加してくれた方には“一生なんでもします券”をお渡ししたつもりでいるので。
安藤:(笑)。
齊藤:僕は、安藤さんの世界観をずっとシネマティックに感じていて。MVを制作していない楽曲であっても、すごく映像的な曲が多い。だから物語やキャスティングへの想いがご自身のなかに具体的にあるのではないかと思ったのですが、むしろ自由度を与えてくださった。
安藤:せっかく託すのであれば純粋に音問から拾った監督の視野に触れてみたくて。自分の曲から別の物語が生まれることがおもしろかったです。しかもコロナ禍の今に対するいかけが含まれていて、音だけを辿った映像が世の中にたくさんあるなかで、ちゃんと作品になっているのが本当に素晴らしいと思いました。
齊藤:安藤さんの歌詞と、自粛期間中に僕が色々と感じていたことが必然的に線でつながったんです。歌詞に込められた本質的に大事なこと、つまり“人に会いたい”気持ちや、“だれかを想う”ということがコロナ禍でよりプラトニックさを帯び、意味を増している。それから、願いの木を描いた「Barometz」というアルバムがリリースに至るまでに辿ったプロセスそれ自体も映画的に感じられたんです。だから『ATEOTD』は劇中で他の楽曲の歌詞の抜粋をモノローグにもしましたし、このアルバムが持つフィロソフィーの象徴となる映像作品に位置付けています。
安藤:自粛期間というのは世界中の人にあった時間で、そのときみんなが必要としたのが、ひとの肌や声、そして実際に会うこと。これがないと意味がない。でもどんどん失われつつある。そういう体感のなかで、テーマ自体が大きく育っていきましたね。
齊藤:一日の終わりをどう過ごすかは、人それぞれですけど、僕は明日への救いや希望があるからこそ、その日を終えることができると思ったんです。そして、それが自分の描くべきものなのだと。
齊藤工、安藤裕子  Photo by 朝岡英輔
――門脇麦さんと宮沢氷魚さんというキャスティングは、安藤さんの意向だったそうですね。
安藤:セリフ劇ではないですし、とても幻想的な世界なので、“目で語る人”がいいなって。それでパッと浮かんだのが門脇麦さんと宮沢氷魚さんでした。実現したのは齊藤監督の人望あってのことですが、実際おふたりじゃないと、あの絵は難しかったですよね。
齊藤:ビジュアルも大事な要素ですが、それ以上に、門脇さんと宮沢さんが対峙した化学反応によって何が生まれるかが、ある意味この物語のすべてなんです。だから、彼らが持ち合わせる“成分”の混ざり方が、本能的に安藤さんの目には見えていたのでしょうね。
安藤:深い闇が描かれていながらも、おふたりが演じることで、恐怖を与えずにちゃんと絵本の世界を体現できていますよね。もし彼らでなかったらもっと邪悪なものが混じってしまったと思います。
齊藤:絵本の世界の住人は、人を選びますよね。
安藤:門脇さんご本人は明るい方かもしれませんが、すごく憂いのある、悲しみを含んだ瞳の持ち主ですよね。もう人類が自分しかいないっていう設定のなかに置かれても彼女は佇んでいるだけでちゃんと絵になっていた。
齊藤:主人公は安藤さんの分身でもあると思っているのですが、月か太陽かで言うと月の魅力を持つのが、おふたりに通ずるところですね。
安藤:宮沢さんは、対(つい)になる瞳の持ち主。まさに太陽ですね。“明日がある”と思わせてくれる逞しさや雄々しさを瞳の奥に秘めながら、透き通る希望の泉のようでもあって。宮沢さんは未来をもたらす存在です。
齊藤:今こうして氷魚さんのことを想うだけでも何かが浄化されてる感じがするんです。そういう神々しい象徴たり得るのは、彼のもつ聡明さや純度の高さゆえですけど、お話ししてみると年相応の若者の一面もある。……彼みたいな人って今までいなかった気がして。これからも何かと競うでもなく、呼吸をするように、いろんな作品と向き合っていくのでしょうね。
齊藤工、安藤裕子  Photo by 朝岡英輔
――安藤さんが初めて劇伴を手掛ける作品にもなりました。
齊藤:この世界にしか鳴らない音がある気がしていたので、根源的なものを共有していないとその音は生みだすことはできないと思い、急遽お願いしました。
安藤:作品をずっと横で見て育てているなかで「こういう音が鳴ったらな」と前向きに感じていたものがあって。絵と同じように増幅する音ができたら成功かなと。
齊藤:これが何かのきっかけになれば嬉しいのですが。僕や清水康彦監督からも、また劇伴のお願いがいくかもしれません。
安藤:楽しかったので、またお待ちしています!でも締め切りだけはもうちょっと長くしてもらえると嬉しい(笑)。

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