BUCK-TICK、
メジャーデビュー33回目の記念日
&アルバム発売日に行なわれた
無観客生配信ライヴをリポート
BUCK-TICKが、9月21日(月・祝)33度目のデビュー記念日に22枚目のオリジナルアルバム『ABRACADABRA』をリリースした。さらに、同日初の無観客生配信ライヴを開催。
本公演は、彼らとしては2020年初ライヴとなった。1991年にBUCK-TICKは無観客ライヴを生放送するという、当時としては画期的な試みを行ったことがあるが、約30年のときを経て初の無観客生配信ライブが行われた。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、5月・6月に予定していたファンクラブ・モバイル会員向けのコンサートツアーが延期となり、いつライヴができるのか見えない中、メンバーの要望でニューアルバムの曲を生配信でいち早く披露するために行うに至った。
生配信では、冒頭約1時間に及び初公開となるメンバーインタビューが公開された。そして、20:00を少し過ぎた頃、いよいよライヴ本編がスタート。本編は、同日にリリースとなったアルバム『ABRACADABRA』収録曲を再現するかたちで、アルバム1曲目に収録されている「PEACE」(SE)が流れる中、5人のメンバーが登場、M2「ケセラセラ エレジー」からM14「忘却」までアルバムの並びのままに生演奏が行われた。先にリリースされたシングル収録楽曲「獣たちの夜」「堕天使」以外は全ての新曲が初公開となった。ライヴ本編は、『ABRACADABRA』の全曲を披露し幕を閉じた。そして、アンコールは5曲が演奏され、バンドとファンにとって特別なライブは終演を迎えた。本ライヴは生配信であったが、見逃し配信も行われている。詳しくは特設サイトでご確認いただきたい。
生配信ライヴと同日にリリースなったアルバム『ABRACADABRA』は、デビュー記念日に堂々のオリコンデイリーアルバムランキング1位(9/22付)を獲得。アルバムは、CDパッケージだけではなく、アナログレコード、カセットテープ、ハイレゾ配信、ストリーミング配信と現在考えうるオールフォーマットでのリリースされている。2020.9.21は、ファンとバンドにとって特別な1日となった。
本公演は、彼らとしては2020年初ライヴとなった。1991年にBUCK-TICKは無観客ライヴを生放送するという、当時としては画期的な試みを行ったことがあるが、約30年のときを経て初の無観客生配信ライブが行われた。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、5月・6月に予定していたファンクラブ・モバイル会員向けのコンサートツアーが延期となり、いつライヴができるのか見えない中、メンバーの要望でニューアルバムの曲を生配信でいち早く披露するために行うに至った。
生配信では、冒頭約1時間に及び初公開となるメンバーインタビューが公開された。そして、20:00を少し過ぎた頃、いよいよライヴ本編がスタート。本編は、同日にリリースとなったアルバム『ABRACADABRA』収録曲を再現するかたちで、アルバム1曲目に収録されている「PEACE」(SE)が流れる中、5人のメンバーが登場、M2「ケセラセラ エレジー」からM14「忘却」までアルバムの並びのままに生演奏が行われた。先にリリースされたシングル収録楽曲「獣たちの夜」「堕天使」以外は全ての新曲が初公開となった。ライヴ本編は、『ABRACADABRA』の全曲を披露し幕を閉じた。そして、アンコールは5曲が演奏され、バンドとファンにとって特別なライブは終演を迎えた。本ライヴは生配信であったが、見逃し配信も行われている。詳しくは特設サイトでご確認いただきたい。
生配信ライヴと同日にリリースなったアルバム『ABRACADABRA』は、デビュー記念日に堂々のオリコンデイリーアルバムランキング1位(9/22付)を獲得。アルバムは、CDパッケージだけではなく、アナログレコード、カセットテープ、ハイレゾ配信、ストリーミング配信と現在考えうるオールフォーマットでのリリースされている。2020.9.21は、ファンとバンドにとって特別な1日となった。
【ライヴレポート】
BUCK-TICKが、33回目のデビュー記念日である9月21日に22枚目のオリジナルアルバム『ABRACADABRA』をリリース。それを記念して、無観客での初の生配信ライヴ『ABRACADABRA LIVE ON THE NET』を開催した。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、5月・6月に予定していたファンクラブ会員&モバイルサイト会員限定コンサートツアーの開催を延期したBUCK-TICKが、生演奏する姿を見せるのは今年初のこと。しかもリリースしたばかりのアルバム曲が発売当日にライヴ演奏で聴けるのだ。加えて1時間たっぷりと『ABRACADABRA』の魅力を語ったメンバーインタビューも心に焼き付け、ますます期待が高まる。
20時を少し過ぎた頃、インタビューシーンからライヴ会場のステージ袖の映像に切り替わった。時折見えるスタッフの足元。すぐそこにある息遣いに、こちらがライヴをするわけでもないのに、なぜだか緊張が高まってきた。ああこれは、暗転したライヴ会場でメンバーを待つ時の気持ちとなんら変わりがない。やがて、キラキラとSE「PEACE」が流れ始めた。スクリーンに浮かぶ“ABRACADABRA”の文字。いつものBUCK-TICKツアーのオープニング通り、ハイクオリティのオープニング映像に胸が熱くなる。生ライヴ配信とはいえ、観ている側の環境はいつも通りのお茶の間で、ちゃんとステージに気持ちがついていくのかどうか始まるまで想像できなかったが、それは杞憂なことだった。気がつくとステージ上にメンバーがスタンバイ。「ケセラセラ エレジー」のイントロで紗幕が開くと、軽やかにお辞儀をしてみせる櫻井敦司(vo)。華やかに広がるエレクトロサウンドの中を縫うように走る樋口豊(B)のベースライン印象的だ。エレガントなハットを被って艶やかな声で歌う櫻井と、中指立てながらコーラスする今井寿(G)との対比や、3度目のAメロでは二人がユニゾンで主メロを歌うなど、この1曲だけですでに見どころ満載だ。インダストリアルナンバーの「URAHARA-JUKU」は、ヤガミのずっしりとした4つ打ちリズムに樋口のベース、さらには星野英彦(G)のリズムギターも加わり、画面を通しても伝わってくる音の迫力に圧倒された。「Hello、みなさん元気? 楽しんでください、アブラカダーブラ」。短い櫻井のMCを挟んで、「SOPHIA DREAM」へ。サイケデリックなメロディと、櫻井と今井のツインボーカルが醸し出す独特の浮遊感に酔う。ヤガミが打ち鳴らすトライバルなリズムと、イントロの星野のコーラスで異国へと誘われた「月の沙漠」は、何よりバンドアンサンブルが美しい。黄金のマスクを手にした櫻井が情感豊かなボーカルを聴かせた。「Villain」では、今井が奏でるオリエンタルなメロディと、ヘヴィなデジロックサウンドがゾクゾクさせる。その熱をクールダウンさせたのは「凍える Crystal CUBE ver.」。歌詞をなぞるように表現する櫻井の表情とパフォーマンス、そしてそれに寄り添うバンドサウンドが美しくて優しい。その後、照明の落ちたステージで今井のギターソロが空気を転換すると、昭和歌謡調の「舞夢マイム」へ。男女の駆け引きを歌う櫻井の唇にひかれた赤いリップが、妖艶さがより一層増す。昭和の空気はそのままに「ダンス天国」へ突入。めくるめく倒錯の世界を楽しんだ後は、バンドサウンドにデジタル色が加わりよりダンサブルになったシングル曲「獣たちの夜 YOW-ROW ver.」「堕天使 YOW-ROW ver.」を披露。
今作『ABRACADABRA』は、音を繋ぎながらメンバー全員で曲順を決めたという作品だからか、こうしてアルバム通りの流れでライヴが構成されていてもストーリー性や緩急の具合など、とてもスムーズで心地よい。「MOONLIGHT ESCAPE」は、よりシンプルなライヴアレンジで、櫻井の低音を生かした伸びやかなボーカルが映える。優しいメロディだが、その実重いテーマを込めたこの歌を歌う目は鋭い。歌い終わりとともに腰を落として前を見据えるその目に、強い意志を感じた。そしてアルバムいちキャッチーでポップな「ユリイカ」へ。弾ける8ビートと共に、画面の向こうへ届けとばかりに“LOVE”と“PEACE”を投げかける。耳の後ろに手をやって、見えないオーディエンスの声を聴こうとする櫻井の仕草にジーンとくる。ラストはスモーク立ち込めるステージで、じっくりと聴かせた「忘却」。溢れ出る思いがオーディエンスの心を満たしていくように、ステージから流れ落ちたスモークがフロアを白く染める。その光景は息をのむほどに美しかった。
アンコールで再びメンバーが登場すると、今井がフロアの撮影を始める。その姿を追って撮影する樋口の様子も、いつものライヴと同じ風景だ。『ABRACADABRA』の世界観でがっちり固めた本編に続くアンコール、一体何を聴かせてくれるのだろうと思っていると、星野と今井がアコースティックギターを手にした。ヤガミのドラムから1曲めが始まったが、まだ判別がつかない。そこに樋口のベース、2人のギターのリズムが加わり全貌が見えてきた。「Living on the Net」のアコースティックバージョン!なるほど、この日のライヴタイトルにも少し掛かっているのか。1996年にリリースしたアルバム『COSMOS』の収録曲だが、当時よりも今の時代にフィットする歌詞かもしれない。 Aメロのザクザクとしたノイジーさはアコギとコーラスで、サビはシンプルにメロディアスさを際立たせていた。続いてスパニッシュな「Cuba Libre」からインダストリアルロックチューン「ICONOCLASM」、そして“人生は愛と死”と歌う「Memento mori」へ。オーディエンスからのレスポンスを求めるかのように、腕振りや大合唱が必須のナンバーを畳み掛ける。ラストはアッパーなロックチューンであり、レクイエムでもある「独壇場Beauty –R.I.P.–」で締めくくった。印象的だったのは、ステージを去る前にフロアに向けてピックを投げるメンバーの姿。オープニングSEの映像や、アンコールでの写真撮影もそうだったが、まるですぐそこにオーディエンスがいるかのような、“いつも通り”のメンバーの立ち居振る舞いが何より嬉しいのだ。歓声は届かない。投げたピックも届かない。しかし、この環境下の元でメンバーとオーディエンスとの繋がりはより一層強くなったのではないだろうか。両者の思いの種となるのは、櫻井がインタビューで何度か投げかけた「I miss you」という言葉だろう。
BUCK-TICKが無観客ライヴを行なったのは、1991年の衛星放送以来29年ぶりのこと。それを生配信することも、アルバム通りの曲順のみで本編を構成することも初めての試みとなった。このコロナ禍で配信ライヴも各所様々な創意工夫が見られるが、今回のBUCK-TICKのステージは特異なギミックを使うことなく、シンプルなスタイルで新作の楽曲群を演奏することに徹した。だからこそ楽曲のもつパワーや、表情豊かな歌声に激しく胸を打たれたのだろうと思う。
そして9月26日(土)より全国23会場を巡る「TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN」がスタートする。今回の無観客生配信ライヴがライヴハウスツアーを踏襲したものだとすれば、こちらは今井がインタビューで語っていたように“作り上げる”形のステージで、『ABRACADABRA』の世界観をホールツアーさながらのスケール感で楽しむことができる。そしてまたいつか元気に笑顔で相まみえ、「I miss you」が「We love you」に変わる瞬間を、会場いっぱいにピースサインが広がる光景を、必ずや目撃したいと心に誓ったのだ。
Photo by 田中聖太郎
<セットリスト>
SE~PEACE
1. ケセラセラ エレジー
2. URAHARA-JUKU
3. SOPHIA DREAM
4. 月の砂漠
5. Villain
6. 凍える Crystal CUBE ver.
7. 舞夢マイム
8. ダンス天国
9. 獣たちの夜 YOW-ROW ver.
10. 堕天使 YOW-ROW ver.
11. MOONLIGHT ESCAPE
12. ユリイカ
13. 忘却
(アンコール)
1.Living on the Net (アコースティックver.)
2.Cuba Libre
3.ICONOCLASM
4.Memento mori
5.独壇場Beauty-R.I.P.-
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、5月・6月に予定していたファンクラブ会員&モバイルサイト会員限定コンサートツアーの開催を延期したBUCK-TICKが、生演奏する姿を見せるのは今年初のこと。しかもリリースしたばかりのアルバム曲が発売当日にライヴ演奏で聴けるのだ。加えて1時間たっぷりと『ABRACADABRA』の魅力を語ったメンバーインタビューも心に焼き付け、ますます期待が高まる。
20時を少し過ぎた頃、インタビューシーンからライヴ会場のステージ袖の映像に切り替わった。時折見えるスタッフの足元。すぐそこにある息遣いに、こちらがライヴをするわけでもないのに、なぜだか緊張が高まってきた。ああこれは、暗転したライヴ会場でメンバーを待つ時の気持ちとなんら変わりがない。やがて、キラキラとSE「PEACE」が流れ始めた。スクリーンに浮かぶ“ABRACADABRA”の文字。いつものBUCK-TICKツアーのオープニング通り、ハイクオリティのオープニング映像に胸が熱くなる。生ライヴ配信とはいえ、観ている側の環境はいつも通りのお茶の間で、ちゃんとステージに気持ちがついていくのかどうか始まるまで想像できなかったが、それは杞憂なことだった。気がつくとステージ上にメンバーがスタンバイ。「ケセラセラ エレジー」のイントロで紗幕が開くと、軽やかにお辞儀をしてみせる櫻井敦司(vo)。華やかに広がるエレクトロサウンドの中を縫うように走る樋口豊(B)のベースライン印象的だ。エレガントなハットを被って艶やかな声で歌う櫻井と、中指立てながらコーラスする今井寿(G)との対比や、3度目のAメロでは二人がユニゾンで主メロを歌うなど、この1曲だけですでに見どころ満載だ。インダストリアルナンバーの「URAHARA-JUKU」は、ヤガミのずっしりとした4つ打ちリズムに樋口のベース、さらには星野英彦(G)のリズムギターも加わり、画面を通しても伝わってくる音の迫力に圧倒された。「Hello、みなさん元気? 楽しんでください、アブラカダーブラ」。短い櫻井のMCを挟んで、「SOPHIA DREAM」へ。サイケデリックなメロディと、櫻井と今井のツインボーカルが醸し出す独特の浮遊感に酔う。ヤガミが打ち鳴らすトライバルなリズムと、イントロの星野のコーラスで異国へと誘われた「月の沙漠」は、何よりバンドアンサンブルが美しい。黄金のマスクを手にした櫻井が情感豊かなボーカルを聴かせた。「Villain」では、今井が奏でるオリエンタルなメロディと、ヘヴィなデジロックサウンドがゾクゾクさせる。その熱をクールダウンさせたのは「凍える Crystal CUBE ver.」。歌詞をなぞるように表現する櫻井の表情とパフォーマンス、そしてそれに寄り添うバンドサウンドが美しくて優しい。その後、照明の落ちたステージで今井のギターソロが空気を転換すると、昭和歌謡調の「舞夢マイム」へ。男女の駆け引きを歌う櫻井の唇にひかれた赤いリップが、妖艶さがより一層増す。昭和の空気はそのままに「ダンス天国」へ突入。めくるめく倒錯の世界を楽しんだ後は、バンドサウンドにデジタル色が加わりよりダンサブルになったシングル曲「獣たちの夜 YOW-ROW ver.」「堕天使 YOW-ROW ver.」を披露。
今作『ABRACADABRA』は、音を繋ぎながらメンバー全員で曲順を決めたという作品だからか、こうしてアルバム通りの流れでライヴが構成されていてもストーリー性や緩急の具合など、とてもスムーズで心地よい。「MOONLIGHT ESCAPE」は、よりシンプルなライヴアレンジで、櫻井の低音を生かした伸びやかなボーカルが映える。優しいメロディだが、その実重いテーマを込めたこの歌を歌う目は鋭い。歌い終わりとともに腰を落として前を見据えるその目に、強い意志を感じた。そしてアルバムいちキャッチーでポップな「ユリイカ」へ。弾ける8ビートと共に、画面の向こうへ届けとばかりに“LOVE”と“PEACE”を投げかける。耳の後ろに手をやって、見えないオーディエンスの声を聴こうとする櫻井の仕草にジーンとくる。ラストはスモーク立ち込めるステージで、じっくりと聴かせた「忘却」。溢れ出る思いがオーディエンスの心を満たしていくように、ステージから流れ落ちたスモークがフロアを白く染める。その光景は息をのむほどに美しかった。
アンコールで再びメンバーが登場すると、今井がフロアの撮影を始める。その姿を追って撮影する樋口の様子も、いつものライヴと同じ風景だ。『ABRACADABRA』の世界観でがっちり固めた本編に続くアンコール、一体何を聴かせてくれるのだろうと思っていると、星野と今井がアコースティックギターを手にした。ヤガミのドラムから1曲めが始まったが、まだ判別がつかない。そこに樋口のベース、2人のギターのリズムが加わり全貌が見えてきた。「Living on the Net」のアコースティックバージョン!なるほど、この日のライヴタイトルにも少し掛かっているのか。1996年にリリースしたアルバム『COSMOS』の収録曲だが、当時よりも今の時代にフィットする歌詞かもしれない。 Aメロのザクザクとしたノイジーさはアコギとコーラスで、サビはシンプルにメロディアスさを際立たせていた。続いてスパニッシュな「Cuba Libre」からインダストリアルロックチューン「ICONOCLASM」、そして“人生は愛と死”と歌う「Memento mori」へ。オーディエンスからのレスポンスを求めるかのように、腕振りや大合唱が必須のナンバーを畳み掛ける。ラストはアッパーなロックチューンであり、レクイエムでもある「独壇場Beauty –R.I.P.–」で締めくくった。印象的だったのは、ステージを去る前にフロアに向けてピックを投げるメンバーの姿。オープニングSEの映像や、アンコールでの写真撮影もそうだったが、まるですぐそこにオーディエンスがいるかのような、“いつも通り”のメンバーの立ち居振る舞いが何より嬉しいのだ。歓声は届かない。投げたピックも届かない。しかし、この環境下の元でメンバーとオーディエンスとの繋がりはより一層強くなったのではないだろうか。両者の思いの種となるのは、櫻井がインタビューで何度か投げかけた「I miss you」という言葉だろう。
BUCK-TICKが無観客ライヴを行なったのは、1991年の衛星放送以来29年ぶりのこと。それを生配信することも、アルバム通りの曲順のみで本編を構成することも初めての試みとなった。このコロナ禍で配信ライヴも各所様々な創意工夫が見られるが、今回のBUCK-TICKのステージは特異なギミックを使うことなく、シンプルなスタイルで新作の楽曲群を演奏することに徹した。だからこそ楽曲のもつパワーや、表情豊かな歌声に激しく胸を打たれたのだろうと思う。
そして9月26日(土)より全国23会場を巡る「TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN」がスタートする。今回の無観客生配信ライヴがライヴハウスツアーを踏襲したものだとすれば、こちらは今井がインタビューで語っていたように“作り上げる”形のステージで、『ABRACADABRA』の世界観をホールツアーさながらのスケール感で楽しむことができる。そしてまたいつか元気に笑顔で相まみえ、「I miss you」が「We love you」に変わる瞬間を、会場いっぱいにピースサインが広がる光景を、必ずや目撃したいと心に誓ったのだ。
Photo by 田中聖太郎
<セットリスト>
SE~PEACE
1. ケセラセラ エレジー
2. URAHARA-JUKU
3. SOPHIA DREAM
4. 月の砂漠
5. Villain
6. 凍える Crystal CUBE ver.
7. 舞夢マイム
8. ダンス天国
9. 獣たちの夜 YOW-ROW ver.
10. 堕天使 YOW-ROW ver.
11. MOONLIGHT ESCAPE
12. ユリイカ
13. 忘却
(アンコール)
1.Living on the Net (アコースティックver.)
2.Cuba Libre
3.ICONOCLASM
4.Memento mori
5.独壇場Beauty-R.I.P.-
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